賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

冬絵展に行ってきた。

いや、スマン。

先週、マンガ雑誌感想の更新をしておったのですが、途中でこちらの方の記事を拝見して、久々に「ヤサシイワタシ」(ひぐちアサ)を読んでしまったために、落ち込んで更新できませんでした。ああ、言い訳だぜ!
悲しくて悲しくて力が出ない主人公に感情移入し過ぎて、なにもする気が起きなくなりましたよ。


愛する者が死んだ時には、
自殺しなけあいけません。

愛する者が死んだ時には、
それより他に方法がない。
けれどもそれでも、業(?)が深くて、
なほもながらふことともなつたら、

奉仕の気持ちに、なることなんです。
奉仕の気持ちに、なることなんです。      中原中也(「春日狂想」)


とか、中原中也を読んでる場合じゃないです。「おおきく振りかぶって」が始まって以降、一度も読み返さなかった「ヤサシイワタシ」ですが(それまでは多分100回くらい読み返してた)、相変わらずの破壊力でした。石田敦子の「いばら姫のおやつ」とか、あの頃は、毒々しいマンガばかり読んでたなあ。よし、今から「いばら姫のおやつ」を読むか!(ゴメン、許して)


ということで、中原中也といえば「山羊の歌」、「羊のうた」といえば冬目景の原画展に行ってきました。

なにその、強引な前フリ。と、自分にツッコみたくなりましたが、それはさておき、例によって今年も行ってきたんですよ、冬絵展
昨年の記事を見てみると、桐原いづみさんの同人誌の話があったりして、なんだか懐かしいです。つか変わってねー! 今はハナイチコに夢中ですよ。「RAGNAROK ONLINE FANBOOK」シリーズは、次回で最終回なんですなあ。
そういえばブックファースト渋谷店も、いつの間にか閉店になっていてビックリですよ。本屋、ヤベーなあ。師走冬子さんのサイン会は、この書店でやったんでしたっけ。全然人が集まらなかったらしく、「ただ今「スーパーメイドちるみさん」2巻の発売を記念して、師走冬子先生のサイン会を開催しております」と、何度もアナウンスされて、待ってる間、周囲の視線がやたら痛かったのが、今となっては良い思い出です。むきょ~、そのタイトルを連呼するでないっ!

と、そんなどうでも良い話はさておき、夜勤明けの眠い頭で、GoFaに赴いたワケでござんす。入り口の受付のところで、グッズが色々販売されておったのですが、サイン本と申したか。なんとなー!
いやいや、サイン本というものはですね、本人に目の前で書いてもらうことに意義があるんであって、サイン自体には、なんの価値もないんですよ! そんな銭ゲバ姐さんの手には乗らないのですよ!


まあ、買いましたが。→■


欲しいだろ男なら、冬目景のサイン本。サインってか、署名ってカンジなんですが、ヨカヨカ! おいどんはまっこと嬉しか!(怒られますよ)

他に、初日、あっという間に売り切れてしまったというタンブラーなぞも置いてあったのですが、むう、確かにこれは可愛いな。購買意欲を著しくそそられるぜっ。男らしく我慢しましたけど。かわりにメモ帳を購入しましたけど。ダメじゃん。
冬目景さんは、その気になれば、こういう絵をいくらでも描けるんだろうなあ。あんま描かないけど。そういうのは間に合ってるしな。たまに描いてくれれば充分です、うんうん。

などと、勝手に一人合点しながら、いそいそとサイン本とメモ帳を購入し、いよいよ展示してある絵を拝見致しました。ああ、高城千砂の絵を見るのは久し振りだなあ。なんだか毎年毎年、お墓参りしてるような気分になってますよ。鑑賞している時に、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」なぞが流れてきて、ちょっとそれは、ハマり過ぎじゃないでしょうか、流してる人。寝てなくて情緒不安定な状態なんですからカンベンして下さいよ。めそめそ。

他は、「アコニー」とか「幻影博覧会」といった近作の絵が多いですな。アコニー、連載再開決定かあ。期待し過ぎて肩透かしを喰うのもなんなので、のんびり待ってますよ。「アコニー」でも「ももんち」でも「イエスタデイをうたって」でも、なんでも描いて下さいよ。「黒鉄」だってウェルカムだぜ! 単行本未収録文もあるんですからさー。

しかし、アレですな。原画を見ていると、「絵を描くのって、凄く楽しいんだろうなあ」って、いつも思いますね。
恐らく、雑誌上では、作者が味わっている快感の、1/1000程度にしか、読者は味わっていないんだろうなあって、思います。ええ、忌々しい!

作者に感情移入すればするほど、その快感は伝わってくる。だから、感情移入できない人は、「冬目景のどこがいいの?」と思うわけだ。あるいは「U2のどこがいいの?」ともなるわけだ。そんなの、説明できないよ。

すぐにU2話を絡ませるのは悪いクセ。今年も展示数が少なかったのですが、まあ1回目はストックがかなりあったからなんでしょうな。後半は、また展示物を大幅に入れ替えるそうですので、また行かせてもらいますよ。
シナコさんの絵が1枚しかなかったしね! ハルばっか描かないで、もう少し森ノ目先生にも脚光を浴びさせてやってください(できれば髪切る前の!)。


その後、コーヒーを飲んで、まんだらけにも行きました。すっかりマンガオタクだな! いや、この前買いそびれたハナイチコさんの同人誌が見つからないかなあって。
で、探してみたんですが、全然置いてないですよ、こんちくしょう。桐原いづみさんの同人誌すら見つからねえですよ。もう! もう!

頭にきたので、同人誌の付録らしい、「かさなや」のカレンダーを買ってやりましたよ。カレンダーっていうけど、カレンダーじゃないよなあ、コレ。まあイラストが載ってるからいいですけど。
2000年のものらしいですが、ワタシはこの時期の冬目景さんの絵が一番好きです。今の絵柄も好きですけど。「サイレンの棲む海」と「田中02」は、ワタシが生きているウチに単行本化されて欲しいものですなあ。
と、しんみりしたところで擱筆します。