賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

HTDAABノート

    Vertigo

Vertigoを初めて聴いた時、その、あまりにもロックンロール然としたサウンドに唖然と
してしまったことを覚えている。

 

俺たち、ロックンロールにどんどん飽きてしまっているんだ」と、アルバム「POP」を
発表した際、エッジがインタビューで答えているが、10年後、まさか彼らがここまで
直線的にロック・サウンドを追及するとは、予想だにしていなかった。

 

何故ロックなのか。

 

ロックンロールの力を信じる。もう一度信じてみよう。ヒップホップ。
ティーヴ・リリィホワイトの貢献。Get Back。本当の意味での原点回帰。
偉大なシングルの力。三分間の魔力。

 

本来、U2にとって、こういう曲を作るのは朝飯前。
U2らしくない曲を作ることが、90年代におけるU2のアイデンティテイー。
いや、それは初期の頃からか?
なんか今のはU2っぽくないか? 待てよ、俺たちはU2じゃないか!

 

その根底に強靭な「否定性」を持ったバンド。否定することによって成長する。
表面に現れる肯定性は、その根底にある否定性を基にしている。
「WAR」時代、バンド批判して、ステージ上でエッジに殴られる(笑)
with or without you――貴方がいてもいなくても、自分は生きていくことができない。

 

蒼天航路の言葉。「荀彧は荀彧であればよいのだ」。転用する。
U2U2であればよいのだ」。「ボノ インタヴューズ」83ページを引用。

 

U2U2であることを自身が認めるのに、10枚のオリジナルアルバムと、
25年の歳月を必要とした。驚くべきなのか、感心するべきなのか。呆れるべき?