賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

読み物部屋

無題

「現代西ヨーロッパ人」と呼ばれる人間類型を作っている生体験のエレメントは、仕事(Arbeit)と金儲け(Erwerbe)である。 この人間類型は一切の生体験をこの二つのエレメントにおいて受けとる。 十三世紀の末以来姿をあらわし、高度資本主義社会の中に明瞭…

Shalom Chaverim

Shalom Chaverim - Frieden Freunde 「ブルーな球体」ブログのナオさんの記事を拝見して、この歌が思い浮かびました。 まあ、なるしまゆりの「少年魔法士」を読んでいて、ナギさんがこの歌を歌ってましたのでちょっと調べたことがある程度のものなのですが、…

子供の力(後半)

「まあ、かわいい子!」と、一人の女が言った。 「誰を探してるの?」と、もう一人の女が子供のほうへかがみ込みながら言った。 「父ちゃんだよ! 父ちゃんのところへ行きたい!」と子供はわめいた。 「坊や、お年はいくつ?」 「父ちゃんをどうするんだい?…

子供の力(前半)

「殺せ!……撃ち殺せ!……いますぐそいつを撃ち殺せ!……やっつけろ!……その人殺しめの咽喉を掻き切ってやれ!……殺せ!……殺せ!……」群衆のなかから一斉にそうした男の声や女の声が聞こえてきた。 おびただしい数の群衆が、一人の男を縛って通りを引っ立てていった…

「TPP亡国論」を読んだ

しかしアレですな。今流行りの本を読むというのは、またえらくハズいものですな。 でも面白かった。扇情的なタイトルと帯なのですが、ですます調で丁寧にTPPについて語られている内容は至って平静なものであり、こういう方面に極めて不案内な自分も色々とタ…

Sayonara (yanokami)

Sayonara - yanokami レイ・ハラカミが亡くなったと知ってビックリした。まだ40歳。全然死ぬような年齢じゃないのになあ。今年は惜しい人が亡くなり過ぎる。それにしても今年のサマソニは、なにか呪われてるんじゃなかろーか。 そして小松左京も亡くなった。…

明日ありと 思う心のあだ桜

Nirvana First Live Performance of Smells Like Teen Spirit 以前BIGGERA CURLさんに教えてもらった動画を、今でも何かと聴いてしまう。「ランボーは早死にしたゲーテで、ゲーテは長生きしたランボー」だということを池田晶子が書いていたが、その伝でいけ…

楡の木

「葉が出はじめた。まもなく小さな青い毛虫が楡の木について、葉を食いつくすことだろう。木はいわば肺をとられたようになってしまう。そのうちわかるが、木は窒息しまいとして、新しい葉を出し、もう一度春を迎える。しかし、この努力のために木はまいって…

知性改善論(16節~18節)

前回までの流れ「みんなで最高の善をゲットしよう!」 <16>しかしまずなによりも先に知性を矯正し、最初において可能な限りこれを浄化して、その結果知性が首尾よくも物を誤謬なしにそして出来るだけ正しく理解するようになる方法を案出しなくてはならぬ。こ…

知性改善論(11節~15節)

前回までの流れ「他人が求めている喜び(善)は当てにはならない。でもそういう自分も、そんな不確実な喜びに未練を残してしまう・・・ピンチら!」 <11>ここに、唯一わかっていたことがあった。それはこうした思想にたずさわっているその間だけは、精神が以…

知性改善論(6節~10節)

前回の流れ「最高の善(喜び)をゲットするぜ!・・・でもどうやって?」 <6>かくて、これらすべてがある新しい計画のために努力することの妨げになることを、それどころか必然的にそのどちらかを断念しなければならぬほど、互いに背反していることを見た時…

知性改善論(1節~5節)

「知性の改善に関する、並びに知性が事物の真の認識に導かれるための最善の道に関する論文」(バルーフ・デ・スピノザ) ←正式名称。長っ。 <1>日常生活において、しばしば遭遇するもののすべてが虚ろで空しいことを経験によって教えられ、また私にとって怖…

「知性改善論」(スピノザ)を読む

だからネタの使い回しは(ry こんばんわ、相変わらずスピノザの「エチカ」がさっぱり理解できない賽の目です。 ということでですね、「エチカ」の入門書的に位置にあたるという「知性改善論」でも、読んでみたらんか~いとか思って、探し回ってたんですけど、…

「二十世紀末の闇と光」より

あるとき、私が病気をしたら、タタールの娘さんに蜂蜜のお菓子をつくらせて、それをもって見舞いに来てくれたんです。部屋に上がってもらったら、私の部屋を見回して、「おまえ、ずいぶん本を持っているな。この本、どうするんだ」「もちろん、これで勉強す…

