賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

アワーズプラス6月号を読む

ままま、この広告のページを見てくださいな。→

これです、父上! こういう雑誌が読みたかったんです!!(号泣)


もう思い残す事はないっすよ。こういうのが読みたく読みたくてしょうがなかったんですよ~。
・・・って、前に書いたよーな記憶があるっぽいんで、さくさくと感想いかせていただきます。



・かぶりもんスター(天野シロ 表紙&巻頭カラー
天野シロという人のマンガは初めて読むのですが、あんまりラブコメ路線は得意でない人のように
思われます。「ねーちゃんの処女はわたさねー!」みたいなセリフ回しが、不自然に感じて仕方が
ないっす。この雑誌のカラーに合わせたためと思われますが、なんだかこっちが照れ臭いので、
無理に合わせんでも結構ですぜと。絵は自分のカラーを持ってて好感が持てます。


・セシルの気持ち(犬上すくね 
わーい、恋愛ディストーション路線の作品キタ――!
これです父上! 犬上すくねのこういうのが読みかったんです!!
もう恋愛ディストーションの続きはプラスで描こうよ。掲載誌がネコ雑誌になったことですし。


・おとめ恋々(石田敦子 
そのネコ雑誌(May)にもマンガを描いてる石田敦子ですが(「りこん猫」)、「夫との別居…そして離婚を
見守っていた猫が、臨終の時に下した決断とは…?」と、相変わらず捨て身だなあ。

それはともかく、今回の話は、この作品の特徴であるギミックが少なくって、いかにも石田敦子な仕上がり
でした。演劇部の女の子が顧問に恋をしてるところが、なんだか志村貴子の「青い花」を思わせますが、
オチは冬目景の「ももんち」だったという王道の展開。分かるヤツには分かる!


ホーリーブラウニー(六道紳士 
今回はアドルフ・ヒトラーでした。
1889年という年は、ヒトラーが4月20日に生まれて、6日後の26日にルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
が生まれて、5ヵ月後の9月26日にマルティン・ハイデガーが生誕してるのですな。
この三人がものした書物(「わが闘争」「論理哲学論考」「存在と時間」)の影響力を考えると、
同時代の人は、さぞかし初めて曹操を見た時の劉備みたいな感想を持ったことでしょう(@蒼天航路)。
ちなみにナディアがジャンに逢ったのもこの年ですな。いやそれ、フィクションフィクション。


くらしのいずみ谷川史子 
いやあ、雑誌で谷川史子の作品を読んだのは、これが生まれて初めてですよ。賽の目感激です!
愛はどうだ!」という作品で、アワーズで「トライガン」描いてる内藤泰弘(9才)が、似顔絵コーナー
参加していたりするが、そういう縁故で、プラスで描くことになったのだろうか。なんにせよ有難い
ことである、ナムナム・・・

それはさておき、珍しいことに今回のヒロインは久しぶりに黒髪ですよ。なんだか笑っちゃうぞ。
ラブラブ→誤解→不和→告白→仲直りという、定番のお話でしたが、奥さんのキャラが気に入りましたよ。
そういえば「金田一少年の事件簿」で、「便座が上になってたから男だ!」と金田一少年が推理して
た話がありましたが、アレはやっぱかなり気になるよな。


成城紅茶館の事情(スエカネキミコ) 
紅茶を飲んだら女の子になってしまうお話。呪泉郷に行ってこい。
ゆびさきミルクティー」を通過している我々に、どこまでそのネタで
押し通せるのか、いささか不安ではある、ひゃわああああ。


・かわいい悪魔(志村貴子 
犬上すくね石田敦子谷川史子、そして志村貴子・・・
すげえ、4連コンボだぜ・・・ポケモン、GETだぜ(@林家志弦)。

などと、改めて感動してしまうが、ほう! なんだか志村貴子、新たな画風に挑戦してるっぽいですな。
こういう描き方は見たことないなあというコマが多い。単なる気まぐれかもしれませんが。個人的に、
このコマが気に入ったです。なぜゆえ語尾が「やんす」?
女悪魔に向かって、厳しいお父さんより優しいお父さんの方がいいと言うところなどに、そこはかとなく
石田敦子の「魔女レーナ マジョりーな」を思い出したのはワタシだけではないハズだ。いや俺だけだな

