桐原いづみ祭り
武富智さんのサイン会整理券取れました。
現在は満員御礼ですが、良かった、手に入れることができて。
ファンになって一週間やそこらでサイン会にノコノコ行くってのもどうよ?とは自分でも思いましたが、初のサイン会ということで、これを逃したら下手したら一生やってくれないかも、と思うと必死になりますよ。
そう思うとサイン会がおこなわれる前にファンになれたのはラッキーだったなと前向きに考えてます(笑)。
この「C scene」には、アオハルに掲載された「SUPER HEROINE」が収録されていて、これが一番出来がいいと個人的に思ってますが、他の作品も良かったですね。「大恋愛」での、主人公のセリフ(「安西先生、おっぱいがもみたいです…」)で吹いちまったぜ。おいおい、井上雄彦センセイはヤンジャンで「リアル」を不定期連載してなかったか? いい度胸である。
「大恋愛」は、才能溢れるヴァイオリストのお話ということで、覚えず岡本倫さんのデビュー作「エルフェンリート」(読切版)を思い出してしまいましたが、両者の題材のアプローチの仕方がそれぞれ個性を表していて、それが面白いなあと(→
「大恋愛」は、才能溢れるヴァイオリストのお話ということで、覚えず岡本倫さんのデビュー作「エルフェンリート」(読切版)を思い出してしまいましたが、両者の題材のアプローチの仕方がそれぞれ個性を表していて、それが面白いなあと(→
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この頃の岡本倫の絵の下手さは今でも語り草ですが、今読んでも全然面白くて困る。マンガの面白さと絵の上手さとは全然関係ないんだということを、岡本倫の「エルフェンリート」から学んだことを思い出しましたよ(笑)。自分にとって「エルフェンリート」というと、やはりこっちだなあ。
と、それはさておき武富智さんですが、「B scene」は入手済みで今読んでるところなのですが(「A scene」は手に入れるのが難しそうだなあ)、それにしてもこの人は、「作者の言葉」ってのを、まったく残してませんね。
ことに短編集といったら、最後にあとがきのページなど設けて、作品に対する想いをぶちまけるのがデフォだと思うのですが、いやあそれが全くないんですよ。「この恋は実らない」にも見事に載ってなくって、これは意志的に避けているのだなと。あとがきのページで想いのたけをぶちまけまくりの二宮ひかるとはえらい違いじゃ。言いたいことは全て自分の描いたマンガの中に言い尽くされている。言うべきものは何もないという、「背中で語る」タイプのマンガ家さんなのでしょうか。骨っぽいねえ。
ブログとかツイッターなどで、マンガ家さんがずいぶんと身近に感じられるようになりましたが、反面「そこまで言わなくても」と思わなくもない人たちもいなくはない現在、こういうタイプのマンガ家さんは貴重ではないかと。ええと誰とは言いませんが、なにはともあれ山田玲司さんはブログを止めるべきだと僕は思うんです。幻滅する一方ですよ。
やっちまったぜ、2冊買い。
通常版とフルカラー版、悩んだ挙句に両方購入いたしましたよ。双葉社も、芳○社並みにエゲツない商法をしてくれるある。でもいいんだ、おかげでとらのあなとコミックZINのフリペを両方もらえたんだから。
今回は「ひとひら」のスピンオフ作品ということで(あとがきで「
アンコールで次回予告を描いたときに、半信半疑の方が多かったみたいなのですが」と書いてありましたが、ええワタシも冗談だと思ってました)、単行本が出る日を楽しみにしてました。帰りの電車で早速読みふけってしまいましたよ。予想していたよりも面白くって、これはアレですな。同人誌的な楽しさですね。
普通、同人誌というのはキャラ萌えが主動因で制作されるのではないかと思いますが、そういうキャラクターへの愛情が詰まってる作品ほど楽しく読めるもので、やはりマンガのキモは愛だなと。要するに桐原いづみさんは、どんだけ榊美麗さんが好きやねんと言いたいワケですよ。イジりまくりじゃないですか。なんですか、この立花くん(14歳)は。ショタとかいうレベルじゃないですよ。ヘンタイすぐる。「
実はそれも気になります、中学生ですし・・・これって犯罪になるんですか?」とオロオロする榊さんが可愛い。いや、限りなく犯罪チックだと思います。面白いなあ、もう。
橋本みつるさんも、「幼い恋」など、中学生の恋愛をよく題材にしていますが(出典は「ごめんね好きだよ」)、男(年上)x女(年下)とはまた違った犯罪性が、女(年上)x男(年下)カップルにも嗅ぎとれますね。「ソレは」もそうでしたが、桐原いづみさん、歳の差カップルがマイブームなんでしょうか。
