賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

最近買ったマンガなど(後編)

前回の続きであります。すぐ書く予定でしたのにヘンに間隔が空いてしまって申し訳ない。


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「榊美麗のためなら僕は」(桐原いづみ)4巻

例によって通常版とフルカラー版の2冊買いである。もう勘弁してくださいッッ。
通常版のあとがきによりますと、「榊さんと立花君、ならずもののお話も収束しつつあります」との由。ええい、ここまで来たら最後まで2冊買いしますよ、こん畜生。
14歳の立花くんと19歳の榊さんの微妙に犯罪チックなラブコメものということで、当初はどうなることやらと思いましたが、この人らしいお話で安心しましたよ。5年くらい経つと19歳男性と24歳女性の恋愛話と言うことで、それはもうシギサワカヤ的にずぶずぶな話になりそうな気がしますが、そういうお話もちょっと読んでみたいワケですよ。いやいや、それはない。

4巻では松本さんと三島さんがガチで殴り合って友情を深めてましたが、なんなんでしょうか、そういうのは通常男子の特権ではないのでしょうか(タイマン張ったらダチじゃあ!)。3巻を読んだ時は松本さんがどうなってしまうのかと、心配してしまいましたが、まさかそういう展開に持ってくるとは夢にも考えてませんでしたよ、さすがだなあ。

この人の作品は、それこそ同人時代の頃の作品も読み漁ってましたので、心配はしてましたが不安ではなかったですよ。こういう安心感はありがたいなあ。信頼できるマンガ家さんって素晴らしい。

中村 小林さん、いろいろ文章を見ていて、文学者に一番大切なことというか、本質的なことって何だと思いますか。
小林 トーンをこしらえることじゃないかなあ。
中村 そうだね。
小林 あんなおもしろいものはないんじゃないか。僕らが何ももう言うことないなと思う時は、それが聞こえてる。いろいろなものを見たり考えたりしているうちに要求が贅沢になるでしょう。だからたしかにあの人のトーンだというものがあるやつとないやつと見分けがつくようになるわけだね。それを見つけることだよ。トーンがあるやつの安心がこちらに伝わるのだな。  (小林秀雄「文学と人生」より)

ワタシは文学は知らんのですが、そういったトーンを持ったマンガ家さんなら何人か知ってますので、そういうマンガ家さんの作品を読むときが、やはり一番楽しいなあ。



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「ファンタジー」(御徒町鳩)全1巻

マンガ・エロティクス・エフで連載されていたマンガ。「14歳と59歳。いつしか本気の恋」って、これは微妙じゃなく、普通に犯罪ですよ、御徒町センセイッ! 榊さんの場合、男性の立花くんが14歳と、なんとか許容内ですけど、こっちはヒロインさん(女性)が14歳じゃないっすかあ。ま、まあ文豪ゲーテは60歳年下の少女に恋したこともあるし、45歳くらいの歳の差カップルとか、まるで問題ないですね(震え声)。
この作品も面白かったです。原作つきですが「象の背中」とか、こういう路線の方がこの人の持ち味をより活かせると思いますよ。「腐女子っス」も好きなんですけど、将来的にはこっち方面に進んでいただきたい。そろそろ楽園でもこういうの描いてくれなイカ




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ひまじん(重野なおき)7巻(完結)&「あいたま」(師走冬子)6巻

その昔、「4コママンガにも親しもう!」と思い立ち、コンビニにあった4コママンガ雑誌を全部買って読んでみたことがあるのですが、その中で一番読みやすかったと言いますか、肌に合った作品が「ひまじん」でした。単なる我褒めですが、我ながら良い目利きであったなあと思います。もう10年以上も昔の話ですよ。長期に渡る連載、お疲れ様でした。
思えば師走冬子さんも、同じように4コママンガ作品を開拓しようと意欲に燃えてた時期に知ったマンガ家さんで、「まんがタイムきらら」の創刊号でのメイド物マンガが出会いだったんだなあ。フォローしますと、当時メイド物は、まだそんな流行ってなかったです、ホントホント。あの頃のちるみさんはまだ人間らしかったですね。ウィキペディアを見ると創刊号が出たのは2002年の5月に出たそうで、このマンガ家さんとも10年越しのお付き合いですよ。

