賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

「レッツ・ラグーン」(岡崎武士)を読んだ

実に今さらなのですが、皿洗いさんの「生涯一漫画読者」ブログを拝見して、「ふしぎの海のナディアが再放送されていることを知ったワケですよ。本当に今さらですね。
いやあ、当時ワタシも観てましたよ。まったく理由が分からないのですが、アニメとか全然観ない人なのにワタクシ、あのアニメだけは観ていたのですねえ。NHKは「バクマン。」とか比較的無茶なアニメをやる局だよな。今度は「キングダム」かよ。
皿洗いさんと異なり、放映当時、高校生だったワタシは、そこそこ購買力があったので、ロマンアルバムとか画集とかも買ってたましたよ。


イメージ 2


うむ、懐かしいぞ。そういえばサントラも買ってたなあ。がさがさ(←CD棚をあさる音)


イメージ 3


どちらかというと、CDよりも好きな曲を編集したカセットテープでよく聴いてましたなあ。
なんかあさってたら、ポストカードブックとかも出てきましたよ。


イメージ 4


もはやただの大ファンである。これは恥ずかしいなっ。もう20年も昔の話なのかあ。

ということで、こんばんわ。島編が大好きだった賽の目です。

ナマキビーチは男のロマン。ナジャマキビーチだっていいじゃないか!
などと、大変分かりやすい前振りをしてしまったのですが、ええ本題ですよ。この前なんとなく絵柄買いしてハマってしまった無人島マンガ、「レッツ・ラグーン」(岡崎武士)ですよ。



イメージ 1

気がついたらそこは、無人島だった!
混乱していたのか、記憶は曖昧。どうやら山田は、高校の修学旅行の最中だったようだ。とりあえず脱出のための舟を作りはじめるが、そこに、同級生の女の子、衣舞瀬チカがあらわれ、2人っきりの無人島生活が、いやがうえにも始まった! 2人のあいだに暗黙のルールができはじめたころ、新たな漂流者が流れ着き‥!? 先読み不可能! 新感覚無人島サバイバルストーリー!!(講談社HPの作品紹介より)


ヤングマガジン系列の作品ということと、表紙の女の子の絵柄からいって、こういうお話なんだろうなあと、あたりをつけて読んでみたら、これがまるで違っていて、これには驚かされましたよ。

そもそも、岡崎武士というマンガ家さんのことを全然知らなくって、「バスタードっぽい絵を描く人だなあ」くらいの認識しかなかったのですが、しかもそれは決して好みの絵柄でなかったりするのですが、この作品では、記憶とはまったく絵柄が違っていて、しかも好みの絵柄であるから困ります。絵柄変えたなあ。もしや同名異人?
ちなみにこの表紙の女の子は見た目はなんだか賢そうに見えますが、包帯の代わりにブラジャーを使うとか、まあまあのアホの子よ?

それはともかく、お話の方も上記の引用文の通り、無人島生活がメインなのですが、同時にこれはタイムスリップ物でもありまして、おおタイムスリップ! この言葉を何年振りに聞いたのだろう。実に懐かしい。こういう王道SF設定のマンガを読むのは久しくなかった気がします。
10日前の自分に出会ってしまうシーンとか、読んでてワクワクしてしまいますね。タイムスリップは男のロマン。この作品ではタイムスリップした時点へまたタイムスリップしてますから、同じ人物が3人いることになっていて、頭がこんがらかってきます。いやあ懐かしいなこの感覚。広瀬正よ、永遠に!

ただこの、無人島で若い男女が二人きりというシチュエーションは、ヤンマガ的には色々都条例的に問題のあるシーンが続出するのではないかとワクテカ危惧していたのですが、こういう女の子が一人きりでは生きていけない状況で告白するのはフェアではないと、自分の気持ちを抑えつける主人公がストイックでカッコイイ。男だな!

お天道様が見ているから」という言い草も素晴らしいですね。「四知」の楊震ですか天知る地知る君知る我知る。なんというか古風と言いますか、ヤンマガ的にあり得ない主人公の性格が好ましいです。「みつどもえ」(桜井のりお)並みに絶対パンチラを描かないという作画方針も抑制的でよろしいですなあ。まあ、ここまで隠されてしまうと、いっそ見せろとも思ってしまいますが!

と、大変楽しませてもらった作品なのですが、ただひとつの問題は刊行頻度。1巻が出たのが2010年の9月で、2巻が出たのが2012年の7月。このペースですと、3巻が出るのは2014年の5月ということになりそうですねえ。いやまあ、それくらい全然余裕で待てますので(待つのは慣れっこ)、どうかじっくり描き続けてください。