賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

画集・・・その甘美な罠

影武者・木多康昭

ギャグはどこどこ?
と、戸惑うくらいの路線変更でしたが、そういや「泣くようぐいす」もギャグ路線とスートーリー路線の間をいったりきたりしてたなあ。かつて、あだち充を目指してた久米田康治も、現在は潔く自分の宿命を受け入れたのだから、木多康昭もギャグ一本で頑張って欲しいところ。そういえば「さよなら絶望先生」、いよいよ掲載順位が定位置に来ましたね。打倒・西本英雄ですな。


ということで、今回はマンガの話。いや、ずっと探してた石田敦子さんと、二宮ひかるさんの画集を発見できたんですよ。見つかる時は、立て続けに見つかるなあ。まあ、画集といっても、ギュスターヴ・モローとか、アンドリュー・ワイエスとかいった人達の画集だったら、まだ格好もつくのですが、マンガ家さんの画集となると、「あっ、おたく、オタク?」というだけの話になってしまうのですよ。傷ましきかな、憐れむべきかな。

ただですね。やっぱり絵のサイズというものは、大きければ大きいほど良いと思うのですよ。
現在のマンガの単行本のサイズは、少年マンガや少女マンガだと新書判、青年マンガやレディースコミックだと、B6サイズの大きさが主流になるのですが、このサイズだとダメなんですよ。てんで、なっちゃいないんですよ。

嘘だと思うなら、原画展などへ行ってみて、本来の描かれた大きさの原稿を見てご覧なさい。これは、全然別物だと、きっと目の覚める思いがしますよ。ですから、好きなマンガ家さんの描いた絵を実寸で見てみたいと、健全なファンが望んでしまうのは、無理からぬことなのではないでしょうか。オタクとか、そういう問題じゃないんですよ! 家にある画集を数えてみたら20冊近くあって、「やっべ、俺、オタクじゃん!」とアセってしまったとか、そういう問題でもないんですよ!!


と、自己正当化を済ませたところで、少々感想など。
石田敦子さんの画集は、マンガ家の画集というか、アニメーター時代の作品が大部を占めてるので、ちょっと毛色が違うかも。ワタシは、石田敦子という人は、「マンガ家」としてしか認識がないので、こういう画集を見ると、「ああ、この人は本当にアニメーターだったんだなあ」と、なにやらフシギな感慨を持ってしまいます。

そして、こんな画集を2冊も出せるほど、人気のあるアニメーターだった石田敦子が、なぜマンガの世界へ転身したのか、というのは、ワタシには「謎」でして、まあそれは、画集に載ってたショートコミック(「ドウシテモ泣ケナイ夜ニ」)を見れば一目瞭然なのですが(こりゃアニメじゃ表現できないや)、それでも、こんなに長い間情熱を傾けてきたアニメの世界を振り切れるほどのものであったのかというと、いささか釈然としないものがある。

で、そういった「謎」が、もしかしたら今アワーズで連載してる「アニメがお仕事!」という作品で、少しでも明かされるのかな~、と淡い期待を抱いてたりするのですが、ワタシとしては「マンガ家になってくれてありがとうございます、本当にありがとうございます!」という気持ちで一杯なので、別に明かされなくてもいいかな(笑)

実は、矢も盾もたまらずに赴いた石田敦子さんのサイン会の折に一言、「マンガ家になってくれてアリガトウ!」と言ってやりかったんですけど、恥ずかしくてどうにも言えなかったです。今思えば言わなくて本当に良かったと。ゴッド・ブレス・ユー。


二宮ひかるさんの画集も、実は「大きな絵で見たい」というよりも、未発表のマンガが収録されてることと、作者の全作品コメントがある、と聞いてたことが購入動機かな。不純だ(笑)

二宮ひかる作品のウリは、魅力的な女の子キャラというのが定説ですが、ワタシはむしろ、二宮ひかるが一生懸命カッコ良く描こうとしてるのに、どいつもこいつも情けないキャラクターになってしまう男性キャラの、作者と読者との喰い違いっぷりに興味があったりします。「なんで二宮ひかるは、これがカッコ良いと思うのかなあ」というところがね、いいんですよ(笑)

だが、どうも近年の二宮ひかるの作品、「犬姫様」にせよ、いつぞやのスピリッツの読切にせよ、「エロ可愛い女の子描かせりゃオッケー」みたいな編集側の意図があり、スランプ気味の二宮ひかるがホイホイそれに乗っかかってる姿勢が感じられて、あんまり感心しない。前にも書いたか。要するに「ハネムーンサラダ」の主人公のような、作者の心情がモロに投影された、「常に不機嫌で訳もなく暗い」キャラを、のたうちまわりながら描いてくれれば、それでいいんですよ、ワタシ的には。あ、モチロン「エロ可愛い女の子」を描いてくれるのは、それはそれで結構ですよ、無論(笑)


最後に、恥を曝してみる。
muzokenさんの記事にあった画像が、やけに格好良かったので、ワタシも真似してみたのだが・・・う~ん、やっぱり取り繕いようがないな、これは(笑)
イメージ 1


付記:rismさんのこの記事には、画像の添付方法が分かりやすく説明してあって、とってもグッドです。添付方法がイマイチ分からない方は、こちらを参考にされてみてはいかが?