この二人が、のちにコミックハイで連載を始めるとか、当時肝を潰したワケですが、当時のコミックハイ編集長も結構な目利きであったと思います。桐原いづみを商業誌に連れてきたという1点のみでも充分評価できますが。うむ、これも微妙に我褒めかっ。
やはり、好きなマンガ家さんは、最低でも10年くらいはマンガ稼業を続けていただきたいと思います、本当に。



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「BE BLUES」(田中モトユキ)7巻&「スピナマラダ」(野田サトル)5巻

週刊少年サンデーで、「ファンタジスタ」(草場道輝)の続編が始まっておりますが、これが原因でこの「BE BLUES」がハジかれるとか、そんなことないよね?
ファンタジスタ」の続編については、なにか一言、言っとかないとなあと思いつつも、どうも悪口になってしまいそうで書けなかったワケですが、皆さんも指摘されてるとおり、「ファンタジスタ続編」と「本田圭祐物語」との喰い合わせが悪すぎる。単体として見ればどちらもとても面白いのですが、「混ぜるな危険」としか言えないです。まあこれも一種のタイアップ企画、本田圭祐人気にあやかって生まれた企画なんだろうなあ。微妙に残念です。

それはともかく、BE青の方は相変わらず熱い展開で面白かったです。絶対に負けられない試合がそこにあるってヤツですね。単行本でまとめて読みたいので、今は週刊誌で追いかけてなかったですが、立彦が強キャラに成長していたのはビックリかつ笑ってしまった。そう来たかあ。おまけのコマで解説役を立彦に取られてしまい憮然としてるオシムお爺ちゃんにも笑わせていただきました。

ええ~、そして「スピナマラダ」ですが・・・。
皆様もご存知の通り、来週で最終回ということで、先週はお通夜モードに入ってしまいましたが、誰のせいっていうか俺の責任だよな(え?)。
賽ノ目手帖を読んでいただいて、一体どれだけの人が「スピナマラダ」に注目してくれたのかと考えると、自分の無力さが腹立たしい。少し言い訳させていただきますと、布教のためにスピナの単行本を職場の同僚に貸しておりまして、現在手元にスピナがないんですよ。そのため、ちょっと紹介しづらかったという要因はあります。言い訳だなっ。
まあでも油断はありました。チャンピオンならともかく(自虐表現)、天下のヤンジャンで連載してるから(皮肉表現)、知名度と言う点では「さくらDISCORD」(増田英二)よりかはなんぼかあるだろうと。そして読んでくれたのなら、その面白さを必ず分かってくれるだろうと・・・甘かった!!

岡本倫だの柴田ヨクサルだの中山敦支だの、絵はアレだけど話はやたらアツいマンガが載ってる雑誌だから、そういう層が「スピナマラダ」を支持してくれてるハズという目論みも見当違いだったかなあ。
モーニングで連載してたら連載は続いてた」といった意見が、2chのスピナスレでちらほら見られましたが、ああいう画風はヤンジャンでは不向きだったんですかねえ。

ヤンジャン編集部は頑張ってると思うんですけど、読者がそれについていけてないってイメージがありますよ。さっきから妙に上から目線で何様だよこの野郎な物言いで大変申し訳ないのですが、それだけトチ狂ってるということで、今回だけはカンベンしてください。ああ悔しい。




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絵柄買いしました。こういう絵が好きだからっ。出てくる女の子が可愛いから!
ラノベのコミカライズの方は、ブックオフで軽く立ち読みしてみたんですが、丁寧に描かれてはいるものの、この人の持ち味があまり出てなかった気がしますので購入は見合わせてましたが、さすがこのオリジナル作品では持ち味全開ですよ。これは購入しないと。ちなみにタイトルを聞いた時、「おまかせ!!ヴァーミリオン」(かねこしんや)という作品を思い出しましたよ。いつの日かまた、かねこしんやさんの新作が読める日が来ることを信じてますよ。

それはさておきまして、チャンピオンで連載してる鬼のお話(「鬼さんコチラ」重本ハジメ)は残念ながらもうすぐ終わりそうなのですが、こちらの鬼モノは長く続いて欲しいですねえ。
お話自体はベタンベタンの王道系のストーリーですので、こんな風な絵柄が好みでない方は、特に気にされなくて結構です(営業妨害すんな)。それにしてもヒロインさんが常時右目を瞑っているのが、なんだか「咲-Saki-」(小林立)の福路美穂子さんみたいでいいなあ。なにかと「咲」と比較するのはいい加減やめたまえ!

ということで、これでお仕舞いです。長々と引っ張って申し訳ありませんでした~。