賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

「この恋は実らない」(武富智)を読んだ

あの、もしかして、武富智さんと言う人は、物凄く才能のあるマンガ家さんなのでしょうか?

マンガ喫茶で読んでみたのですが、驚きましたよ。過去に読んだマンガ家さんと比較してみて、アレだ。橋本みつるさんだ。あの感情のジェットコースターに乗せられてしまったかのような怒涛の読後感を、まさに「この恋は実らない」で再び体感致しました。
 
橋本みつるさんは、これ全身少女マンガ家の人ですので(笑)、その少女マンガの「文法」を理解するまで、多少時間がかかりましたが、この作品はそういう文法は使われてなかったので、初見からダイレクトに伝わってきましたよ。こいつはスゲエや!
 
橋本みつるさんばりの感情の爆発感も凄いのですが、同時にストーリーの構成の仕方が非常に端正といいますか、大変美しく、谷川史子さんの作品を彷彿させるものがあります。橋本みつるの爆発力と谷川史子の構成美を併せ持つマンガ・・・完璧じゃなイカ
 
とにかく惚れました。「マンガ」という表現形式をこんなにも正しく使用されると、こんなにも魅力的なものになるのだと、マンガの底力みたいなものすら感じました(笑)  「これが正しいマンガです!」とか主張したくなりましたよ。
ヤバいな俺。
 
この作品はヤングジャンプで連載されていた作品で、日本一の販売部数を誇る青年誌に載っていたのですから、決してマイナーな作品とは言えないですね。くっそう、なんで今まで知らなかったんだろう。口惜しいわ~。誰か教えてくれよう。と、八つ当たり(笑)
 
こちらのサイトに載っている年表を拝見すると、「この恋は実らない」が載っていたのが、2007年09号から2007年44号まで。「ノノノノ」(岡本倫)の連載がスタートしたのが2007年47号ですので、「ノノノノ」が始まる直前まで連載されてたのですなあ。や~、それは気付かないわあ。
 
集英社というかジャンプという存在に軽く敵対心を持っていたりするワタシですが(笑)、岡本倫とか中山敦支とか、この武富智さんとか、やはりジャンプはあなどれんと言わざるを得ません。エラそうですみません。秋田書店は、本当に頑張らないといけないなと思いました(笑)
 
ということで、遅ればせながら武富智信者となりました賽の目です。他の作品も読むのが楽しみだなっ。
 
 
 
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