賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

アオハルSWEET感想の前フリ(「となりの怪物くん」(ろびこ)を読む)

そういえば最近、少女マンガを読んでたんですよ。

あれ、なんか前にも同じコト書いてたような?
うん、気のせいだな。ということで、コミックナタリーの特集タアモさんと対談されていた、ろびこさんの「となりの怪物くん」という作品を、ツタヤから借りて読んでました。しかしなんで皆、そんなヘンなペンネームを付けたがるのだろうか?


となりの席の吉田くんは入学初日の流血事件以来、一度も学校に来ない…。自分の成績にしか興味のなかった水谷雫はたまたまプリントを届けたため、その吉田春に勝手に友達認定されてしまう。しかも、春の純粋さを知って優しく接すると今度は告白までされちゃって…!?
冷血女子×超問題児=笑いと胸キュンたっぷりの新感覚青春ラブストーリー♡

冷血女子というとアレなんですが、まあ「みつどもえ」(桜井のりお)でいうと、ひとはさんみたいなキャラですよと申し上げれば、チャンピオン読者的には分かりやすいかと。このブログはチャンピオンを購読されてる方を前提に構成されております。

第1話で告白し、第2話でチューまでするという、なかなかスピーディな展開に、この勢いだと3巻くらいで結婚してしまうのかと思ってしまいましたが(ちょっとウソ)、最新刊の8巻(31話)に至ってようやく付き合うことになりましたよ。なんなんだ、これまでのすったもんだは。作中時間で1年経ってようやくですよ。「ベイビーステップ」(勝木光)じゃないんですから。あれはテニスマンガですからまあいいとして、なかなかの紆余曲折ぶりでした。やきもきさせてくれるなあ。そしてその回で、ベビステの告白回と同じくらいニヨニヨしてしまった俺キメエ。今後の方針について話し合う二人とか、この期に及んで微妙にすれ違う二人が面白過ぎますよ。いや、ここは基本的に水と油だった二人が、よくここまで来たものだと感慨深くなるべきかもしれませんね。顔面を殴りつけたり頭から水ぶっかけたり・・・肉体言語で語り過ぎですよ。二宮ひかるの「ナイーブ」以来だ。>水ぶっかけ

ヒロインの雫さんは、対談でもタアモさんが絶賛されてましたが、確かに魅力的なキャラですね。ナチュラルに変人なところが良いです。
自分の誕生日パーティー自分でせっせと準備してるところは爆笑しました。自分プロデュースかよ! 自分でその可笑しさを微塵も感じてないところが実に面白いです。こういう合理的な変人って好きだなあ。

と、楽しく読ませてもらった次第ですが、なんの違和感もなく少女マンガを読んでる自分に違和感を覚えてしまったり。なんで自分はこんなに少女マンガに馴染んでしまってるんだ?
うん、アレだな。「さくらDISCORD」(増田英二)を読む時と同じノリで読めるんだな。

なるしまゆりの「少年魔法士」を知った頃から思っていたのですが、少女マンガの少年マンガ化、あるいは少年マンガの少女マンガ化という傾向は今後ますます進んでいくんだろうなあと、改めて思いました。個人的にもっとどんどんクロスオーバーして欲しいなあと思います。

バチバチ」(佐藤タカヒロ)が少女マンガ雑誌に載ることはあり得ないとは思いますが(当たり前じゃ)、でも佐藤センセイが「バチバチ」で描こうとしてることと、ろびこセンセイが「となりの怪物くん」で描こうとしてることって、同じなんじゃないかなって思うんですよ。鮫島鯉太郎と吉田春は、同じでしょう? 強引かな?

男性向け少女マンガ雑誌」と銘打ったコミックハイが創刊されてから何年経ったのでしょうか。星新一がアイディアを生み出す方法として「異質なものの組み合わせ」を挙げていましたが、今後のマンガの新しい方向性として、少年マンガと少女マンガのクロスオーバーというのが主流になってくれると嬉しいなあと、アワーズプラス愛好家として思う次第であります。

自分的には「バチバチ」と「となりの怪物くん」のど真ん中に位置するのが「さくらDISCORD」なのですが、こういう作品がよりにもよってチャンピオンに掲載されるというのが、また面白い。「少年マンガの未来を見た、その名は「さくらDISCORD」!」とか、おいおい、パクリは止めようぜなセリフをぶち上げたくなるのですが、現実は厳しいワケですよ

さらに秋田書店のコミックはこの「追加発注」すら取りづらい…。新刊の出版社在庫がまずないのです。
以前勤めていた駅ナカ書店時代はわたしがチャンピオン好きと知っていた少年コミック担当さんに「また秋田のコミック品切れだよー!」と文句を言われては謝罪していたものでした(笑)。
ちなみに、1月に発売された『さくらDISCORD』の1巻は2月末現在に至るまでずっと品切れ状態です…。もうすぐ2巻が発売だというのに(涙)。

ぐぬぬ・・・。

俺たちブロガーがどんなに「さくらDISCORD」をアッピールしたとしても、肝心の単行本が品切れ状態では、どうにもならんワケですよ。
あがいても あがいてもチャンピオン紳士の努力には限界があるのさ! 貧弱ブロガーの宣伝アピールなど無駄 無駄 無駄―――っ!! チャンピオンがジャンプに追いつけるかーッ おまえはこの集英社にとってのモンキーなんだよ 秋田書店ォォォォ――――――ッ」とか、ディオ様のセリフが聞こえてくるぜ。く、悔し過ぎる!(ビクンビクン) 

えーと、すいません。ちょっと暴走してしまいました。話を戻して、タアモさんの「たいようのいえ」といい、ろびこさんの「となりの怪物くん」といい、たてつづけに良い少女マンガを読ませてもらいました。もうデザートを購読するしかないっ(しません)。
タアモさんは、少女マンガという枠を超えた作風のマンガを描いてらっしゃいますが、こちらは生粋の少女マンガだなあと。さっきまで言ってたことと矛盾しまくりなのですが(笑)、「ああ、少女マンガを読んでるなあ」と、「となりの怪物くん」を読みながら懐かしく感じてしまいました。

幼少のみぎりに、姉貴の部屋から少女マンガを盗み読みしていたこともあり(マンガが読めるなら何でも良かったのです)、あの頃の感覚を、なんとなく思い出してしまいましたよ。なんでしょうかね、この甘酸っぱい気持ちは。郷愁というものなのでしょうか(笑)

このマンガの新しさを満喫しつつも、同時にある種の郷愁を感じてしまうという、いわく言い難い感情を味わわせていただきました。これは年長者にしか味わう事ができない感覚だなっ。やーいやーい。
そんな大人げない自慢はさておき、えーと、これはアオハル感想の前フリだったんですけど、予想以上に長くなってしまったので、ここでいったん終わりにします。てかアオハルについて何も書いてねえっ!

続く・・・