賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

マンガレビューの適齢期

まあ、ワタシは“生涯イチ漫画読み”である運命を、潔く受け入れるつもりなんですが、そんなワタシでも最近、マンガ力(←「まんがぢから」と読む)が衰えたなあと思うことがある。

やはり、マンガというものはユース・カルチャーなワケで、30代、40代向けのマンガが存在するとしても、マンガは若者のものだと思う。
そういう意味で、マンガを批評する人は、10代~20代の頃がピークなのではないかと思う。

そう思うと、ワタシは以前、某所にて、マンガレビューを何年かしていたのだが、30代になって、あれだけ広範囲にマンガを読んだのは、本当に凄いと思う。誰も褒めてくれないから、この際、自分で褒めることにする。スゴいぞ、オレ(笑)

とはいえ、ワタシも歳を取った。このマンガの面白さが分からん、というような作品が近頃増えてきたし、後はもう、お若い人たちに道を譲って、自分は好きなマンガだけ読んで、のんびり楽しませてもらおうかな、みたいな気持ちが、なんだか近年とみに強くなってきたみたいだ。

昔、「若者の活字離れ」ということが盛んに言われていたが、ネットの普及が、若者の読解力の向上に貢献してるなと感じることがある。
だから、ネットの漫画レビューサイトを渡り歩いていて、10代の女の子が、切れ味鋭い論法で、萩尾望都作品のレビューを書いている姿を発見しても、そんなに驚かなくなってしまっている自分がいる。

また、ネットの普及がもたらした変化のひとつに、「読者層の発言力の増大」があると思う。
かつては、読者と読者との間に、繋がりがほとんどなかったが(ファンクラブとか考えられなかった)、ネットの普及によって、全国規模での読者層の団結力=影響力が、格段にハネ上がったと思う。
読者の嗜好の多様化によって、なにが売れるのか、読みが非常に困難になってきている現在、こういった若い人たちの「ネットの声」というのは、出版社サイドにとって、貴重な情報源であろう。
それゆえ、ネットにおける、情実のない、歯に衣着せぬマンガレビューの重要性というのは、年々大きくなってくるのではないかと思う(どことは言わないが、提灯持ちのおべっかレビューにはウンザリですよね)。

だから、マンガレビューを始める若い人たちは、「オレが停滞してるマンガ界を変えてやる」くらいの意気込みでやって欲しいものだと、年寄りのワタシは一人静かに思っているのでありますよ(笑) いや、実際ワタシがマンガレビューを始めたとき、それに近いノリでやってましたけど(笑)

ちょっと今回は、「分かる人には分かる」みたいな話になってしまった、スマヌ。