賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

「賽ドリル」(河内和泉)1巻を裏読みする

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賽が導く、カミサマ系(?)ユルユル劇場、開幕!
賽の河原へ来てしまった女子高生の各務あずきと牧由直々、二人は、超マイペースな神様・サイノシンの元で、現世へ戻るための様々な課題をこなすことに…。同じ立場の仲間と共に時に熱く、時にユルユルにこなす課題は…!?  (Amazon.comより引用)


とまあ、こんなお話なんですが、この作品のなにがありがたいって、お色気シーンが一切ないところが嬉しいのですよ。
正直ワタクシ、機工魔術士」を女性に薦める勇気がございません。いい作品なんですけどねー。
なんだよ河内和泉、やればできるじゃーん、と言いたい気持ちで一杯です!
とりあえず「賽ドリル」を薦めてみて、反応が良ければ、「ちょっと長いんだけどー」と、さりげなく「機工魔術士」を持ち出してみる・・・コレだ!


ということで、1巻が出たばかりの「賽ドリル」なんですけど、いよいよ佳境に入ってきた「機工魔術士」と並行して同じ雑誌(ガンガンウィング)で連載されたこの作品、存外に面白くって大満足なんですが、以前にも書きましたが、これは、河内和泉になにやら深い下心があるのではないかと、勘繰っておるのですよ。

というのは、このマンガのテーマは多分、「人の生き死に」だと思うんですよ。
「軽~いマンガですので気軽に読んでね★」などと言われても、いやいや、だまされまいぞ(笑)

機工魔術士」の13巻で、いよいよユウカナリアがフルカネルリはもう、この世にはいないということを受け入れなければならない段階に入ってきましたが(ネタバレかよ)、そのための、いわば「補助線」として、このマンガが描かれたのではないかと。むう、アッパレなまでの妄念よ!(笑)

だってさあ、可哀想じゃん、ユウカナリア。8巻でもハルヒコが号泣してましたが(→)、つらいよ辛いよ、ツラいに決まってるよ。
13巻では、いつにもまして、ハイテンションだったユウカナリアでしたが、これはせめてもの情けというか、「これから地獄に落とすけど、せめて今だけは楽しむがいい」的な作者の配慮を感じてしまうんですけど~。助けて、パーマン

ここにきて、ハルヒコがどんどんフルカナリアに似てくるというのも、もうボクには入念に仕組まれた罠にしか見えません!(><)。「フルカネルリのことは忘れろ」って、フルカネルリにそっくりなハルヒコが説得するのは無理な話なワケですよ。
13巻の最後で、「二人を助ける」と誓ったハルヒコですが、結果として助けようとすればするほど、ユウカナリアに辛い思いをさせてしまうのではないでしょうか。う~ん、どうしよう。

二人を助けてくれそうな立場にあるパラケルススは、どう見てもワルモノだし、ええい、誰か他にいないのか!? そういえばヤマトは今、なにをしてるんだ?
パラケルススの「本意」というのも、よう分からんのですが、1巻でアイちゃんは“フルカネルリが大好き”だと触れてるんで、そこらへんが伏線になってくれればなあと。アイちゃんも謎だらけなキャラですなあ。

伏線といえば、13巻で、ユウカナリアがハルヒコにもたれかかったシーンで、5巻のコレを連想してしまって、なんだか切ないのですが、このオルゴールの伏線も、優香姉のMDプレーヤーの伏線と同じくらい気になってますので、回収ヨロですよ。
MDプレーヤーの謎は、あっさり解けたんですが、あっさり過ぎてなんだか腑に落ちないぞ(笑) パラケルススあたりにメッセージを改竄されてるんじゃないのん?


などと、なかば確信的に「機工魔術士」の話ばかりしてしまいましたが、気になるんだもんよ、しょうがないだろ~、と開き直る。
いや! 「賽ドリル」も普通に面白いのですよ。ことに超マイペースな神様・サイノシンが良いですね。こういう飄々としたキャラは好きっすわ~。本田千暁、小岩井よつばに続いての緑髪キャラですよ。そしてどうでもいいですが、とらのあなでもらったフリペでの、サイノシンの格好をしたハルヒコに萌えですよ。
それはさておき、そのサイノシンなんですが、餓狼伝」のグラビアアイドル・丹波文七ばりに、毎回扉のページにも登場してまして(丹波と違ってちゃんと出番がありますが)、なかなか凝っていて楽しいので、ちょっと紹介してみたいです。ちなみに「機工魔術士」のカバー折り返しにある4コマも、ワリと楽しみだったりします。



「賽ドリル」扉ページ大特集!!

・ドリル壱
これは見開きカラーなんで割愛

・ドリル弐
風車に囲まれてセクシーポーズをとるサイノシン。
頭の上のリス(タイシン)が、同じ格好をしてるところがグッド。

・ドリル参
花を口にくわえてご満悦げなサイノシン。小学生の頃、よくやったなあ。

・ドリル肆
サッカーネタ。なんか試合あったのかな。キーパーのリスがラブリーっす。

・ドリル伍
小野道風の故事を意識した構図かな。
このあたりから、「季節ネタ」「花」「タイシンとの絡み」という定型ができてきたみたい。
ちなみに賽の目は紫陽花が大好きですヽ(´ー`)ノ
そしてこのコントも好き(→)。からいのにあまいですよ!え? スプー? なんですか、それ?

・ドリル陸
ヒマワリもいいなあ。タネを食べてるタイシンかわいいよタイシン。

・ドリル漆
仲秋の名月。雲の流れる形がいいですねえ。彼岸花も綺麗です。
それしても本当に、食パンくわえた女子高生って、誰が思いついたんですかねえ。

・ドリル捌
落下するタイシンを見守るサイノシン。いやいや、助けようよ!

・ドリル玖
この回もカラーページで見開きなので割愛です。

・ドリル拾
お正月。串に刺さってるのはなんだっけ?

・ドリル拾壱
節分。後ろの雪ダルマがいいカンジ。


すみません、ものすごく面倒くさかったです_| ̄|○

つ、疲れた・・・。節操なく思いつきでやるんじゃなかったよ~(泣)。ぶっちゃけなまさんのこのレビューに対抗してみたかったんですけどー(笑)
まあまあ、それはともかく、どう見ても悲劇に向かってるとしか思えない「機工魔術士」に対して、「賽ドリル」では、遊び心が十二分に盛り込まれていて面白いです。上でごちゃらごちゃら書いてしまいましたが(スマン)、普通に肩の力を抜いて楽しく読めますし。
なにはともあれ、「賽ドリル」を見かけたらヨロシクです。



仏も昔は凡夫なり 我等も終には仏なり
いづれも仏性具せる身を へだつるのみこそかなしけれ