賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

ボノ インタヴューズ

プリンス(p227)

プリンスを見ろよ。二十世紀の作曲家の中で最もお気に入りの一人なんだ。本当に彼の才能を信じている。でも、プリンスには編集者が必要だ。口論は必要だよ。スタジオの中でプリンスにファック・オフ!と言える人がね。「わかりますか? ここには素晴らしい六…

大主教(p395)

最初は気を遣って丁寧に彼と話をしていた。大主教は人びとから「アーチ」と呼ばれているから、僕が「アーチ(弓形)様、こちらはエッジ(端)です」って言ったらね、ずっと笑っていたんだよ。広い心と優れた頭脳を持った笑顔の人だったんだ。それから僕が「…

フェア・トレード(p158)

もしアフリカが、世界全体の貿易の一パーセントを増やしたとする。それはアフリカが毎年援助で受け取る金額の三倍に等しいんだよ。アフリカは毎年約二百十億ドルの援助を受け取ってるから、貿易が一パーセント増えれば、七百億ドルの現金があの大陸にやって…

ハウイーB(p284)

(歌って)「いつ再び君に会えるかな? ディディディディ……/いつ大事な時間を共有できるかな?」。喪失についての歌だ。あの曲(天使のささやき/When Will I See You Again)を聴いたら君も涙を流すかもしれないよ。とても奇妙ないきさつがある。 一九九七年…

バルテュス(p440)

八十五歳の誕生日に招いてくれて、僕が家に着いたときには、友人と家族でいっぱいだった。有名な顔もいれば、地元の人たちもいたし、君らの一部が「貴腐」(笑)と呼ぶような連中もいたよ。昔からのヨーロッパの名家の人たちだ。すごく興味深かったね。そこ…

パヴァロッティ(p367)

パヴァロッティもその曲で一緒に歌っているけど、「ああ、若い頃の彼は驚異的な喉を持っていた。曲芸的な歌声だったけどなあ」などと言われている。でも僕が耳を傾けると、そこには同じ才能があるし、そのうえ歌声の中に聞こえる人生経験がそれをもっと豊か…

ラリー(p81)

僕らはいつだってそりが合うんだ。あの頃、今もそうだけど、ラリーは多くの人を受け入れなかった。でも、いったん親しくなると、彼はとても誠実で信頼のおける友人なんだ。僕も誠実さはあるけれど、信頼しかねるところのある友人さ。でも、彼は友人のために…

アダム(p92)

最初のときのことを覚えてるな。僕らはまだ十代だった。アリがアダムと話してたら、彼女が足の側で何か湿り気を感じた(笑)。なんと、彼が小便をしていたんだ。アリの足にかけたわけじゃないけど、足の近くにね。アダムはどんな状況でもアレを引っ張り出す…

エッジ(p104)

ああ、<恋は盲目/Love Is Blindness>は本当に驚くべき曲だ。この曲の最後でエッジがソロを弾いていたのが忘れられない。僕がもっと弾け、もっと、もっと、と強要したんだ。結局、彼は弦が切れるまで演奏したよ。実際、最後の方で弦が切れる音が聞こえるんだ…

オジー(p256)

家の中はすごくオズボーン的だよ。ひどく疲れていたり、深夜遅くに帰ってきたりしたとき、足を引きずってのろのろ歩く僕を見て、娘たちは「オジーみたいに歩いてる」と言うんだ。そこで僕は(オジー・オズボーンの声を真似て)「ファック・オフ! ファック・…

バッハ(P190)

例えば、僕らは五度へのサスペンデッド・コードにすごく惹かれている。エッジのギターにはそれがある。宗教音楽でたくさん聴くことができるよ。バッハにね。あの幸せだけど悲しい感情だ。苦悩と恍惚。それは僕にとってお気に入りのポップ・ソングを作る二次…

日の出(P347)

いいかい、寝る前にせよ、起きてからにせよ、僕が神に祈るのは日の出のときなんだ。人が見てきた中でも最も並はずれて素晴らしい日の出の幾つかを僕は世界各地で見てきた。東京の超高層ビルのてっぺんからとか??リアムとノエルのギャラガー兄弟と一緒にサン…

ビートルズ(P98)

二十年間を振り返ると、僕に見えるのはゆっくりとした、ほとんど見えないくらいの進化だ。段階を踏みながら、ゆっくりと才能が開花してきた。『ヨシュア・トゥリー』や『アクトン・ベイビー』、または今のように、行き先を模索しているように見えた瞬間もあ…