賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

ベース・ラインが最高の曲

 
 BIGGERA CURLさんの記事(ベース・ラインが最高の曲トップ25)を拝見しておりまして、「あれ? U2の曲がひとつも入ってないじゃなイカ。みんなうっかり屋さんでゲソねえ」と、しょうがないのでU2の曲の中で、ベースラインが最高の曲を軽く10曲くらい上げてみようかと色々考えてみたら、収拾がつかなくって企画を中途放棄した賽の目です。こんにちわ。アダム様最高や!
 
曲で絞るのは止めにして、アルバム単位で考えますと、97年に発表された「POP」と、最新作である「No Line On the Horizon」(09年)が群を抜いて素晴らしいなあと思います。
ZOORPAツアー終了後、U2のメンバーは約1年の完全オフを取ったのですが、その期間にアダム様は本格的なベースの勉強をしていたらしく、POPではその成果が露骨に表れたのだなあと。「Do You Feel Loved」、「Please
 など、どれもベースラインがまっさきに頭に思い浮かびます。
その後の2枚(ATYCLB、HTDAAB)は、POPに比べると今ひとつ地味な印象がありましたが、NLOTHでハジけましたねえ。この為にベースの勉強をしたのだなあと思わせる存在感です。Magnificentのベースがカッコ良すぎて泣ける。
 
初期三部作(BOY、OCTOBER、WAR)の頃は、やたらと中音域にベースラインが入り込んできてエッジが辟易していたそうですが、結果ギターが高音域に追いやられてU2ならではのギターサウンドが確立できたのですから結果オーライ。初期の傑作「Twilight」も、冒頭のベースが印象的ですね。デモを聴いてると、プロデューサーのスティーブ・リリィホワイトの貢献が大なようですが、アダム様らしいでしゃばりかたです(笑) 話が脇道に逸れますが、数年前にザ・フーを聴いて「まるでU2みたいだ!」と驚いてしまったのですが、勿論U2がフーの影響を受けまくりなのですが、U2を唯一無比と無邪気に思い込んでいた自分には、フーの存在は結構なセンセーショナルな驚きでありました。まあ洋楽が好きならもっと早くにフーくらい聴いとけってだけの話なのですが、ザ・フーが本国に比べ日本であまり人気がない事と同じく、U2がイマイチ日本で人気がないことは、なにか相関関係がありそうな気がしますです。
 
そして中期のアメリカ三部作(「焔」「ヨシュア」「ラトハム」)では、今度はオトナなアダム様のベースプレイを堪能することができます。とあるU2本の中でのこんな発言など引用。
 
「あのアルバム(「焔」)のベースに関して気に入ってることは、ベースが本来の位置、つまり最低部にあるということだね」エッジの逆襲だ。
アダムは笑って言った。「聴こえないみたいに?」
エッジは攻撃を続けた。「確かにベース・プレイヤーによる高音域、中音域への逸脱行為はないな」
「なんだって! じゃあ<ワイヤー>はどうなんだい。あれにはすごく下品なベースの音が入ってるぜ!」
「うん、あれは実際ハイライトだよね」エッジも同意した。「<ワイヤー>のベースサウンドはあのアルバムのハイライトのひとつなんだ」(カーター・アラン「世界の涯てまでも」250p)
 
「焔」では、今度はダニエル・ラノワの影響が大なようですねえ。リズム・セクションが初期の頃よりずっと落ち着いた感じに聴こえます。ということでWire。 うむ、格好良いな。
 
 
 
で、サイバー3部作(「アクトン」「ZOOROPA」「POP」)となるのですが、「アクトン・ベイビー」も、当時のダンス・ミュージックを積極的に取り入れてるだけあって、ベースがフューチャーされてますね。後ろに3人を従えて、椅子にふんぞり返ってるアダム様の写真が当時ありましたが、確かに王様だな、と(笑)
ええと、ここでやっと冒頭の「Lady With The Spinning Head」へと、つながるのですが(つまりこっからが本題)、アクトン期のU2の楽曲では、この曲を一番聴き込んでました。一番好きなのが、シングルのB面曲でしかもリミックスって、キミ、本当にU2ファン?と、問い質したくなるのですが、好きなんだからしょうがない。あの頃は、本格的にU2にハマってて、毎週のように西新宿に行ってはブートレグを買っていたものですが、この曲を聴いてると、あの当時のコトを色々思い出して困る。
 
リミックスらしく、ベースを思い切り強調した出だしとか、後半のオペラみたいな仰々しいオーケストレーションとか、とにかく好きだったなあ。初期の頃からの武器である、U2のあの手のつけられない熱さ(彼らは「火花」と称していたっけ)と、アクトン時代の新しいコンセプトが見事に合致した曲と言えるのではないでしょうか。
今月発売されるアクトンのデラックス版では、未発表のアウトテイクが多数収録されてるのですが、こういう曲がたくさん聴けたらいいなあと、今から楽しみですよ。国内盤は発売延期されてナンボの品物ですので、今月聴けるとは限りませんがっ!
 
と、いうことで長々と引っ張って申し訳ありませんでした。そしてまたも趣旨が違う記事を書いてスミマセンっした、BIGGERA CURLさん