続・楽園vol.4感想
Fellows! vol.13が、なかなか読了できないのです。
さすが1230ページ、あなどれません。山名沢湖さんの読切も掲載されてますので、早いとこ読了して感想を書いておきたいところです。
と、手を焼いてるフェローズはおいといて、まずは「楽園」感想の続きをやろうかと。
前回の記事を読み返してみましたが、 ええと、ちょっとリセットさせて下さい。あの記事を書いてる時は30時間くらい寝てなかったもんで、自分でも何を書いてるのか分からなくなってきてました(笑)。週刊誌でマンガ描いてる人たちは、いつもああいう状態で仕事してるんだろうなあ。凄いや!
ということで、改めて仕切り直しで感想を。
確かに、これはワタシの思う少女マンガのイメージがてんこ盛りの作品だなあ。偶然だろうけど、Fellows!に掲載された橋本みつるの読切(「叫びとささやき」)とテーマが少しカブっていてビビった。10代の人間特有の精神的狂暴さをセンシティヴに描くのが少女マンガということなのか、ワタシにとって。
面白かったですが、少し詰め込み過ぎなような。雑多に織り込まれたエピソードが一見とりとめもなさそうで実は緊密につながっているというのは少女マンガの常套ですが、それを踏まえても互いにエピソードが相殺してしまってるような印象があります。少女マンガを読むのは難しい。
Web増刊の読切(「訪問者」) はシンプルで良かったです。お盆は、死者が現世に戻ってくるのだなあ。
コレクターズ(西UKO)
いつも通り、イチャついておりますな。今回は直巳さん(女性)の「おう、毎晩毎晩注がれまくっとるわ」がツボでした。「愛情注がれてんじゃーん」という精神的な表現に対して極めて直截な表現にして返答するという、こういう会話を考えるのが上手な人だなー。魔法使いの冷酷(二宮ひかる)
トリック・オア・トリート! そういえば、10月31日はハロウィンでしたね。日本に根付くのかこの風習。冷酷といいますが、結果的には二人の距離を近づけくれたワケでして、むしろ親切な魔法使いな気がしましたよ。
今回のヒロインさんは小野寺浩二が泣いて喜びそうなメガネ美人さんで、それも良かったなあ。
想いの欠片(竹宮ジン)
三角関係キタコレな展開でした。 Web増刊の読切(「Love&Piece」)も異性愛に見せかけて、やっぱり百合というお話で、生涯現役百合マンガ家さんとしては、やはりそういう展開になるよな! いいぞ、もっとやれ。こういうややこしい人間関係は大好物ですよ。どんどんややこしくしちゃって下さい。
えみちゃんの起点(武田春人)
いかん、段々普通に好きになってきた。単行本出たら買いかねん。絵柄をもうちょっとなんとかすれば、もっと人気が出るだろうになあ。典型的な絵で損してるマンガ家さんですな。
ディアティア(かずまこを)
告白キタコレ!
とはいえ、この作品は連載開始してから1年が経過してるんだよな(まだ4話目なんだけど)。そう考えると急展開ということでもないかも。 なんだかんだで「ベイビーステップ」(勝木光)は告白まで週刊誌連載で3年かかったのだなあ。
それはともかく、これは次回が楽しみですね。どえらく王道な展開なんですが、王道っていいなあって思います。
P.V.(西UKO)
女の子が女の子と付き合うということの考察(柱の文句より)。
そういうもんですかいのう。
てっきり「るくるく」みたいなのが掲載されると思ってましたよ。
ノミノ(宇仁田ゆみ)
「さがせさがせホメ要素(ない!!)」が面白かったです。ノコさん、主人公のことが好き過ぎですよ。
そんなノコさんを嬉しく思いつつも一抹の不安を感じる主人公はいいヤツだな。最後のページで軽く破局の匂いを漂わせて、読んでるこっちも不安になってくるぜ。作者の掌の上で転がされてるぜ。
小鳥三昧(竹田昼)
内田百閒という人はつくづくオタク体質の人だったんだなあということが分かるお話。職人大好きの小林秀雄が嫌うワケだわ~。
すきなひと(日坂水柯)
今回はお話がほとんど進んでなかったなあ。年3回の刊行ペースの雑誌で、この展開の遅さはちょっと勘弁して欲しい。忙しかったのだろうか。ビジネスジャンプに載ってた読切、面白かったです。筒井筒(沙村広明)
思いつき一発で出来たような展開でしたが、今回もヒドい話で、ようございました。内臓を撒き散らかさずにはいられんのか。
kissing number problem(黒咲練導)
珍しく今回は不快感を催さないお話でした。まあたまたまだろうな。乙女ループ(鬼龍駿河)
こちらはいつも通りのノリ。Webの方でもチョコチョコ描いてらっしゃいますので、意外に早く単行本化されるかもなあと、淡い期待を抱いております。阿部共実とどっちが先に単行本になるか、競争だ!ひたひた(鶴田謙二)
もう11月にもなるのですから、そろそろマリエルさんに服を着させてください、鶴田センセイ。コミックZinでもらったポストカードみたいな着ぐるみでも結構ですから。
エンディング(シギサワカヤ)
本筋の恋愛関係はともかく、職場の人間関係がなんだか物凄く身につまされるところが多く、そういうところでも身悶えしてしまいました。大丈夫だよ!今回も大変面白く読めましたが、やはり中村明日美子さんの不在は大きいなあと。巻頭に売野磯子さんが来て、最後にシギサワカヤさんが来て、真ん中に中村明日美子さんが加われば盤石の誌面構成になるんですけどねえ。
HPのweb増刊の方にTONOさんが参戦してましたので(「汚れる女」)、中村明日美子のピンチヒッターとして、彼女に連載枠を一つ設けていただけると、とても嬉しいですよ。「カルバニア物語」は、もう13巻が出てるのだなあ。
そして次号のvol.5(2011年2月発売予定)からは、Kashmirさんと志摩時緒さんが参戦ということで、スミマセン、志摩時緒さんという方は存じてないのですが、あの百合星人の人が楽園に来るのかあ。林家志弦、Kashmirと、もはや楽園的に百合は基礎教養なのか。あらきかなおセンセイとかも普通に描いてきそうで怖いぜっ!
いよいよ混沌とした作家陣となってきた楽園ですが(男性向けなのか女性向けなのかすら見当つかないです)、次号も楽しみにしておりますです。
『楽園』(Le Paradis [ル パラディ])
http://www.hakusensha.co.jp/rakuen/vol4/index.html
http://www.hakusensha.co.jp/rakuen/vol4/index.html