賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

百合漫画を読む

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諸君、私は百合マンガが好きだ。
諸君、私は百合マンガが好きだ。
諸君、私は百合マンガが大好きだ。

嘘、ですが。

百合マンガが好きなんじゃなくって、好きなマンガ家さんが、たまさか同時期に百合モノ作品を出しただけの話でヤンスよ~。


こんばんわ。「マンガ方面も頑張る」とか言いながら、全然更新できなかった賽の目です。ごめんよごめんよ~。
という次第で、今回は気合入れて書くわよ~! はい、上記画像の、「マンガ・エロティクスF」、「コミック百合姫」という、見るからにいかがわしい雑誌に連載されている2作品を紹介いたします。

まず、マリみて」に負けない作品を描く気概をもって、志村貴子が渾身の力を傾けて世に出した「青い花」ですが、いやいや、FADERのインタビューで、志村貴子本人が、そう言ってたんですよ~。志村貴子ビッグマウス叩いてるのって、初めて見た気がする(笑) まあその直後にいつも通りヘタれた発言を連発するのですが(笑)

この、FADERという雑誌、なぜか音楽雑誌なのに、マンガ特集が組まれてて、表紙でお分かりの通り、あずまきよひこのインタビューを目当てに、年末にタワレコで立ち読みしたんですけど、志村貴子のインタビューも面白かったです。音楽雑誌だけあって、カート・コバーンの絵なんて描いてらっしゃいましたが、えっと、正直似てないです(笑)

この人の顔の描き分けに関しては、ファンの人もご本人もあきらめてますので、カート・コバーンみたいな典型的なハンサム外人顔を志村貴子が描けるなんて、まあ誰も期待してませんが、それでも立ち読みしてて笑いをこらえるのが大変でした。くはあ、似てねーよ~!

それはさておき、インタビューでは、初期の志村貴子作品における“殺伐さ”について、つっこんだ話がなされていて、興味深かったです。志村貴子は、1973年生まれで、ワタシとほぼ同年代なのですが、この“殺伐さ”は、すごくシンパシーを感じました。俺たち、あの頃はみんなそうだったよなあ。

冬目景だって、デビューの頃は、クーラーも冷蔵庫もない部屋で「世界の終わりが来てみんな死ねばいい」と思いながら、「ZERO」とか「羊のうた」とか描いてたりするのですよ。

面白いのは、志村貴子冬目景も、そういう“殺伐さ”が、「マンガを描く」という営為を通して、摩滅されていったことですね。勿論マンガだけではないと思いますが、マンガを描くことによって、そのような“殺伐さ”が対象化され、それを受け入れることができるようになったんじゃないかなあと。偉大なるかな、マンガ! まあ妄想ですが(笑)

だから、「敷居の住人」にせよ、「羊のうた」にせよ、完結する頃には、初期の頃とは、ずいぶんと雰囲気が変わってしまってるのですが、ワタシは、そういう変化は好もしいと思ってます。「完成度」のみを考えるなら、大減点ですが(笑) そして無論、 石田敦子さんみたいに一生変わらず“殺伐さ”を抱え込んでいきそうな人も好きですよ、はい。

ええ、例によって話が逸れまくりましたが、「青い花」、面白かったです。でもですね。帯を見たら、「どうにかなる日々」が“全2巻”って表示されてて・・・完結してしまったのね。もうちょっと、続けて欲しかったっす _| ̄|○

ストーリーは万城目ふみと、奥平あきらの二人を中心に進められてゆくみたいですが、今のところ、奥平あきらは、まだ主役的な流れには至ってないですな。多分これから、三角関係的にあーなったり、こーなったりで、渦中に巻き込まれてゆくのでしょうけれど。うおお、こえぇ~!

