賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

コード談義

エッジ:僕らのコードはちょっと変わってた。メジャー・コードは陽気すぎて嫌だし、マイナー・コードは暗過ぎる。だから、ルートと5度だけのコードにしてしまった。3度の音は天敵になった。3度の音というのは、そのコードがメジャーになるかマイナーになるかの性質を決める音で、それを使わなければキー自体があいまいになるから、いろんなメロディがもっと乗るようになるんだ。だから僕が弾くコードというのは3度抜きで、基本はルートに5度とルートのオクターブ上を足したもの。それに時々他の音を入れたりする。これがいいのはキャンバスがいつも真っ白の状態ということだ。だからレコーディングになると、その調性のなさ加減がオーヴァータブをする時の自由度を増してくれる。はっきりとした響きをさせていないから雰囲気をがらりと変えることもできるんだ。(72ページ)


やろうやろうと思いつつ、なかなか構想がまとまらずに、先延ばしにしてましたこの企画ですが、もういいや。出たトコまかせで、行けるとこまで行ってやろうじゃん! こういうのは勢いです!

ということで第一回は、エッジ先生のこのお言葉ですが、いやあいいですねえ。こういうお話が聞きたかったんですよ~。

メジャー・コードは陽気すぎて嫌だし、マイナー・コードは暗過ぎる」というのは、彼ららしい表現ですよね。
人間の感情は、そんな単純なものじゃなくって、喜びの中に痛みがあったり、悲しみの最中に微笑が浮かんだりする。
U2の曲を聴いて、まるで自分のコトを歌ってるような気持ちになるのは、彼らがこういう豊富さ、リアルな感情を表現しようと切磋琢磨してるところにあるのだと思う。

雰囲気ががらりと変わる」といえば、U2のデモ・テープを聴いてみると、しばしばアルバム・ヴァージョンとは、全然曲調が違ってたりしてるのがあったりして面白いですね。
I Feel Free」と題された、明るいというか脳天気な調子のこの曲が、イスカリオテのユダを歌った陰鬱な「Until The End Of The World」のプレ・ヴァージョンだなんてビックリですよ。いや確かにベースやギターのリフはそのものなんですが。

U2 BY U2」では、こういったサウンド面での解説が多く収録されてますので、楽しいですね。なにを言ってるのか専門的すぎて不明だったりすることもあるのですが(笑)、頑張ってついていこうと思います。