賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

「静さまは初恋である、浪漫斯はまだない。」(石川秀幸)1巻を読んだ


ジッタリン・ジン / 夏祭り ( Jitterin’ Jinn / Natsumatsuri )【MV】

最近、有線で流れて「いいなあ」と思って調べてみたら存外に有名な曲だったでござるの巻

 

1990年に発表された曲ですが凄い、全然昔の曲と思えない。曲展開がいちいち意表をつかれて、なんかMewのこの曲を思い出してしまいましたが、こういう曲は飽きないのでいつでも新鮮な気持ちで聴けますね。

 

と、一日一曲YOUTUBEをやったところで本題です。

 

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 ヤングジャンプで連載されていた「夜明け後の静」の続編的作品。

ヤングジャンプからウェブコミック配信(となりのヤングジャンプ)へと移行したことから「島流し」呼ばわりする方もいらっしゃいますが、ヤンジャンを購読してた当時は楽しみにしてた作品でした。ちなみに現在はヤンジャンは購読してませんゴメンナサイ。

 

教養的ちょいエロコメ」というキャッチフレーズが付されていた「夜明け後の静」ですが、ぶっちゃけちょいエロどころじゃねーぞと。咲-saki-を思わせるような容赦のない過激な描写もちらほら見られ、そういうのがニガテな方にはお薦めしにくい作品だったのですが、ワタシは好きでした。

 

明治初頭の日本のさまざまな風俗(エロい意味でなく)描写が個人的な読みどころでございました。特に好きなのは、2巻に収録されている「静、遠足に行く」で、当時神社によく居たという鳥屋のエピソードが面白いなあと。鳥屋というのは、鳥屋さんが捕まえた鳥を客が3銭払って籠から逃がすだけという、誰得なの?とキャロライナ先生ならずともツッコみたくもなる商売なのですが、静さん曰く…

 

婆には金子が入る

鳥には自由が手に入る

最高ではないか

 

なのだそうです。BGMはWalk Onですよ。開かれたカゴの中にいる鳥はただ自由を求めて飛び立つんですよ。

と、こういった、なんとなく分かるような分からんような摩訶不思議な逝きし世の面影ヤンジャンで堪能してきたのですが、新作の「静さまは初恋である、浪漫斯はまだない。」では、これは読者層が変わるんじゃないのってくらい作品の路線が思い切って変更されましたね。

 

これまで主人公と百合百合してた主要キャラが脇に回り、主人公と新キャラの男の子とのすっとぼけた初恋が描かれるという百合路線→ラブコメ路線って、なかなかないシフトチェンジなんじゃないかと。

 

これが吉と出るか凶と出るか、予断は許されませんが、相変わらず明治の時代描写は面白いので、是非とも長続きしてほしいところ。

 西南戦争まで踏み込みそうなところで1巻は終わってますが、あまりシリアスにならないことを願いつつ続刊を楽しみにしてます。終わり。

一週間前に書くはずだった記事(前半)

※この記事は8月2日に更新された記事としてご覧ください

 

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そういえば先週の週刊少年マガジンの表紙は咲さんでしたね。

咲さんじゃねーし! 3年前の話だし! と言われても自分にとってはこの人はもう永遠に咲さんなんですよ、あきらめてください。

 

と、ストーカーまがいの発言をしたところで、表紙が咲さんだったんで、つい買っちゃったんですよ週マガ。「それでも歩は寄せてくる」(山本崇一郎)が今どうなってんのかなーってのも気になってましたし。あの画風はマガジンでいい感じに浮いてんじゃないかなー。

 

で、読んでみるとなんか体育祭やってました。おおー、舞台が段々広がってきましたね。しかし歩くん堂々と先輩をお姫様だっこしおってからに、羨ましいじゃないの。少しは恥ずかしがりなさいよ、ひとひら」(桐原いづみ)のカップルのよーに!