これは読切じゃなくって、連載なんだなあ。年上のお姉さんに振り回される少年のお話ということで、
フリクリみたいなノリになるのだろうか。楽しみです。


・風穴頭と百鬼町(水上悟志 
まあいつも通り。


とうきび畑でつかまえて(二宮ひかる 
二宮ひかるだよ~、二本立てだよ~。笑いが止まらないよ~。多幸症というヤツですかね。
と、笑いながら読み始めてみたのですが、ユ、ユカリって・・・「エンゲージ」のユカリですか~!?
弟くんはあきらめて結婚するんすか!?・・・って、よく見たら『由香里』じゃなくて、『由加里』
じゃないですか。ビックリしたなあ、もう。で、オチまでいったら・・・→

やっぱり姉弟ネタでした。_| ̄|○


そう来たかあ。ワタシは二宮ひかるが、どんなマンガ家さんか知ってるからいいんだけど、
初めて読む人にはちょっとこれは、引くんじゃないかな? まあそれでこそ二宮ひかるだと
思いますが。オレ、知らないよ。
とはいえ、実に二宮ひかるらしい、奔放なキャラ(内面に鬱屈アリ)で、満足しました。
こういうキャラを描かせると、やはりこの人はいいなあ。「――ケンゴ、だいすき」のコマの
女の子の表情とか、「ああ、二宮ひかるを読んでるんだなあ」としみじみ思いますよ。


・はかないいちにち(二宮ひかる 
二本立てその2。その1とは別のイミで奔放な女の子ですな。こちらはかなり男性誌向けだ。
どういう経緯で、2本立てになったか、興味が湧きます。最初「とうきび畑でつかまえて」を描いて
みたものの、「こりゃちょっとマズいかあ」と思い、「はかないいちにち」を仕上げたが、担当編集者
が、「とうきび畑」の方を気に入って、両方載せることにしたとか、そんな感じだったら楽しいな。


・ゴッフマン(ISUTOSHI
なんか今テレビで西遊記をやってるみたいですね。モンキー・マ~ジック♪
ワタシの知る限り、もっとも外道な三蔵法師は、「それ行け三蔵法師」(三上龍哉)に
出てくるお人なのですが、こっちの三蔵もなかなかですな。


・ナポレオン外伝(長谷川哲也 
二宮ひかるに負けれねー!」とばかりに、ベッドシーンから始まりましたよ。
ということで今回は“色僧”ミュラ。今までの外伝シリーズで、一番面白かったです。
この、「あはははははは」で、ミュラがどんなヤツなのか、とても良く分かりますね。
歴史モノを描く上で、一番大切なのは、この「1コマでその人物を説明しきる」表現力
なんじゃないかなあと思いました。これがないと、お話にならない。で、その最高峰は
蒼天航路」だと、信者としては言わざるを得ないのです(笑)


・UFOおねぇさん(小野寺浩二 
相変わらず、ベタベタなノリですな。この人の鬼畜なところを知るワタシとしては、
いささか不安なところもありますが、どこまで行けるか、見守ってゆきたいです。


・狐(西村友恵) 
この作者が男だったら、「蟲師に塗れて出直して来い」の一言で済むのですが、
女性だから、「今後の成長に期待します」と書いておこう。



ええ、結局全作品に感想を書いてしまいましたが、まあ作品数もページ数少ないし
世間の評判は、あんまり思わしくないというか、ほとんど知られてないみたいですが、

 犬上すくね→ほとんど全部読んでる
 石田敦子→全部読んでる
 谷川史子→全部読んでる
 志村貴子→全部読んでる
 二宮ひかる→全部読んでる

というワタシにとっては、上記のマンガ家さんの新作がまとめて読める、今回のプラスは、
読んでて非常に幸せでした。これで山名沢湖吉本蜂矢が加わったら最高だな。というか
山名沢湖のビームの読切はプラスの方で掲載されても良かったんだけどな。

次回は夏に発売とのことですが、その時も素晴らしいサプライズがあることを
願ってやまないです。待ってますよ~。