賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

書き殴り (2/14改訂)

まあ、ワタシのような東洋人にとっては、「We're one, but we're not the same」という言葉を聞くとですね、「小人は同じて和せず、君子は和して同ぜず」という、論語の言葉を思い浮かべてしまうのものでございますが、そんな自分をちょっと愛しいと思う今日この頃。だってワタシ、日本人ですもの~。「和をもって貴しとなす」・・・ダメ?(笑)

昔、「ユダヤが解ると世界が見えてくる」という本が、ミリオン・セラーになったことがあったが、この本のタイトルをもじって言うと、「キリスト教が解るとU2が見えてくる」式の発言を、ネットなどでたま~に見かけることがある。

なるほど、一昨年出版されたU2本(「WALK ON」)を読んでみると、U2のメンバーが、いかにキリスト教に、バイブルに深く傾倒しているのか、如実に分かるのだが、そういった本から得たキリスト教的意匠を、U2というバンドにペタペタと貼り付けて、「日本人には解りにくいことだが」、とまるで自分が日本人ではないかのような口ぶりで、とくとくとU2について語っていたりする人を見掛けると、どうにも大声で叫び出したい心地になる。うわあ、恥ずかしいよ~。

当たり前だが、U2のメンバーは、と書くのが面倒なので、ボノさんは、と書くが、ボノさんは僕たちをクリスチャンに仕立てようなどとは夢にも思ってないだろう。
「東京のラジオに僕たちの音楽が流れることは素晴らしいことだ」という内容のセリフを、ボノさんは何度か口にしているが、それは、アイルランドとは、文化的背景がまったく異なるTOKYOという都市で、自分達の音楽が受け入れられていることの喜びを、率直に表しているのだろう。いうなればそこに、「和して同ぜず」、いやいや、「We're one, but we're not the same」という精神が立証されている、その喜びがあるのではないか。

みんな書物から人間が現れてくるのを待ち切れないからである。人間が現れてくるまで待っていたら、その人間は諸君に言うであろう。君は君自身でいたまえ、と。一流の思想家のぎりぎりの思想というものは、それ以外の忠告を絶対にしていない。諸君になんの不足があるというのか。by小林秀雄

「ボノさんみたいになりたい」と思ってる人は、世界中に何百万人もいると思うけど(そんないないか)、ボノさんもまた、上記のような回答をするのではないだろうか。「君は君自身でいたまえ、君になんの不足があるというのか」って。


・・・もしかしてオレ、かなり恥ずかしいコト書いてる?(笑)
うん、書いてるね、キミ。と自分ツッコミ。