 

そういえばひとひらって確かアニメ化されたんですよねー。コミックハイという決してメジャーとは言えない雑誌でよくもアニメ化を達成できたものですよ、ありがたやありがたや。

 

そういうことでアニメ化される「球詠」(マウンテンプクイチ)なんですが、来春に放映予定だそうですねー。待ち切れませんよ。ワタクシ、テレビが生活に関わってこない子なんで、ちゃんとアニメを観られるかどうかは不安なんですが、盛り上げていきたいなー。初公式試合の影森戦まではやって欲しいなあ。

 

そうそう、野球といえば「ダイヤのA act2」(寺嶋裕二)は、薬師ー市大三戦が始まってるんですね。こういう主人公がいない学校同士の試合は結果が読めないからすげー楽しみです。個人的には市大三高が勝って欲しいですけど。

 

しかし、ダイヤのAはもう18巻が今月の16日に発売されるんだ。さすが週刊誌連載、早いよ早いぞ。17巻でマウンドを降りた沢村がベンチで声を出すシーンを読んだ時は、おっちゃんなんか涙が出ちゃったよ。なっとらんわー。

球詠でもホームラン打たれたヨミさんが声を出してましたが、歳取るとこういう健気さが心に刺さって困るわー。年齢を重ねると涙もろくなるってマジだったんだなって改めて思う今日この頃。

 

あと、凄いビックリしたのが「DAYS」に前作のキャラが登場してたこと。犬童くんとかいるじゃないかさー。前作の「振り向くな君は」は単行本買うくらい好きだったんですけど、なかなか派手な打ち切りを食らってショックでした。その後マガジンからは疎遠になってしまってDAYSは今まで読んでませんでしたよ。知らんかったー。

 

サッカー漫画描いて打ち切り食らったのにまたサッカー漫画で勝負してくるってなかなか勇気があるなあと当時は遠くから感心してたくらいだったのですが、これはもう「続編」と言ってもいいんじゃないですか。そう思わないと浮かばれませんよ。

 

スピナマラダ」(野田サトル)で例えますと、スピナマラダの連載終了後、今度はライバルの八戸清里高等学校をメインにしたアイスホッケー漫画を新たに連載するようなもんですね。おかしいですよ、普通はゴールデンカムイに行きますよ。いやそれも普通じゃないな。

 

今度マンガ喫茶でDAYSをちゃんと読もうと新たに決意したところで、やっぱりサンデーっぽさ全開のこの画風はマガジンでは浮いてるなーと思った「それでも歩は寄せてくる」ですが、なんか週マガのHPをのぞいてみると公式でPVが発表されてました。

 


山本崇一朗が描く新ヒロイン!『それでも歩は寄せてくる』PV

 

うん、恥ずかしいな!

私のこと好きって認めたら抱きしめてやるぞ」とかマンガなら1コマで済むのですが、ちゃんと言葉にされるとハンパなく恥ずかしいぞこれ。先輩の気持ちが今なら痛いほど分かるぜ!

実写咲-Saki-でも実感しましたが、漫画(二次元)と現実(三次元)はこんなにも違うもんなんですなあ。漫画をただ漫然と漫画として読むのでなく、現実として実感的に読む訓練も一度した方がいいかもなあ。

 

とまあ、そんなこんなでなんか色々と啓発されました。久々に買って読んでみたけどなんかマガジン面白いぞ。すっかり低下していた漫画熱がまた上昇してしまいそうだ。

 

そんな訳で思わず今週のチャンピオンも勢いで購読してしまったのですが、その話はまた次回に…

 

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※重ねて申し上げますが、この記事は8月2日に更新された記事としてご覧ください

それでも歩は寄せてくる(山本崇一郎)1巻を読んだ

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ヒロインさんが可愛いので。

…と書いたまま一週間放置してました。すみません。
ええそうですよ、「ヒロインさんは咲-Saki-の末原さんに少し似てるなー」とか「こういう系の作品では侵略!イカ娘が最高峰だと思ってます」とか、そういうこと書こうとしてましたよ。

連載前にネットでこの作品のネーム状態のやつが公開されてて(将棋のやつ)、それが目に止まってなかなか良かったので単行本を購入した次第。
作者さんはオデコマニアというなかなか業の深い方のようですが「からかい上手の高木さん」は勿論読んでませんよ、当たり前じゃないですか!

