賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

ストーナーなU2


いやあ、U2は凄いなあ。

とか、他人事のように言ってしまうのですが、実際ここしばらくレディオヘッドやらストーナー・ロックやらでほとんどU2を聴いてなかったんですね。2,3ヶ月くらい、まともに聴いてなかった気がします。
なので、久し振りに聴いたU2は、今までと違った風に聴こえて妙に新鮮でした。
ストーナー・ロック的な視点で見ると(というほどストーナーロックを聴いてるわけではないのですが)、実にヘンなバンドだなあと(笑)。指向性がまるで違いますねえ。

とはいえ、同じロックなワケですし、U2にもストーナーロック的な曲があるだろうとかえりみるに、この「BAD」が鬱勃と浮上してくる次第ですよ。
しかしそもそも、初期U2のあの特徴的な反復的なギターサウンドは、ストーナー・ロックに近いのではないでしょうか(そうか?)。

こちらのサイトのレビューを拝見しましたが、なんでもSleepというバンドの「Jerusalem」というアルバムは、ほとんど展開をみせない単一リフだけで進行するという、エッジも裸足で逃げ出しそうな末恐ろしいシロモノだそうで、これは聴いとかないとなあ。
それとU2を比較するのは無茶ですが、BADなどを聴いていると、存外にKyussとかに近いなあと思ってしまう自分がいます。

BADのあの暗さや、あの意識の底から突き上げられてくるような力強さといったものは、なかなかストーナーなんじゃないかと思います(笑)

ロンドンの音楽関係の男なんだけど、ポートベロ・ホテルの俺のところにやってきて、去年死にかけたって言うんだよ。3回心臓停止したらしい。クスリのやりすぎでね。それで麻薬中毒患者リハビリセンターに入って人生を建て直そうとした。
彼が言うには、俺たちの音楽が彼の生き方を変える本当のサウンドトラックになったらしいんだ。そして、すっかり度肝を抜かれたんだけど、俺が『焔』で表したものがすべてわかってるんだよ。「バッド」の気持ちがわかってた。どんな感情も彼にはわかってるんだ。「ワイヤー」についても。この2つの歌が彼の体験と直接結びついていたらしい。あの抽象的な感じがね。『ボノ語録』(73p)

自分はクスリとかやったことがないので、何とも言えないんですが、個人的体験に当てはめると、ひどい頭痛で本を読むことも寝ることもできなくて何時間もベッドの上でもんもんとしていた後に、ふと頭痛が和らいで身体は消耗してるけど精神はやたらと高揚してくる、あのカンジに近いなあと思ってます。

それはさておき、今までと違った視点でU2を眺めてみますと、自分がどういうバンドが好きなのだろうと、ちょっと分類してみました。まあかなり無理矢理なんですけど。

Aタイプ
ヴォーカル・ギター・ベース・ドラムが、テーブルの脚のように(@ボノさん)各々が確固たる存在感をもって一体感あるサウンドを出すバンド。マニックスフィーダー、ステレオフォニックスなど。

Bタイプ
聴いてるともう座ってられない、ひたすらフィジカルに訴えかけてくるバンド。メタリカレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンシステム・オブ・ア・ダウンなど。

Cタイプ
魔術的に、新しい感覚を呼び覚ますバンド。ミューシガーロスヨンシー)、マイク・オールドフィールドなど。


この3タイプになるのかなあ。この3つを全てあわせもってるのがU2レディオヘッドキング・クリムゾンといったバンドになるのでしょう。
個人的にストーナー・ロックというのはCタイプの範疇に入れてしまうジャンルなのですが、日本のバンドでCタイプのバンドはかなり少ないのではないかと思います。多分ドラッグと関係あるんじゃないかと邪推してしまうのですが、日本でもこのタイプのバンドが出てきたら凄く嬉しいです、Bタイプはポリシックスがいますし。

などと思わずたわけた自己分析してしまうくらい、U2ネタがなくて困ってるのですが(笑)、本当に早いとこニュー・アルバムを出して欲しいものであります。