天国と地獄

Spring(春) Sound the Flute!(笛を吹け!) Now it's mute.(もう やんでしまった。) Birds Delight(鳥は楽しい) Day and Night.(昼も夜も。) Nightingale(ナイチンゲールは) In the dale(谷間で) Lark in Sky(ひばりは空で) Merrily(楽しく…

二つの自由

角川文庫から出ている、小林秀雄の『常識について』という本に、「自由」という題名のエッセイがあって、二つの「自由」、LibertyとFreedomについての違いが述べられている。 この二つの自由に関して色々な解釈の仕方があるようだが、たとえば、人権擁護法案…

平気で偽善を口にする人々

「質が悪い」と私は言ったが、偽悪の悪さはその心性である。偽善を暴いて悦に入る、善を知らずに偽善を嗤(わら)う、その品性の卑しさである。困っている人々を助けなくても、こんな世の中で愛を説かなくても、そうする人々を偽善と嗤ってすまそうとするの…

なんかU2のコトを書いてみる

最近はこういう曲を主に聴いている。うむ、アルバム・ヴァージョンがひとつもないな! Stuck In A Momentが2曲入っているけど、この曲はやはり名曲だなあと思う。 Beautiful Dayがあって、Elevationがあって、Walk Onがあって・・・ATYCLBは、本当にすごい…

「言葉を持たない異質性」

そのころ、ぼくの先生であるラマ僧は、この土地にチベット難民の子供のためのラマ・カレッジをつくる準備をすすめていた。彼は大きな構想をもっていた。チベットの大地を追われてさまざまな国にちりぢりになったかれらの仏教は、危機に瀕していた。その仏教…

『生誕の災厄』を読み返す

あらゆる罪を犯した。父親となる罪だけは除いて。 ―――E.M.シオラン『生誕と災厄』10p ポップマートDVDを観ていたら、昔のコトを色々思い出してきてしょうがなかったのですが、そういえばあの頃、この本を愛読してたんだよなあ、と本棚から引っ張り出して…

Engaged Buddhism

ヴェトナムの「行動する仏教」は、功徳は寺のためだけに積むものではなくて、町や村へとひろがっていくことができると教えます。トゥはバイさんにこう説明しました。 「みんながあんまり苦しんでいるので、仏陀ご自身もじっと座っていられなくなって、人々の…

私を本当の名前で呼んでください(ティク・ナット・ハン)

難民のなかには若い女性もたくさんいて、海賊に強姦されることもよくあるのです。国連をはじめ、多くの国はタイ政府を援助して、このような海賊行為を取り締まろうとしていますが、海賊たちの難民への加害行為はあとを絶ちません。あるとき私たちは、小さな…

『忠告』(ティク・ナット・ハン)

私に約束してください 今日、私に約束してください いま、私に約束してください 太陽が頭上にあるあいだに まさしく天頂にあるあいだに 私に約束してください たとえ彼らが 山ほどの憎しみと暴力で あなたを打ち倒しても たとえ彼らがあなたを虫けらのように…

プライドという言葉

「エアマスター」(柴田ヨクサル)というマンガで、「安いプライド」という言葉が出てくる。 ジョンス・リーというキャラクターが、こんな具合に説明しているのだが、当時えらく燃えたものである。 このセリフのポイントは、“安い”という箇所にあり、それは…

ウツクシ断想

人は誰も花を好む。花を好まない者は人にして人でない。花は天然の言辞(ことば)である。花によりてわれらは天然の心を解することが出来る。そうしてわれら人類も天然の一部分であるから、われらの心も花において顕れる。花は無言の言辞である。天使の国に…

Window In The Skiesを聴きながら

「無条件の信頼のうちに生まれる愛の完全な幸福は、疑い深い、悪意を持った、不機嫌な人間より他の人間に与えられた事があるだろうか。惟うにこういう人間達は、愛の幸福に面して、法外な、信じた事もなければ信ずべくもない、自分の魂の例外を味わうのだ。…

なごや戦記

「池田晶子」と聞いて、ダヤンを思い出すか、ソクラテスを想起するか、涼宮ハルヒを連想するかで、その人の文化圏がつかめるかもしれないですね。 こんばんわ、「毎日ブログ更新」とかいってた日々が懐かしい賽の目です(遠い目)。 まあ、アレですよ、昨年…

「ドビュッシー音楽論集」を読む

我慢のならない薄笑いが、音楽について話すときに特にうかぶので、ふと思いついて私は彼に職業をたずねた。 断じて有無を言わせぬ声で彼はこたえた。 「反好事家(アンティディレッタント)……」 (1 クロッシュ氏・アンティディレッタント) うおお、クロッ…