バルテュス(p440)
八十五歳の誕生日に招いてくれて、僕が家に着いたときには、友人と家族でいっぱいだった。有名な顔もいれば、地元の人たちもいたし、君らの一部が「貴腐」(笑)と呼ぶような連中もいたよ。昔からのヨーロッパの名家の人たちだ。すごく興味深かったね。そこにいることを名誉に感じたよ。セツコがこれは仮面舞踏会だって説明してくれた。僕は言ったよ。「知らなかった。僕は仮装なんてしないからね」。セツコは僕の部屋に来て言った。「バルテュスがあなたの着る服を選んでおいたの。これを着るのは彼とあなただけよ」。それは……サムライの衣装だった!(笑) OKしたよ。それで僕はサムライの衣装を身につけたんだ。(440ページ)