賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

『GO』の歌詞を読む

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歌詞をプリントアウトしてみました。

いや、どんなこと歌ってるのかなって気になって・・・。
と、いよいよ病膏肓に入るの領域に入ってきた賽の目です、こんばんわ。
英語じゃない歌詞もあったりして、読んでみても全然分からんちんなところも多々あるのですが、やっぱりこのアルバムは「肯定」がテーマになってるなあと改めて感じました。
 
1曲目の「Go Do」なんて、「We should always know that we can do anything」(僕たちはなんでも出来るってことをいつでも知っておくべきだ)なんて歌ってましたよ。すごいや!
 
この曲を聴いていると、ここ数年、理解しようとやっきになっているスピノザという人の学説をやけに連想してしまうのですが、スピノザも自身を、生を肯定することに精魂を傾けた人のようですね。
 
 
私の原則は次のごとくであって私はこの信念を固くとる者である。すなわちいかなる神霊も、またねたみ屋以外のいかなる人間も、私の無力や苦悩を喜びはしないし、また涙、すすり泣き、恐れ、その他心の無力のしるしであるこの種の事柄をわれわれの徳に数えはしない。むしろ反対に、われわれはより大いなる喜びに刺激されるに従ってそれだけ大いなる完全性に移行する。言い換えれば必然的に、われわれはそれだけ多く神の本性を分有するのである。  (第4部定理45系2の備考)  (上野修スピノザの世界』p141より)


スピノザのいう「神の本性を分有する」ことによって生じる「大いなる喜び」というものが、この曲にみなぎっているように思えて、なんだかヨンシーのソロを聴いてスピノザが理解できるようになりましたよ!(ホントかよ)
神という言葉に引っ掛かりを覚える方もいらっしゃるかと思いますが、スピノザの「神」というのは、「神即自然」の神であって、いわゆる人格神とかじゃないですよ~、といわでもがなのフォロー。

もう少し、この「大いなる喜び」を自分なりに無理くりに表現するとすれば、「生きていることはきっと凄くイイことなんだ」ということになるのでしょうか。コトバだけなら、なんとでも言えますが、コトバではなく、リアルに「作品」として目の前に提示されると、やはり圧倒されます。『GO』を最初聴いたときは、流行りのブルックリン派の流れを汲むサウンドだなとか漠然と考えてたのですが、あの、素晴らしくマジカルなライヴを観せつけられて、自分の浅はかさを思い知らされましたよ。そのおかげでスティーヴィー・ワンダーを観そこねてしまったことなんか後悔してないんだから!
 
と、1曲目にしてメロメロな状態になるのですが、やたらと軽快な2曲目の「Animal Arithmetic」(=動物的な計算?)は、「We should all be (Oh Oh Oh) alive! / Let's not stop, let's go and live!」(恥ずかしくて訳せない)とかもう、赤面モノの肯定ぶりですよ。もうやだこのアルバム。
サビの部分の「I see you're colourful / I see you in the trees /  I see you're spiritful / You're in the breeze」も、U2の「Indian Summer Sky」みたいで好きだなあ。spiritfulというのは、どう訳せばいいんすかね?
 
You'll...You'll learn to know」と叫ぶヨンシーが美しい3曲目の「Tornado」は激情的なナンバーで、起伏の激しい展開がU2の「Moment Of Surrender」っぽいかなって・・・すいませんすいません。
ここらへんのやり過ぎ感は、ニコ・ミュリーの手柄かと思いますが、この曲に限らず、アルバム全般に共通する、尋常ならない過剰さはなんなんでしょうね。病的というにはあまりに健康的で、健康的というにはあまりに病的だ。
マンガ家さんですと、森薫さん(「エマ」「乙嫁語り」など)の絵を見てると、同じような「過剰さ」を感じてしまうのですが、アレはなんなんでしょうか? あと、ガンガンJOKERで「プラナス・ガール」を描いてる松本トモキさんの絵にも、似たような過剰なパッションを感じます。共通点はなきに等しいのですが、こういう意味不明なまでのパッションは嫌いじゃないです。
 
それはともかく、4曲目の「Boy Lilikoi」は、このアルバムのハイライトですね。ほとんど狂気に近いカラフルなオーケストレーションが劇的に曲を盛り上げてくれます。
サビの歌詞の、「use your eyes, the world goes and flutters by」の一節は、ボクは「You'll lie, the word goes lullaby」みたいに聴いてましたよ。横たわって子守唄を聞かせようみたいな意味かと思ってたワタシを笑ってください。
この曲でも「You are....... (Alive)」と歌ってますが、このアルバムは、ある種のラブレターなのかなと、ちょっと思ってしまったり。
 
唐突に「Boy Lilikoi」が終わり、5曲目の「Sinking Friendships」が始まりますが、この曲も素晴らしいですねえ。現在、このアルバムで一番好きな曲かも。痛みを喜びとして歌うと言いますか、悲しみに染め抜かれた喜びと言いますか、これほど高揚する曲は滅多に聴きません。
サビの「When I sing inside you / it is as though I am too」は、どう訳せばいいんですかねえ。「あなたの中で歌うと、私もあなたのようになる」で合ってるかな?(まったく自信なし)
そう解釈すると、ちょっとU2の「When I Look At The World」に似てなくもないですね・・・すいませんすいません。もうU2を例には挙げません。許して。
 
(続く・・・かも)