賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

色々と手遅れなマンガ感想

 
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Girlish Sweet(竹宮ジン)

現在、「楽園」(白泉社)で「想いの欠片」を連載中の竹宮ジンさんの、同人誌時代の作品。
なんだかこの人の絵は、心がザラついてくると言うか、神経に障るようなところがあり(決して悪い意味ではないです)、どういう人なのか気になっていたのですが、この作品で、なんとなく分かったような気になりました。
 
いわゆるオムニバス形式で、何組かのカップルの話が語られてゆくのですが、単行本描き下ろしで、それぞれのカップルの接点を描くことにより(部の先輩・後輩/従姉妹関係/同じ施設育ちなど)、独立したお話が、「女優の野上優子の御芝居を観に行く」という方向で、ひとつに繋がっていき、最後のページで(ネタバレ注意!→)、登場人物一同(10人)が全員集合するという、そこが凄く良かったなと思いました。
 
最初読んだ時は、その描き下ろしの部分が不自然に感じられて、ギクシャクしてるように思えたのですが、「あとがき」で、その仕掛けが語られていて、ははあナルホドと。こういう「仕掛け」は、ワリと好きです。点と点が繋がり、それが線となって、一つの絵図になるといいますか。複雑な人間関係というのが、そもそも好きなんだなあ。
 
ジャンル的には百合マンガに類別される作品であり、登場する男性は、主人公格の野中さん絡みの、毒にも薬にもならない施設のお父さん先生と、娘を虐待する義父(→)の2名のみ。これだけでも「男性」の排除っぷりがうかがわれます。彼氏持ちの森さんの存在感の無さとかハンパねえっす!ちなみに関係ないですが、この会話の流れが好き(キモーい→エローい)。
 
男性のはしくれとして、肩身が狭い思いをするワケですが、そりゃあ「ナポレオン」(長谷川哲也)とか読んでると、オトコってどうしょうもねえなあとか思いますけど、世の中にはボノさんみたいな男性もいるワケでして、そこはもう少し斟酌して欲しいっ。
 
百合マンガに関しては、こちらの方のブログなどで、色々勉強させていただいたのですが、百合マンガにおける「閉鎖性」というのは、どうにもいただけないです。
たとえば、林家志弦さんなどは、開放的な百合世界を展開しているのですが、やはりそういうのが好みです。
 
おばあちゃんになっても、ずっと友達でいようね」(by佳代ちゃん@ひとひら)も、「我ら同年同月同日に生まるることは得ざるも、願わくは同年同月同日に死せん!」(@桃園の誓い)も、そこに取り立てて違いはないんじゃないかなあと思います。
 
と、そういう話は抜きにして、とても面白く読ませていただきました。この人の持つ、石田敦子的な毒というものも、しっかり拝見させていただきました。「想いの欠片」が今後、どんなに重い展開になっても、ワタシはついていきますよ!
 
 
 
 
なんでみんな、そんなにアイドルが好きなんだろうね? ぶっちゃけワタクシ、アイドルとか良く分かりません。
そんなワタシですが、師走冬子さんが描いてるんですから、ええ読みますとも! てか、「あいたま」も、アイドル物なんだよな、一応。
 
ひとひらアンコール」(桐原いづみ)を読んでいたら、無性に「あいたま」が読みたくなってきてしょうがなかったのですが、とりあえずこの作品で師走冬子分を補給できましたよ。まあ「うさぎノート」なんてのもありますが、そろそろ「あいたま」が読みたいなあ。とまさんは相変わらずあいちゃんに虐待されてるのでしょーか。とても心配です。でも師走冬子の作品で一番好きなキャラはこの2人だったりしますが(師走冬子さんのホムペより)。素晴らしいツーショット。
 
それはさておき、4巻では、松川マネージャーが風邪でぶっ倒れた話が一番笑わせてもらいました。このネタは、「ストロベリーシェイクSweet」(林家志弦)にもあったなあ、内容は全然違うけど。
このオマケのコマのキャッキャッウフフの鬱陶しさっぷりもまた良かったですね。激しくウザいわ~。
 
 
 
 

そして船は行く 完全版(雑君保プ)3巻

バナナにダマされた・・・。
と、それはともかく3巻が無事発売。夏に発売される予定の4巻では「ほぼ1冊描き下ろし」ということで、いよいよ待望されていた完結パートが描かれるのですねえ。長かった・・・。
この4巻のために今まで買い続けてきたといえるのですが、1巻当たりの価格が「1200円」というのも、新規読者獲得って視点をまるっと無視してますね? コアなファンしか買わねー。
3巻のあとがきでは、色々と切ない話が載っており、マイナーな雑誌で一般受けの良くないマンガを描くことの悲哀が伝わってきます。マンガは売れなければならぬ
といっても、「海賊」、「戦うシスター」、「メイドさん」(正確には秘書かな)、「百合」と、売れる要素はそこそこ詰まってるんだよなあ。色々と早過ぎたような気がしますよ。
なにはともあれ、最終巻の4巻を、大いに期待して待っております。これで出なかったらマジ泣きしますよ。
ちなみに、こちらのサイトに無料お試し版があります。布教布教。
 
 
 
 

手のり魔王(柚月もなか)全1巻

なまさんがプッシュされてるのを、今頃発見しましたので、慌てて購入しましたよ。早く仰ってくださいよ、も~。
うむうむ、確かになまさんがお好きそうな作品ですねー。ワタシは、いちば仔牛さんの「圏外です」を思い出しましたよ。この作品でも、セブンみたいなキャラが出てきたら良かったと思うのですが、出てくる前に打ち切られてしまったんだろうね・・・。
なにはともあれ、ヒロインさんのパンドラさんっぷりを楽しませていただきました。へっぽこ万歳!
 
 
 
 
 

リカってば!(長谷川スズ)3巻

この作品も、「手のり魔王」と同じ雑誌で連載されてたんだなあ。なんだか不思議。
3巻にいたり、いよいよすれ違いが顕著になってきて、読んでてシンドイのですが(こういうのはホント苦手)、この人の持ち味である、くすりと笑ってしまうセリフ回しは、相変わらず面白いですね。
 
・・・・・・いい! 女の子の寝室!!
何かいーい匂いがするし!
俺、このベッドを肴に酒が飲めるね!(140p)
 
いいなあ、頭が悪くって。
46ページの女装男子も悪くないかなって、最近思います。いや、コレは正確には女装女子なのか。
とりあえず4巻では、すっきりと話をまとめて欲しいなあと。グダグダは「イエスタデイをうたって」(冬目景)だけで十分ですっ!
 
 
 
 
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