賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

大島弓子さんの「ダイエット」を読んだ。

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中村明日美子さんの「曲がり角のボクら」(白泉社)、面白かったです。

表題作の「曲がり角のボクら」も良かったですが、冒頭の「阿部くんと黒羽さん」が一番気に入りました。絵柄はすごく癖があるのですが、お話自体はまったく癖がなくって、そのギャップが面白いなと。この勢いで「恋の日記少女」も読んでみたいものです。「同級生」は、この際後回しにすることにして。
本編(1号)の続編となった、楽園HPのWEBコ増刊の方も(17日)楽しく読ませていただきました。野球少女がいいなあ(「勝ってしますから!」)。

楽園の2号が出るのは、まだまだ先の話ですが、その間、こうやってWEBコミックやら既刊の単行本やらで、何とかしのいでいきたいところです。
ところで、現在最新の23日は、黒咲練導さんなのですけど、ちょっとこっち来いや



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勃牙利亜リンコちゃんも読める雑誌にしようじゃなイカ黒咲練導くん!!



ということで、こんばんわ。今読んでる「伊藤さん」(秋★枝)が面白過ぎるので、いったん読むのを中断して記事を更新してる賽の目です。

一気に読み終えちゃうのは、もったいないから!
それはともかくですね、なんだかいい調子でマンガが読めてるから、一気に大島弓子さんのマンガを読んじまおうぜキャンペーンも、順調に進んでいて、現在は念願の「ダイエット」まで読了したのですよ。


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ダイエット」の中で、お母さんが「淡々と恐ろしいことをしてるのはあなたよ、福子」と、娘に詰め寄るシーンがあるのですが、淡々と恐ろしいことを描き述べるのが大島弓子作品の一大特長なのではないかと思いまする。
12巻に収録されている「つるばらつるばら」という作品では、前世が女性だった主人公が、中学生の時、好きになった男の子に告白するものの、残酷に拒否され、またそれが全校に知られてしまい、傷心のあまり自殺を図るという展開が、数ページほどの分量で淡々と語られてゆくのですが、「そういうディープな話を淡々と語らんで下さい」とツッコみたくなるワケですよ。その後、学校でセーラー服を着てみたりするなど、「放浪息子」(志村貴子)の主人公(二鳥修一)が8巻かけて決行したことをあっさりやってのけたりするなど、まあ淡々と話が進んでゆくのですよ。このエピソードも、全体から見て、ほんの序の口であったりするからたまりません。主人公は物語の最後には64歳になってますよ。

と、実にヘヴィなマンガ体験をさせてもらってるのですが、そも、「少女マンガ」というのはヘヴィなものなのだなと、はたと気付きました。
大島弓子さん、山岸涼子さん、萩尾望都さん。みんな残酷といって良いくらいヘヴィなお話を描いてますよねえ。「残酷な神が支配する」など、タイトルだけで恐ろしくって、ワタシは読んでませんよ。「舞姫テレプシコーラ」? 読むワケないじゃないですか。さすがに近年、ワタシの危機回避能力はかなり発達いたしましたよ(笑)
三原順という人も、ずいぶんと残酷なお話を描いてたりしてますが、これは残酷というより「狂暴」と形容した方が良いかもしれないです(笑)

なんにせよ、少女マンガというのはヘヴィなものだと、今さらながら実感できました。うむ、そうか。桐原いづみさんの、あのクロい作風は、むしろ少女マンガなのだなあ。
そしてクロいと言えばそう、石田敦子さん(笑) 大島弓子さんの作品を読んでいて、何度も石田敦子さんの作品が思い浮かびました。
たとえば「毎日が夏休み」という作品では、会社を辞めた父と登校拒否中の娘が、なんでも屋を始めるのですが、その仕事の一つに、「純愛の思い出が欲しかったので、シミュレーションの相手をして欲しい」という依頼なんかもあり、「これって、「純粋!デート倶楽部」じゃねえ?」とか一人でニヤニヤするワケですよ。気味が悪いったらないな!

ダイエット」が描かれたのは、1989年。設定の妙に感心した(というか身につまされた)「夏の夜の漠」は1988年。U2的に表現すると、「魂の叫び」が発売されたあたりなのですねえ。
ダリアの帯」は1985年で、これは「焔」のあたり。うむっ、そういう風に考えると、そういう風に読めてくるなっ(読めません)。
と、そんな強引な考え方をせずに、大島弓子さんのデビューは1968年なのですから(ビートルズがまだ現役だ!)、デビューから20年を経て「マンガを描く」ということに確固としたものを持つに至った人の作品としてとらえたいところです。ATYCLBですね!(しつこいってば)
とはいえ、今までのような、ダイヤモンドのごとき硬質な作品群に立ち向かっていくのも、そろそろしんどくなってきましたので、次回はもっと初期の頃の、まだ作風が固まりきってなかった時期の作品なども読んでみたいなあと思います。But I still haven't found what I'm looking for~♪