賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

ノーホラを改めて顧みる


こういう人が世界中に何百万人もいるワケで・・・

いやまあ、自分もそうなんですが。今週ようやく届いたU22ですが、やはりNo Line On The Horizonが収録されていないのは合点がゆかぬ。この曲は単純に非常に良い曲でもあり、またこれまでのU2にはなかった、新境地のU2の金字塔とも言うべき曲だと思うんだけどなあ。「NLOTHかんさつにっき」とか書庫まで作った俺の身にもなっていただきたい!

この曲が360ツアーの後半から演奏されなかったこと、FezStand Up Comedyが一度も演奏されなかったこと、I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonightが早々にバンド形式じゃなくなったことなど、360ツアーには色々と不満があるのですが、アルバムのコンセプトと、ツアーのコンセプトとの食い違いが、このU22の選曲にも表れてるなと思いました。

まあ、こういう不満も、実際にライヴを観れば吹き飛ぶ程度のものだという自覚はありますが、ツアーのポスターに企業名が入っていたのには、当時かなり違和感があったなあ。今だからさらっと言えますけど、節税対策で事務所をアイルランドからオランダに移したことよりも、こっちの方がショックでした(笑) あのU2でさえ、ビッグなコンサートをおこなうためには、ここまで妥協していかなければいけないんだなあと。音楽業界に真冬の季節が到来したことを実感するエピソードでした(笑)

違和感といえば、アウンサンスーチーさんお面をつけてのパフォーマンスも、違和感マックスでした。
なんでしょうかね? それって凄くヒッピー的じゃない? 以前、酔月亭さんが映画「アクロス・ザ・ユニバース」についての記事で、「そんな同一性を求めるヒッピーの「ONE」に対し、ボノは以前、はっきりと異論を口にしている」と指摘されてますが、あのお面パフォーマンスは、まさにその同一性を求める、「悪しきONE」ではなかったでしょうか(僕はスーチー、君もスーチー、僕らはみーんな一緒!)。少なくともワタシはライヴに行っても絶対あのお面は付けないだろうなあ(笑)

と、今でも360ツアーにはモヤモヤしたものがある賽の目ですが、アルバムの方を改めて振り返ってみますとですね。

01. No Line On The Horizon・・・・・・完璧
02. Magnificent・・・・・・相当良い曲であるが、ギターのリフが安っぽく聴こえるのが難点
03. Moment of Surrender・・・・・・完璧
04. Unknown Caller・・・・・・サビのコーラスは最高だが、後半のギターソロが蛇足
05. I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonight・・・・・・完璧
06. Get On Your Boots・・・・・・今は許してる。5億円かけて制作したPVについては今も不満
07. Stand Up Comedy・・・・・・完璧
08. Fez - Being Born・・・・・・完璧
09. White As Snow・・・・・・やはり「演歌の花道」っぽく聴こえる
10. Breathe・・・・・・イーノさんほど賞賛できない
11. Cedars Of Lebanon・・・・・・なんか普通だ

というカンジで、最終的にはノーホラはムラのある名盤という形に落ち着きそうです。POPと同じかなあ。
ちなみに完璧評価のライブでの立ち位置は、

No Line On The Horizon・・・・・・ツアー後半から演奏してない
Moment of Surrender・・・・・・トリで演奏
I'll Go Crazy If I Don't Go Crazy Tonight・・・・・・アルバムと違うヴァージョンで演奏
Stand Up Comedy・・・・・・演奏してない
Fez - Being Born・・・・・・演奏してない

と、Moment of Surrender以外は散々ですよ、まったくもう。360ツアーでは、懐かしの曲がたくさん演奏されていて、さらには「アクトン・ベイビー」が20周年ということでアクトンの曲がフィーチャーされた分、新作がワリを食ってしまったのは致し方ないかもしれませんが、それでも残念無念であります。


現在、U2新作をレコーディングしてるとのことですが、え? じゃあThe Songs of Ascentとか、今まで噂されていた数々のアルバムはみんなポシャっちゃったの?と、相変わらずの完璧主義に呆れ果てる脱帽してしまいますが、次回作もまた聴く者を驚嘆させるアルバムになって欲しいですね。ということでこれからU22を聴いてみるです、おしまい。