改めてPOLYSICSとU2の似てるところを考える。
この2枚(1st P / A・D・S・R・M! )は、なかなか見つけられなかったものですから、リマスターまで施してくれて、ありがたいっす。
聴いてみると初期作品ならではの、勢いだけは一丁前の元気溢れる作品でした。「BUGGIE TECHINICA」、「PLUS CHICKER」、「Hot Stuff」と、現在でも演奏される重要な曲がすでに収録されてますが、セカンドの「A・D・S・R・M!」はともかく、ファーストの「1st P」は、本当に粗いですなあ。
聴いてみると初期作品ならではの、勢いだけは一丁前の元気溢れる作品でした。「BUGGIE TECHINICA」、「PLUS CHICKER」、「Hot Stuff」と、現在でも演奏される重要な曲がすでに収録されてますが、セカンドの「A・D・S・R・M!」はともかく、ファーストの「1st P」は、本当に粗いですなあ。
アマゾンの「内容紹介」では、「パンク/ニューウェイブ、ガレージ・ロック、サーフィン・サウンド、オルタナティブ・ミュージック、エレクトロ・ポップetcを、ゴチャ混ぜにして吐き出したようなサウンド」と書いてありますが、ええと
ぶっちゃけハヤシさん、やり過ぎです。 |
まあ、実際聴いてみれば、イイと思ったものを片っ端から詰め込みました~みたいな、まさに新人バンドのノリですね。精神的胃拡張というやつですな、食べれば食べる程むしろ空腹感が増すという。
基本的に、ポリのアルバムは、「Now is the time!」以降の作品ばかり聴いているので、初期の頃のピコピコ感あふれる楽曲に触れると、ああ、ポリはこういうバンドだったんだと、今更の感慨にふけってしまいます。現在のドラマーの加入したことが一つの転機となったのでしょうか。ピコピコに頼り切らなくても、生のドラムとギターで、充分高品質のアドレナリンをお客さんに供出できるという自信が生まれたような気がします。
俺たちは、レノン=マッカートニーとかルー・リード風のポップソング作りに戻ろうとする、イングランドの傾向に共感を覚えたんだ――ノエル・ギャラガーとかオアシスがやってるみたいなね。でもテクノやヒップホップの持ってるエネルギーとか、挑戦的な姿勢にも惹かれた。で、その2つを一緒にしたらどうなるどうなるだろうかってことになったのさ。このアルバム(「POP」)は、そうやってできたんだ。
と、「Walk On」(スティーブ・ストックマン著)という本の中でボノさんが語ってますが(209p)、このPOP製作時のU2の姿勢とポリの創作姿勢は、かなり共通する点があるのではと思ってます。何度も蒸し返してスミマセン。ポリ聴いて、やっとPOPでU2がやりたいことが分かったぞ~って気持ちになれたので、どうしてもこだわってしまうところがあります。ポリの食パン投げと、U2のレモン型ミラーボールは、同じ現象なんですよ!(まさかまさか)
でもですね、U2のATYCLB→HTDAAB→NLOTHの流れと、ポリのNow is the time→KARATE HOUSE→We ate The machineの流れって、奇妙にリンクしてる気がして仕方ないんすわ~。どちらも三部作の完結編として期待されていたのに、出来上がったものは、その斜め上を行ってしまったコトとか(笑)
We ate The machineを最初聴いた時も、その自由度の高さに、いささかとまどってしまったものですけど、これもNLOTHの時と似てるんだよなあ。
We ate The machineを最初聴いた時も、その自由度の高さに、いささかとまどってしまったものですけど、これもNLOTHの時と似てるんだよなあ。
ポリの場合は、元々雑食性溢れる音楽性でしたので、「なんでもアリ」な作風は望むところだ!ってなモンですが、頑固一徹のU2の場合、実に厄介でしたねえ。POPは、その生みの苦しみが如実に現れたアルバムでした。
POPから12年後に発表された「No Line on the Horizon」は、その長きにわたる生みの苦しみの果てに生まれた作品なのかもしれません。もうU2は苦しんでない。あるのは確かな「自由さ」だけ。NLOTHに横溢する「若々しさ」というものは、この自由さから発生しているのかもしれません。
「蒼天航路」(王欣太)というマンガの中で、張飛が劉備の変貌ぶりに驚きつつも納得してしまう場面があるのですが(→■)、それに倣って言えば、「なんだかんだと もがきあがいちゃきたが、ああ~~今ァ ボーノ・ヴォックスと呼ばれてた、あの物腰でアルバムを作ってやがるぜ」などと述懐したくなります。我ながら強引だぜ。
それはともかく、ポリには本当に一言お礼を言いたい気持ちがずっとありました。POPを理解できたというコトもさることながら、自分の中に長らく巣食っていた、洋楽コンプレックスから脱却できたということです。
ある意味、U2のおかげで、この病気をいたずらに悪化させてしまったとも言えるのですが(笑)、海外のフェスで、ポリがメイkンステージで威風堂々、演奏する動画を拝見して、見事に快癒しました。
というか、自分がこれほど重症だったとは、今まで気付いてませんでした。ロックというものを、今まで随分と窮屈に聴いていたんだなあ。本当にマイったよ。
というか、自分がこれほど重症だったとは、今まで気付いてませんでした。ロックというものを、今まで随分と窮屈に聴いていたんだなあ。本当にマイったよ。
冬目景のマンガを読んで、「マンガをマンガとして読む」ことが出来るようになったように、ポリを聴いて、「ロックをロックとして聴く」ことが出来たような気がします。おかしな表現ですが、実感です。
今まで異常に観念的に、いわば渋谷陽一的に聴いていたんですね(笑) これはいけません。関係ないですが、今月の渋松対談で、渋谷陽一が現在のU2について「文句は言いたいけど褒めたいんだよ」と語ってましたけど、これには全く同感です。
今まで異常に観念的に、いわば渋谷陽一的に聴いていたんですね(笑) これはいけません。関係ないですが、今月の渋松対談で、渋谷陽一が現在のU2について「文句は言いたいけど褒めたいんだよ」と語ってましたけど、これには全く同感です。