万城目ふみは、アレですね。「はやてXブレード」の無道綾那ですな。・・・ああっ、ブーイングが聞こえる!(笑)
ワタクシ、いまいち無道綾那の魅力がよく分からなかったのですが、万城目ふみを見て、おお、ナルホド、と。

万城目ふみがヤサぐれたら、無道綾那になるワケですよ! 誰も納得してくれないと思うけど、ワタシは腑に落ちたのでオッケーよ! 「同性に好かれそうな女の子」ってのを、いかに説得力をもって描くか、これが百合マンガのキモですな。当たり前か。

志村貴子の長編ものは、大抵最初はツマラないのが相場なのですが(笑)、この「青い花」は、打倒・マリみてを掲げるだけあって、しょっぱなから気合が入ってますなあ。相変わらず、顔の描き分けが壊滅的ですので、キャラを覚えるのが大変なのですが(笑)

こんなに伏線張っちゃって大丈夫なのかしら~、と読みながら心配してしまう一方で、「この1巻で終わってもいいかな」と思ってしまう程、志村貴子にしては珍しく均整のとれた構成で、1巻で完結して、「どうにかなる日々」を続けてくれないかなあとか、虫の良いコトを考えてみたり。1巻のラスト3ページの流れは、お見事!でした。


さて、字数制限を気にしつつ、次は林家志弦の「ストロベリーシェイクSWEET」などをば。

この作品、かなり前から注目していました。百合好きの林家志弦が、真正面から百合モノを描くわけですから、そりゃあ面白いだろうと、単行本化される日を、首を長くして待っていたのですが、掲載誌の「百合姉妹」が休刊・・・いきなり絶望的事態に遭遇いたしました。あの時はショックだったわあ。

その後、「百合姫」が創刊され、無事に連載が再開し、こうして単行本も発売されたのですが、一時期「百合姉妹」のバックナンバーを集めようかと真剣に検討してたくらい思いつめてたので、今回の1巻の発売は、本当に嬉しかったです。

ということで、ワクテカな気持ちで読んでみたのですが、「あら、意外と大人しいわ」と。百合専門の雑誌で連載されていたので、もっとロコツなのかと思ってたのですが、これなら、フツウに薦められますね。ホッとしたような、少し残念なような・・・(笑)

相変わらずハイテンションなギャグがテンポ良く続いていて、読んでて楽しかったのですが、一番笑ったのは、メンバー全員女の子しか愛せない、スーパービジュアルバンド、ZLAY(ズレイ)の登場シーンかな。ZLAYかあ、ZLAYときたかあ。そういえば林家志弦GLAYのファンだったね。きっとGLAYのメンバーも、全員女の子しか愛せないんだろうなあ。よく知りませんが。というかドラマーはどうした、ZLAY?

それはさておき、なぜか途中で4コマになったりするのが、ちょっと読みにくかったのですが、予想通りの面白さぎゅう詰めの1冊でした。電車の中でゲラゲラ笑いながら読みましたよ。まあ、榎本春菜が黒鉄はやてに見えてしかたがないという難点もありますが。もしや、春菜ははやての姉、黒鉄なぎなのか!? んなワケねー。



とまあ、そんなこんなで、2冊とも大変面白かったのですが、こういう場で、百合マンガを紹介するのって、結構ドキドキよ~。引かれてしまうかしら~。でもですね。今市子さんや、よしながふみさんといった方々のBLマンガを読ませていただいた身といたしましてはですね、オトコ同士でイチャイチャしてるのより、女の子同士でイチャイチャしてる方が見てて楽しいに決まってんだろ!でございますよ(血涙)。

これは当然ワタシがオトコであるからでして、女性からすれば、「オトコ同士がイチャイチャしてる方がマシよ!」ということになるかしらん? どうも難しい問題です。

いわゆる百合系マンガを描いてる人は、BLと同じく女性がメインと思いますが、男性が描いてても、さほど不思議に思いません。が、BLマンガを男性が描くかというと、これはちょっと考えにくい。いやあり得ない話ではないと思いますが、それは、いささか想像できないのであります。

そういったBLの特殊性と比較すれば、百合系マンガの方が、民間人に膾炙されやすいのだろうなあと思います。志村貴子にせよ、林家志弦にせよ、「聖・高校生」の小池田マヤにせよ、こういった系列の作品を描く人は、マンガの達者な人が多いなあという印象なので、このジャンルが盛んになることは個人的に望むところであります。

じ、字数制限、大丈夫かな・・・?