しかし、高木さんはゲッサンで連載してて、この将棋のやつは週マガで連載されているのですね。これには驚きました。なぜ週刊少年サンデーで連載されなかったのか…なんか闇を感じるので掘り下げるのはやめよう。

ただただヒロインさんが後輩くんに攻めてこられて「んあっ」とたじろぐ様を楽しむ漫画ですので、内容を話しようがないんですが、好きな人は断固好き、ワシじゃワシじゃ。

なんだか高木さんも読んでみたくなりましたが、そこは魂を売らない俺カッコイイ!
ちなみにおまけマンガでは、ヒロインさんが末原さんでなく洋榎さんになっててとても良かったですはい。

BEASTARS(板垣巴留)にハマった(ネタバレ諸々あります)後半

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慕ちゃんヤベー

最新回の慕ちゃんの勇姿でございますが、さすが未来の世界記録保持者ですね。ついこないだまでこんな顔してたのになあ。

ここ最近の怒濤の展開で、なんだか慕ちゃんが遠くへ行ってしまったような気もしてしまいましたが、でも慕ちゃんは慕ちゃんだし! 世界王者になろうがいくつになろうが慕ちゃんはずっとこの頃のままで認識してしまうのが恐ろしいですね。


と、豪快にネタバレしたところで(前回の記事でも言った筈だ…賽ノ目手帖はネタバレ上等だと…)、続きであります。またも前振り休止状態で申し訳ない。月末で繁忙期だってことを忘れてましたよ。


ビースターズの感想かと思ったら球詠の感想やんけ、と相変わらずの表紙詐欺野郎の賽の目でございますが近頃、「海獣の子供」で検索される方がいらっしゃるなあと不思議だったのですが、なななんと、映画化されてたんですね、ビックリ! このタイミングで!?
 
それで7年前に書いた記事を読まれていただいたと思います。本当にごめんなさい。途中から「海獣の子供」(五十嵐大介)じゃなくて「透明人間の作り方」(増田英二)の感想になっちゃってます。なんじゃそりゃー!
 
と、書いた本人もビックリですが、そういうの好きなんですよね。途中から全っ然話が変わっちゃうの。なんでしょうかね。ビックリさせたいってのがあるかもしれません。
まあ、ぶっちゃけた話が、単に頭が悪いから整合性のある首尾結構の整った文章が書けないってだけなんですけどねー。
 
などとブロガーとして致命的な短所を暴露してる場合じゃないんですよ。ビースターズです、ビースターズ。端的に申しますと、
 
ビースターズめっちゃオモシレー!

ってことなんですよ。しかし、これがねー。もうアニメ化が決定してるし、なんかマンガ賞みたいなんをもらったみたいですし、今頃になって褒めるってのもどうなんですか? めちゃめちゃ恥ずかしくない? みんな知ってるってばよ!

漫画に対するアンテナが近年めっきり衰えてしまったツケが来ましたね。今後もこういう恥をどんどこずんどこかかなきゃならそうなので、今からでも慣れないとなー。
 
漫画とはいつの間にやら距離ができてしまい、あんなに好きだったチャンピオンともすっかり疎遠になってしまったのですが、最近またチャンピオンコミックを読んでみようって気になって「六道の悪女たち」(中村勇志)とか「魔入りました入間くん」(西修)など漫画喫茶で読んでみたんですよ、アニメ化とか関係ないんですよ、マジ卍!
 
両作品ともいかにもチャンピオン作品といった風情で、荒削りながらも燃え上がれ少年心!満載の熱い作品で一気に読み通してしまいました。さすがチャンピオン! 読ませてくれるぜ!と改めて感心したものですが、第三弾として読み始めた「ビースターズ」にはビビりました、いや面白すぎて。
 
正直、上記の3作品の中では一番読むのに消極的でした、なんでしょうかオシャレくさくって
そこはかとなーく表紙からサブカルも分かってるんだぜ的なリア充の匂いが感じられ、てやんでえ!って反発する気持ちがあったのですが、いざ読んでみるとなんのことはない、どこに出しても恥ずかしくないチャンピオン丸出しの熱い漫画でした、なーんだ。俺の嗅覚も衰えたもんだぜ~。
 
今回は、とにかく恥ずかしいので、散々語られてるであろうチェリートン学園編のことは避け、主人公が学校を退学した後のレゴシフリーター編について少しく感想を述べたいと思います。あ、「~~編」というのは今でっち上げました。
 
