賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

蒼天航路が連載400回ですよー

ああ・・・なんて眩しい・・・

全国の沢村竜平ファンを絶望のどん底におとしいれた前回の「はじめの一歩」でしたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。「一歩」の前が「さよなら絶望先生」だったこともまた、程良い絶望スパイスをふりかけてましたね。面白かったですけど、「絶望先生」の同人ネタ。

あららぎ派ですか? しらかば派ですか?
しいて言うならアスXカガ派ですけど。

こういうすれ違い系のネタは好きだなあ。ちなみにワタシはしいて言うならLAS派です(←ウソ)。
久米田康治センセイ、今週もまあまあ面白かったことですし、ようやっとマガジン連載にも慣れてきたということでしょうか。「夏までは頑張る」と以前コメントしてましたが、この調子で連載を続けて欲しいものです。ついでに幸村誠センセイも頑張ってください

それはともかくとして、先週めでたく連載400回を突破した「蒼天航路」なんですが、ちっとも雑誌側は盛り上げてくれませんでしたね
普通、連載400回というのは、なかなかの偉業でございますから、なんらかの企画が立ったりするものなのですが、雑誌側としては、連載400回を超えても、なお完結しないという事態は想定外だったのでしょうね。ぶっちゃけワタシも想定外でした(笑)

作者の王欣太センセイは、頑張って終わらせようと努力してるらしいのですが、いかんせん、とあるキャラクターが言う事を聞いてくれないそうです。『蒼天航路』34巻の巻末では、こんなコト言うてます。


しかしですね~~
もう34巻ですよ。
三国志マンガ家という
レッテルがついたら困るんで
何度も 無理やり終わらせようと
試みたんですがね~~
とうとう
ここまで来ちまいやがりましたよ~~
長いこと おねーちゃんも描いてないしなー
ふ~~

実際には
今は関羽徐晃を
描いてるところなんですがね
作品が冗長になるのは
好ましいことではないんで
テキパキ終わらそうと
してるんですが

関さんがプロットを
潰しににかかってきはるんですよ

いったい終わりはいつやねん!?
クロニクルの10巻のぶ厚さは
どーなんねん!?

あ そうそう
というわけで『画伝・蒼天航路』も秋以降の発売に
なってしまいます。すんませんな~~


要するに関さんが、なかなか思い通りに死んでくれない、と(笑)
また、モーニング35号のモーニングコラムに久々登場した欣太センセイは、こちらでは、こんなコメントを残してます。


なにーっ!人がこれから関さん殺そ思て必死こいてネーム考えとる時になに悠長なこと言うとる! そんなん決まっとるやろ! 『蒼天航路』を終わらせたい! 何年描いてると思とるねん! 11年やぞ11年! 去年も終わらそう思てたけどまだ終わってないわ!
こんな長いもん描いても誰も読まんやろ! オレかて3時間超える映画は観とないし! だいたい三国志やるために漫画家なったんとちゃうわ! 終わったらもう一生中国もんは描かんぞ!昔の話も描かん!今年こそぜえったい終わらしたるー!


なんだか必死だな、ゴンタ!(笑)
キャラクターが作者の意図を離れて暴走するというのは、よく聞く話です。えてしてその方が面白いし(笑) なんといっても10年分の重みがありますしね。13年かけて連載された「イティハーサ」も、最後の方はどうお話をまとめるか、苦心されたみたいですが、それだけ長く連載してると、マンガそれ自体に生命が宿ってしまうのでしょうか。「イティハーサ」は、最後の方で掲載誌の方針と合わなくなって、最終巻は描き下ろしで出したそうですが、蒼天航路は、そんなことにならないよう、無事に完結する事を祈るばかりです。

ところで、34巻の巻末には、掲載した号が記載されているのですが、それによると、8号、11号、13号、15号~22・23合併号まで収録とあり、34巻の前半は休載が多く、かなりプロットに苦労している様子が窺われますね。

