賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

球詠(マウンテンプクイチ)を4巻まで読んだ

ずいぶんと更新が滞ってましたが、ボチボチなんか書いてみようかと。

佐藤タカヒロ氏の訃報からいまだに心の整理がつかなくて、もうつかないまま更新します。そもそも佐渡川隼氏の死去も全然心の整理ができていないし、多分一生この心はこのまんまなのでしょう。
 
さて今回は紹介するのはこちらの作品、「球詠」(マウンテンプクイチ)です。なんちゅうペンネームじゃ。あ、例によってネタバレありありですのでご注意です。
 
中学時代、1回戦負け野球部の投手だった武田詠深。捕手が捕れないため、投げられなかった「魔球」への後悔を抱えたまま、進学した高校で再会したのは幼なじみの山崎珠姫。かつて交わした約束、再び目覚める野球への情熱…白球に恋する少女達の物語、開幕!(こちらから引用
 
野球マンガですねー。この作品を描く以前は百合系の漫画を描いてた人らしく、女子しか出てこないいかにもな作品ですが、そういうのはもう全然慣れてるから大丈夫!
2年くらい前に1巻が登場し、話題にもなったので読んでみようかとも当時思ってましたけれども、なんとなくそういうのはもういいかなあ、とスルーしてしまった淡い記憶。
 
今回読んでみようという気になったのは、エイちゃん咲-Saki-に登場する宮守女子高校の女の子)に似たキャラがいることを知ったからでして、ええワタクシ、エイスリン・ウィッシュアートさんが大好きです。ロリコンとかじゃないっす。
 
だってひどいじゃないですかー。宮守ってたったの1試合しかしてない上に、エイちゃんが出てる次鋒戦が極度に短かったため(なにがキンクリじゃい)、エイちゃんの活躍がほとんどないんですよ。
 
留学生は個人戦にもコクマにも出られないという設定が後になって判明し、それじゃあもうエイちゃんの見せ場なんて泣いてるとこしかないやんけ、というあんまりっちゃーあんまりな話。全国一の和了率ってなんだったんですかー! 「千里山に荒川憩と愛宕洋榎がいればいい勝負できるかも」くらいいい加減じゃないですかー。コクマ編だと大阪代表がそんな豪華メンバーになりそうで楽しみですね。
 
ええとそれはさておいて、そんな憤懣やるかたない思いでいたのですが、いやあいいですねえ中村希さん。博多弁なのがまたいいです。博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?
 
と、それは別作品なのでまた別の機会にということで、咲-Saki-と違ってこの作品では希さんがメインキャラとして大活躍でございましたのでずぶんと渇きが癒されましたが、もちろん物語も素晴らしいです。

主人公の武田詠深さんが、不本意な中学時代を送ってるところなど、阿知賀編を思い起こさせる展開で、こういう安直な比較は失礼かもしれませんが、作者のマウンテンプクイチさんも阿知賀編のファンアートなども物してらっしゃるようですので、そこは勘弁していただきたいです。

 

第1話の最後でのピッチング、「あの中学時代ってなんだったんだろうって、ずっと思ってたけど、無駄じゃなかった。あの3年間は、今日のためにあったんだ」は、もういきなりクライマックスですよ。オジサン、ちょっと泣きそうになっちゃったよ。

 
基本的にいわゆる萌え系のタッチなんですけど、上のシーンなど非常に力が入っておりまして、ここぞという場面では力強いタッチで描かれているのが大変印象的です。
 
物語は現在2回戦で強豪、梁幽館と激突している最中なのですが、今までこの作品を読まずにいたことは、むしろラッキーだったかも、と少し思いました。「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ)もそうなのですが、やはり野球漫画はテンポが命ですからね。
 

地道なチーム作りから強豪校と戦うところまで一気に読めましたので、本当にグイグイ物語に惹きつけられてしまいました。出会い方ってのも大事だね!

 

来年の1月には5巻が出るようですので、また新たに続きが楽しみな作品が出来たことは凄く嬉しいです。野球マンガはやっぱり面白いなっ。


 
追記:
こちらで第1話が試し読みできますね。気軽に読めるこういう企画はありがたいなあ。