そもそも、主人公が学校辞めるって凄いですよね。レゴシが12巻で「学校やめよう」って言い出した時は驚愕しましたよ。思わず単行本買っちゃいますよそりゃあ。
 
少年漫画で「学校」っていうのはいわば「社会」そのもので、そこからドロップアウトしちゃうんだー。作者的にも2年以上学園モノをやっておいていきなり退学するって、相当な路線変更だったと思います。
 
でもそれだけのことをレゴシはしたのであって、その決断は正しいと思います。バキだってレゴシに負けないくらい重い過去を背負ってんだから、あの時点で学校辞めたって良かったんだよなー。あのシーンはマジ泣きしました。
 
と、唐突にバキネタ振ってすんませんした。それで12巻から学校を辞めたレゴシの自分探しが始まるのですが、これが滅法面白くてねー。おんぼろアパートで胡散臭い住人たちとなんだかんだしていく感じが、なんかこう昭和の香りがするんですよ。
高橋留美子も影響を受けたという「喜劇新思想体系」(山上たつひこ)を彷彿させます。それはどうかな! 普通にめぞん一刻でいいじゃないかな。
 
お祖父ちゃんのゴーシャとの話も良かったです。特にここら辺の下りはねえ、本当にしんみりしちゃいますよ。いつも笑顔でいること、これ以上の子育てはないんですよ。あんまりオジサンを泣かせんなよー。
 
あとですね、レストランでレゴシとゴーシャがチンピラに絡まれるんですけど、これってちょっとジョジョに似てない?  レゴシが女装してルイ先輩に接近した時も「ジョセフやん」って思ってしまったのですが、なんか妙にジョジョを思い出してしまいます。レゴシはジョセフよりジョナサン寄りの性格ですが。
 
まあなんかしょうもないことばかり書いてますが、新井素子の「絶句」とか、半村良の「妖星伝」とか、宮沢賢治の「ビジテリアン大祭」とか、ちょっと傾向が異なるけど小松左京の「人類裁判」とか十代の頃に一度はぶち当たるであろう問題を、この作品を通じて今の子も向き合っていくのだろうなあと思うと感慨深いものがあります。
 
ジャングル大帝のレオはなにを食べてたの?」という、昔からの難問に果敢に挑戦するこの作品を心から応援したいと思います。終わり。

BEASTARS(板垣巴留)にハマった(ネタバレ諸々あります)前半

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時は来た…それだけだ。

とか、スカしてる場合じゃないっすよ。とうとう「なんでいつまで経ってもアニメ化されないんじゃろー?」と一部で不思議がられていた「球詠」(マウンテンプクイチ)がアニメ化されますよ。これで知名度アップ! このブログで話題にしても話が通じるって寸法でやんすよ、めでたい!

 
前回の記事は去年の8月に書いたんですが(バチバチ…)、アニメ化される前に出会えて本当に良かったです。流行につられて読むとか、そういうの凄くイヤなんす。これは譲れない! 「ダイヤのA」もアニメ化の情報が流れる前からちゃんと読んでたんですよ、本当なんだから!
 

そういえば前回の記事で「来年の1月には5巻が出るようですので」とか書いちゃいましたが、実際に発売されたのは3月です、テキトーなこと言ってすみません。1月に出ると思い込んでたので、なんで出ないんだー!って思ってたらいつの間にか5巻が発売されてて4月くらいになって購入したんですが、大体の店舗特典は配布終了してましたよ、ふはは! べ、別に悔しくなんかないんだから!

 

などとツンデレごっこしてないで、5巻では主人公が敵チーム(梁幽館)の4番打者を2打席連続で敬遠するなど、強豪相手に姑息なやり方で健闘しているのですが(賽ノ目手帖はネタバレ上等です!)、回を追うごとに地力の差がじわじわと現れてきて、勝負あったかな…と、読者にちょっと思わせたところで主将岡田さんのスリーベース

 

うおおお勝負はこっからー!と盛り上がったところで5巻は終了。ああん、もっと読ませて~! ちなみに岡田さんは前の打席ではゲッツー食らってました。岡田さん!さらにちなみに賽の目は岡田さんがかなり好きです。


ダイヤのAみたいに週刊誌連載なら続きがサクサク読めるんですけどねー。そこはまあドンマイドンマイ。ヒストリエだのドリフターズだの、続き待ってる作品なんぞ山のようにあるからのう。それが一つ増えただけのこと!