それはともかく、この「榊美麗のためなら僕は…ッ」から(このタイトルはぎりぎりアウトです)、懐かしいキャラが続々と登場してきて、それもまた楽しいですね。部長の重責から解放されて、すっかり軽いノリに戻ったたまさんには、驚きつつもホッとしましたが、旧ヒロインの麻井麦さん&甲斐くんも順調そうでなによりです。麦さんほど幸せになって欲しいと思わせるキャラは、そういないなっ。榊さんも「下らない所の連中よ」から、ずいぶんと遠いところまで歩いてきたものですよ。もう6年も昔の話になるのかあ。
新キャラもみんな面白くって良いですね。特に松本さんは良キャラだと思いましたが、どっかで見たことあるなあと思ってたところ、このコマで思い出した、そうだ「はやてXブレード」(林家志弦)の犬神五十鈴さんだ。まだ寒いのにみんな春が来てるなあ。
それとですね、冒頭の榊さんのセリフ(「
全部、上原さんのおかげです」)で、いきなり大笑いしてしまったのは不覚過ぎる。ZAO(全部あぶさんのおかげです)キター! 狙ったワケではないんでしょうけど、これは反則ですよ。まあ確かにあぶさん並みに理不尽なキャラであるかもしれない。>上原さん
そんなこんなで、読んでる間ずっとニヨニヨしっぱなしだったのですが、これなら2冊買いしても、充分モトは取れたなと。2巻が楽しみです。でもフルカラー版はまた2冊買いしてしまいそうですので勘弁してください。
そして7巻にてめでたく最終巻となった「白雪ぱにみくす!」ですが(地味に宣伝してるなあ)、いやあなかなか強引に大団円に持っていきましたねえ。でもそれでオッケー。物語はハッピーエンドで締めくくっていただかないと!
この作品で、桐原いづみさんは色々なチャンレンジをされていましたが、一番のテーマは「お色気」ではなかったかと思います。この分野はニガテと以前仰ってましたが、あのですね、読んでる方も大変なんですよ? なにはともあれ、お疲れ様でした。
あと、ちょっと懺悔をしたいのですが、以前の感想で 「
「実は」って言いますか、そんなの苦しくないワケないじゃないですか。馬鹿じゃないの。賽の目クンは他人の気持ちに凄く鈍感なところがあるよね。得意げに論語とか引用しちゃって、もうやだ、超恥ずかしいです。
相変わらず、シンコは学校でいじめられてますが、全然ヘコたれず、柳に風と受け流している風情が素晴らしいですね」とかエラそうに書いてるのですが、6巻で自分の本心をミドリに伝えるシーンがあり、実はしっかりヘコんでたことが明らかになったわけです。
「実は」って言いますか、そんなの苦しくないワケないじゃないですか。馬鹿じゃないの。賽の目クンは他人の気持ちに凄く鈍感なところがあるよね。得意げに論語とか引用しちゃって、もうやだ、超恥ずかしいです。
そんな反省しきりの今日この頃なのですが、6巻の「与太話5」で、桐原いづみさんがなかなか興味深いコメントを残していますので、ちょっと引用してみますね。
だいたい半年に一回程度の割合で、漫画が大好きでたまらなくて、描くことの喜びに打ち震える事があります。 そんな時は「私はこの為に生れてきたんだ…!」と思えるほど気持ちいいです。
それが1、2時間続くと終了してしまうわけですが。
もっと続いてくれていいのになぁ。
普段は普通に楽しかったり、落ち込んだり、訳が分からなくなったりしながら描いてます。
ああ、自分が桐原いづみさんのマンガを読むのはコレなんだなと、膝を打ちましたよ。
この「喜び」が、「白雪ぱにみくす」にも「ひとひら」にも「ココノカの魔女」にも必ず込められていて、そこに強く惹かれるのだなあと、えらく得心しました(笑) コレがあるからこそ、この人の同人誌を追い求めて毎週秋葉原の同人誌専門店を逍遥したりとかしてたワケですよ。
桐原いづみさんのマンガを読んでいると、時にひどく心を揺さぶられてしまうのは、そういう秘密があったのだなあと、自分勝手に自己解決して、なんだかすごくスッキリ致しました(笑)
勿論、こういう「喜び」はなにも桐原いづみさんの専売特許というワケではないのですが、世の中には「5年間やってきて、心の底からよかったと思ったことなどひとつもない」と言ってしまうマンガ家さんもいらしたりして悲しくなってきます。せっかくマンガ家になれたのになあ。
もうマンガを読み始めて30年にもなろうとしているのですから、これからはマンガを描く喜びが伝わってくるような作品ばかり読んでいたいよ、というのが正直な気持ちです。きっと長渕剛さんなら分かってくれるっ(笑)