賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

すっかりご無沙汰の週刊少年チャンピオン感想

前略母上様。今週の「じゃのめ」(梅田阿比)は、男の子同士(しかも異母兄弟)でべろチューしたところで終わってました。

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そうか、良かった。
良くないです。
ということで、ほぼ全ページに渡って暴走まくりの阿比センセイでしたが、まあ少年誌のエロ描写で喜んでるって、どこの思春期の中学生だよなんですが、阿比センセイのエロは下心のないところが良いんですよ。呼吸をするようにエロを描いてるところが素晴らしいです。エロだけど、いやらしくないんだなあ。爽やかなヘンタイ描写が素敵じゃないですか。しょっぱなからなにエロを熱く語ってるんだ、オレ。

それはともかく、巻末にこういう爆発力のある作品が載ってますと、マンガ雑誌を読んだーって気がますね。当たり前ですけど。「木曜日のフルット」(石黒正数)も、白川センセイのヒドい扱いに笑ってしまったし(シャレになりません)、やっぱり掲載順って大事なんだなと。
そして、今回は新連載陣が、どれもハズレなしで面白い点が大きいです。そうかあ、マンガって面白いんだあ。そんな基本的なことすら忘れてましたよ。秋の新連載陣のせいで。2chの「現在連載中で最高に酷いクソ漫画は?」で、堂々殿堂入りを果たした「外天の夏」コンビがチャンピオンに来た時は正気を疑いましたよ。まったくもう。


6号から始まった「ケルベロス」(フクイタクミ)は、短期集中連載の「ジョギリ屋ジョーがやって来る」が好評だったので、いよいよ正式に連載枠をもらえた模様ですが、内容はと言いますと・・・(→■)。

うん、この絵ヅラは、エロマンガ雑誌でよく見かけるソレだな。


「ジョギリ」も結構なヘンタイマンガだったと思うのですが、アレでもまだ、抑えてたんですね! チャンピオンはチャンピオン(王者)にしてチャレンジャー(挑戦者)! 「リョナ」って何か、それが分かるまでボクは挑戦者だ!
と、幕之内一歩みたいな気持ちで「ケルベロス」を読んでますが、こうも毎週毎週、リョナ描写が続くと、この作者さんは本当にヘンタイなんだなあと、なま温かい気持ちでこの作品を見守りたくなりますよ。その意気やよし!
いや、フォーマットは一応、少年誌の規格に従ってまして、そういうマンガとしても楽しめますんで、もうちょっと絵を丁寧に描いてもらって、画力が向上すれば準看板マンガになれそうな気がします。やればできる!


7号から始まった「ハンザスカイ」(佐渡川準)。さすが、こういうジャンルですと、遺憾なく本領を発揮してますね。

「俺はお前より強いのか」、だったな。
逆に聞こう。お前に俺が倒せるのか? (by番場先輩)

いやあ、こういうの好きだなあ。伝統派空手というと、まっさきに神山さん(@餓狼伝)を思い出しますが、ああいうシブいキャラをどんどん出して欲しいですね。
そしてケンカ屋の不良が好きな女の子のために最強を目指す、というと「天使な小生意気」(西森博之)という作品も思い出してしまうのですが、ああいうラブコメは大変好みですので、「ハンザスカイ」には、格闘マンガとしてもラブコメマンガとしても期待しております。

ブコメといえば、そういえば「ドカスパ」(水島新司)も、こないだから謎のラブコメ展開に突入していますが、なんかもう意味不明過ぎて面白いです。今週は、こんな誰得なサービスシーンとかも盛り込んでまして、くううっ、A10神経が刺激されてドーパミンが出ま・・・せん。
この期に及んでラブコメに挑む水島新司(70歳)を、賽ノ目手帖は応援しています。


8号から始まった「シュガーレス」(細川雅巳)は、ヤンキーマンガの定型をしっかり踏みつつも、独自の個性をしっかり盛り込んでいて、好感が持てます。「誠実にケンカしようぜ」って主人公の考えかと思ってましたら、ラスボスキャラ(シャケさん)のセリフだったのですね。今週のシャケさんはカッケーなあ。セリフのしゃれた言い回しなどは、「エアマスター」(柴田ヨクサル)を彷彿させますが(最初、予告絵を見た時は摩季かと思った)、シャケさんは今後、坂本ジュリエッタの領域まで高みに昇って欲しいものです。