 

ということで、アニメ化の続報が楽しみな今日この頃ですが、はい、ここまでが前振りです。もうちょっと簡単に済まそうと思ってたんですがつい長くなっちゃって…うん、いつも通り!


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べ、別にアニメ化されるからって読んだ訳じゃないんだから!

お前、その言い訳をしたかっただけだろうがー!



「空電ノイズの姫君」(冬目景)を3巻まで読んだ

新年明けましておめでとうございます!



と、1年前とまったく同じボケで恐縮でございますが、どうもご無沙汰です賽の目です。3年連続やないかい。

未完成の記事が山ほどあるにも関わらず、長らく更新してなかったのですが、今後の方向性について色々思い惑うこともあり、なにやらヤフーブログが終了するというニュースも入ってきましたので、すっかりアワアワな状態なのですが、現状新しいところに移行して、ぼちぼちブログは続けていこうかなあと思っちょります。

ということで今回はというか今回も漫画の感想です(ネタバレしまくりです注意)。冬目景さんの作品とは久しく疎遠になってたのですが、新作は音楽漫画らしいと聞いて慌てて読んでみました。





冬目景という人は美術一直線というイメージしかなかったのですが、あとがきを読んでみると高校の頃はギター部に所属していたとのこと。そこそこ長くファンやってきた筈だったのに初耳な話で驚いてしまいました。

そういえば「イエスタデイをうたって」で、リクオの友人にマイナーバンドやってる人がいたなあとかうっすら思い出してきましたが、それはさておき、久方ぶりに読んだ冬目景作品「空電ノイズの姫君」は、大変「らしい」作品で楽しく読めました。

なにはともあれ、ヒロインのマオちゃんがひたすら可愛い! でギターを演奏をするとカッコ良くなるのがまたいい!

父親がギタリストでして、物心がついた頃からギターに触れていたのでギターが上手という設定ですが、天才的な才能の持ち主というわけではなく、ソングライティングできるということでもなく、人を惹きつけるようなカリスマ的な魅力があるというわけでもなく、ただギターが上手いだけ、という設定が「らしい」なあと。

2巻の最後で、そんなマオちゃんが人前で演奏することの壁にぶち当たって苦悩する展開で終わっており、こっからどうなるんだろうとやきもきしてましたが、今年の1月に出た3巻を読んで一安心しました。若いっていいねえ。

3巻を描いてるあたりで、掲載誌のバーズがwebに移行するらしく、結果「空電ノイズの姫君」は講談社のイブニングで連載することになったようですね(コミックナタリー)。

そのため最終巻扱いとなってる3巻は異様にページ数か少なく、それをごまかすおぎなう為か、異様にぶ厚い紙を使用しておりますです。一見の価値(一触の価値?)があるので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか?


ということで、心機一転イブニングで連載続行される「空電ノイズの姫君」が楽しみですが、イブニングといえば、昔同じくバンド漫画が連載されてましたね。
Eから弾きな」(佐々木拓丸)ってタイトルなんですが、こちらの記事で1巻だけちょろっと感想を書いたことがあります。

もう6年以上前かー。この頃から阿知賀編を読み始めたんだ。そして俺はなんでこんなに「てんむす」に腹を立ててるんだろうか。カルシウムが足り無すぎるぞ俺。

と、色々と思いが湧いてくるのですが、それは置いといてそちらの記事に「音楽マンガは確かに難しいジャンルで」と書きましたが、残念ながら「Eから弾きな」も3巻であえなく終了。2巻の最後は主人公が人生初ライブでギターを鳴らしたところで終わっており、「おおーこっからどんな展開が待ってるんだ~」とワクワクして3巻を待ってたものですが、3巻で終わってしまいでガックリしました。

今までギターに触ったことのない27歳に、一ヶ月でステージに上げてギターを演奏させるという、とんでもない無茶振り展開でしたが(ロックだぜ)、それだけに成功に終わった時のカタルシスはたまりませんでしたね。

必死で演奏する主人公に、とある観客が「奴ぁ多分そういう一本気な男なんだよ!」(わかる!俺にはわかるぞ!)と、自己陶酔的な解釈してる人がいて、お前は俺かと思ったものでしたが、「いるよなーこうやって勝手に理想像にもっていこうとする奴…」というツッコミが心に突き刺さりまくりで困りました。自分の感想にそういう傾向があることくらい分かってらあ!