曹操vs劉備の最終決戦の後始末と、劉備の漢中王宣言のくだりがその部分なんですが、曹操劉備との最期の接触が、結局言葉すら交わすこともなく終結してしまった展開に、当初は力一杯ずっこけてしまったのですが、こうして単行本で一気に読むと、曹操との決戦を避けて、「義の中心で漢中王と叫ぶ」策も悪くないなと。よくここまで正史のシナリオ通りに話を持っていったものだと、むしろ感心しましたよ。要するに、意味もなく孔明さんが出しゃばってくるのが鬱陶しいんだな(笑)

そして、舞台が漢中から荊州に移ると、休載することが全くなくなり、このまま一気呵成に最終回までノンストップかと思いきや、関さんがなかなか死なないので、現在停滞気味、と(笑)
とはいえ、関さん一行はいよいよ麦城に入城しましたので、関さんの死は、まさに時間の問題なんですけど(泣)

んで、34巻を読んでてふと思ったのですが、魏との樊城攻防戦がこんなに長引いてしまったのは、最初の魏サイドの武将が、いささか役者不足だったからかもなと。

無論、正史における曹仁徐晃は、魏国でも名将中の名将なんですけど、「蒼天航路」という物語の中では、どちらかというとギャグ系キャラだったからなあ。彼らのキャラクターでは、現在の神懸かりモード状態の関さんと対峙するには、いささか物足りないところ。なんたって曹仁張飛にはヘボ将呼ばわりされるし、徐晃ドラえもんだし・・・(笑) 「蒼天航路」の世界では、曹仁徐晃よりも、夏侯惇張遼の方が、関さんの相手として相応しかったですね。

ですんで、まともに戦ったら、それは関さんの大勝ちで終わってしまうワケで、実際、緒戦で関さんが樊城の城門を突破した時は、「樊城陥ちた~~!」と思ったんですが、なんかそのまま通り抜けちゃうし(笑) いやいや関さん。城内には四千の兵しかいないんだから、占拠しましょうよ。蒼天世界では、将軍クラスの武人は「馬1頭あれば1000人と戦える」のですから、今の関さんなら4000人くらい、一人でやっつけられますってば!

要するに、楽勝のハズの樊城攻城戦を、いかに苦戦せしめるか、そこらへんの問題で、関さんの額に矢が突き刺さって“矢カンウ”状態になったり、水の上を歩いたり、李典シリーズが大活躍したり、関さんと徐晃が銀河系をバックに素っ裸になるなど、よく分からんことになったのではないかと。あらためて、こう書いてみると、とんでもないな。曹操も思わず三つ目になっちゃってますよ、和登サン、和登サ~~ン!(笑)

とはいえ、後に関羽軍の目的は、「樊城を攻略して許都に進軍する」のではなく、「敵を引きつけるだけ引きつけて、漢中にいる劉備軍の長安侵攻をやりやすくする」ことにあることが明かされ、ははんナルホドと納得しました。樊城は格好の“まき餌”として、なるべく陥落させたくなかったのですね。正史では、劉備軍は曹操と血みどろの戦いを繰り広げたばかりで疲弊しきっていたワケで、長安への進軍など考えられなかったのですが、「蒼天航路」では、先にも書いた通り、曹操との決戦を避けたために、ほぼ無傷の状態。これなら長安へ攻め込むことも可能ですね、やるなゴンタ!(笑)

まあ、「その三百八十六 異界、増幅!」での、諸葛亮馬謖との会話で、関さんが独断で軍を動かしたことが示唆されてますが、そうすると、「関羽軍がおとりになって、劉備軍が長安へ進軍する」という作戦に従って、関さんが動いたのではないっぽいのですが、そういうことは気にしない!(笑) まあ後付け設定なんでしょうけど、ここはアイコンタクトで理解し合ったと考えましょう(笑)

しかし、この関さんのラストバトルの後は、主人公の曹操の死も描かなくちゃならないんですね、こっちも大変だあ。関さんで、こんなに手こずったのだから、物語の主役である曹操の時はどうなるんだろうなあ。我々としては、長引こうが、あっさり終結しようが「ならばよし!」の心境でしょうか(笑)


『関さんの死を描く』『曹操の死もきっちり描く』

「両方」やらなくっちゃあならないってのが

三国志』の「作者」のつらいところだな

覚悟はいいか? 欣太はできてる



元ネタ分かりづら!