今週号の10号から始まった「透明人間の作り方」(増田英二)。
新人さんらしい、今ドキの絵柄に、今ドキの設定で、チャンピオンに'相応しからぬ作風ですが、こちらも気に入りました。未完成な部分が多々あるところがいい!
過去にも、こういった「チャンピオンに若い読者層を引き寄せよう」作戦として、「ヒイロとナナシ」とか「妖変ニーベルングの指環」やらが投入されましたが、基本的にムリがあったと思います。
だがしかし、「透明人間の作り方」は今ドキ風でありつつも、チャンピオンイズムが感じられる作品で(最後のページなんかいいなあ)、こちらは無理が感じられず、楽しく読めます。
この作品がヒットすれば、チャンピオンは若い読者層にも受け入れられるのではないでしょーか。夢は膨らむ一方です。まあ今のところ、成功するかどうかはフィフティ・フィフティなのですが、そのドキドキ感も含めて、目が離せない作品になりそうです。


と、新連載が軒並み面白くてチャンピオンを読むのが楽しくて仕方ありませんが、今や看板作品の風格のある「バチバチ」(佐藤タカヒロ)も、毎週熱い展開で面白いですね。
この作品の唯一困ったところは、悪役の虎城親方のヘッポコさで、これで愛嬌があればパンドラさん的ポジションをゲットできるハズなのですが、ただひたすらセコい性格ですので、そういう点が期待できないのが辛いところ。7号の、猛虎と阿形の立合いで、「押し込め、猛虎!」と叫んだコマは、往年の名横綱の血が甦ったのかと、ちょっと期待してしまいましたが、結局元の小悪党に戻ってしまったのが残念でした。ところで関係ないですが、朝青龍が一般人に暴行を振るって引退した事件で、火竜さんのことを思い出したチャンピオン読者は多かったのではないかと思います。虎城親方の魔の手がこんなところまで・・・(いやいや)。怖いシンクロニティーだわあ。

THE LOST CANVAS 冥王神話」(手代木史織)は、パンドラさんのヘタレ&露出度UPフィーバーが続いてて楽しく読めましたが、テンマの父親の能力が反則すぎて(時間を止める)、あのキャラは要らなかったのではないかと。あの能力があれば、登場人物全員に勝てるんじゃなイカ? 反則キャラは出さずに誠実に聖戦してくれれば良かったのですけれども。

ギャンブルフィッシュ」(山根和俊)も、少年誌で麻雀勝負というのは合わないなあって思うのですが。大仕掛けをこしらえて(主にサービスシーン演出のため)、強引に命懸けの勝負にしている感が強いのも問題な気がします。同じパターンが続き過ぎて胃がもたれそうです。準決勝まできたんですから、もうちょっとこう、プライドとプライドを賭けたシンプルな勝負というのはできないでしょうか?

侵略!イカ娘」(安部真弘)は、この前から異常に面白い話が続いてて、作者の体調が心配されましたが、8号からまた微妙なネタ&オチが復活して一安心しております(笑) 女子中学生(清美)にペタペタ触るイカ娘に興奮したのはナイショだ!(これから成長するもん!)


みつどもえ」(桜井のりお)、「AL」(所十三)、「ANGEL VOICE」(古谷野孝雄)、「風が如く」(米原秀幸)など、中堅連載陣は安定して面白いですね。「クローバー」(平川哲弘)は、ケンカさえしなければ、本当に普通に読める作品なんだなあ。
範馬刃牙」(板垣慶介)に関してはもう、なまさんの仰る通りで・・・。「烈さんは、もう許してあげようよ!
久々登場した栗谷川さんに「俺はもう十分です」と語った刃牙には久しぶりに感動しましたが、こんな良いセリフを言ってても、脳みそは悪魔なんだよなあ。もう色々と手遅れですよ、板垣センセイ・・・。

以上、駆け足でしたが、チャンピオンの感想です。本当に久しぶりだったなあ。