と、そんな軽くヘコみつつも楽しく読めた3巻で、バンドか会社かどちらかを選択しなければならないという状況で、バンドも会社も選択するという主人公のセリフが、すべてを代弁してるように見えました。

“バンド活動”っていうのは…
日々の生活における行動や行為…
仕事の仕方なんかも含めての事で…

そういうのがすべて…
その人が発する“音”に
繋がっているんじゃないかって…

うんうん、そういうことなんだぞマオちゃん。残念ながらこの3巻で終わってしまいましたが、この漫画で伝えたかったことは読者にも届いてると思います、俺には分かる、分かるぞ! 自己陶酔的な解釈じゃないぞ!


ええと、空電ノイズの姫君ではなくEから弾きなの感想みたくなってしまいましたが、今まで読んできたバンド漫画の中では、「Eから弾きな」が一番心に届く作品でしたので、空電ノイズの姫君もそれを超える作品になって欲しいなと思います。

もう一人のヒロインであるヨキコさんが、どう「最悪の女」なのか、一抹の不安は残りますが、そこはミスリードということで、あんまりドロドロした展開にはならないことを祈るばかりです。終わり。

江戸の兵学思想(野口武彦) 未完成

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「この愛は、異端。」(森山絵凪)、面白いですね。

シノハユ」(五十嵐あぐり)10巻の特典ブックカバーもすばらでしたげど、それは今は関係なく、ブックオフで立ち読みしてたんですが、面白くて買ってしまいましたよ。
 
異端っていうタイトルと、すごい絵力の表紙だなあと、覚えず手に取ってみたのですが、大当たりでしたよ。まあ、内容はヤングアニマル増刊嵐で連載してるだけあって、一口に申し上げましてエロマンガなんですが、ヒロインと契約した悪魔との恋愛関係が展開が進むにつれてシリアスになってきまして(ネタバレ!)、こっからどうなるんだろうなあと惹き込まれていくばかりです。

同じく白泉社から出ている「あそびあそばせ」(涼川りん)も、エイちゃんっぽいキャラが出てくるというので(またかよ)、軽い気持ちで読んでみたのですが、2巻で香純さんの「ガ…ガッチンって…ガッチン…するんです…」で吹いてしまってダメでした。なんだよガッチンって! ええい立ち読みしてる場合じゃねえ! 賽の目手帖は下ネタNGの上品なブログです。

と、大変面白かったので感想書きたいなーとも思ってたのですが、これアニメ化されるほど人気作品だったんですよ、マジで!? 作風的に絶対人を選ぶ作品だから売れてるなんて予想もしてなかったですよ。これじゃ人気作品に便乗してるみたいじゃないの…! とヘンな自意識過剰でなかなか言えませんでした、やあねえ。
 
ええと、それはともかく、「この愛は、異端」はまだ2巻までしか出てなかったので、他になにか描いてないかなーと調べてみたところ、「モンテ・クリスト伯爵」をコミカライズされてたんですねえ。なるほどー、そういうのがお好きなんですなあ。
 
モンテ・クリストって作品は名前は知ってても未読で内容は全然知らなかったので、勉強になりました。なんか火曜サスペンス劇場を見てるような復讐劇でしたが、こういうのの源になってるんでしょうねえ。こちらも絵力が素晴らしかったです。
 
…と、ここまでが前フリです、長いわ! すみません、久々の更新で加減が分からなくて…。前回の続きと言うことで2ヶ月近く間が空いてしまいましたが、これはちゃんと感想を書かないと!
 
 
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江戸時代といえば、パックス・トクガワーナが実現し、対外戦争を二百数十年間に渡り絶えてなくなった偉大な時代とも言えますが、その平和な時代にあって、果たして「兵学」は、いかなる存在理由を見出せるのか、という大変興味深い内容となっております。