賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

早足感想「フランケン・ふらん」(木々津克久)3巻

とらのあなで買ってきましたよ。

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どう見てもエロマンガです。本当にあり(ry
やぎさわ景一の「特攻!メイドサンダー」といい、秋田書店は一体なんの得があって、無駄に表紙がエロくするんですか!? 大丈夫です、「フランケン・ふらん」はエロマンガじゃありません、表紙はエロでも中身はグロです!(余計ダメじゃん)

と、そんな「表紙をめくったらビックリしたぜ~」な3巻でしたが、Ep.21の「ATTEMPTED SUICIDE」なんかは、むしろ「ヘレンesp」に近いお話でしたねえ。「ふらん」が「ヘレン」に近くなるのは結構なコトなのですが、「ヘレン」が「ふらん」に近づくのは勘弁して欲しいっす。「ヘレンesp」の1巻のおまけマンガで、ふらんが登場した時はビビったものですよ。ヘレンさん、逃げて~!

それと、ヴェロニカが主役の「Ep.18/TRIVIAL LOVE」も良かったですね。殺し屋と生物兵器とのロマンス・・・ベタな展開ですけど、こういうお話は好きだわ~。ふらんは脇役に回ると、毒々しさが前面に出てこなくって読みやすくなりますな。

次の「Ep.19/LUST」では、ふらんに続き、今度はヴェロニカ様がご登校。「次はアドレアさんにも行ってもらいたい」とのことで、この作者さんは異形なキャラを学校に行かせるのが本当に好きなんだなっ。制服と全然マッチしていないヴェロニカが可愛いですね。
ちなみにこのお話は、男性の欲望について描かれてまして、ええ、とっても肩身が狭いです。アメリカ!アメリカが・・・!!
欲望を満たされて賢者モードに入った男子生徒の描写が切実に面白いです。アメリカはエラいよ!

Ep.16の「ADOREA」では、怖いふらんが拝めましたが、基本的にふらんは信念のある、いい人なのですな。「ヨルムンガンド」(高橋慶太郎)のココ・ヘクマティアルと一緒で(世界平和のために武器商人になる)。この回のふらんとか、普通に格好良いな!(Ep.20/THE FINAL MOVIE)
問題は、そういういい人の善意から、とんでもない外道な行為へと帰結してしまうことで・・・



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下の描写は凄惨すぎてお見せできません
そんな殺伐としたこと言わないで
もっとやさしくなりましょうよ
命は星の数ほどあって はかないけど
それでも とても貴重なものなんだから…

紛れもない善意から発したものが、時には大いなる善となり、時には恐ろしい害悪となる。どうなるのか予想もつかない。そのダイナミズムが「フランケン・ふらん」の魅力だと思うのですが、考えてみれば、ふらんに限らず、ワタシたちのやってることも、それが果たして善となるのか悪になるのか、実際のところ明確にすることは難しい。ただ、自分は正しく善意からやっていると、それだけを信じておこなうのみだ。偽善者? それを言えるのは、君が無為の立場にいるからだよ。

そんな次第で、「ふらん」を読んでいると、ふらんの大立ち回りから生まれる悲喜劇に、いちいち身につまされてトホホな気分にさせられてしまう。やるせない・・・だが奇妙に読後感は爽快だ。アナタも是非体感して欲しい!



追記
昨日まで左上の方にあったGIFアニメはとらのあなでもらったフリペから作成したもの。こういうオマケが好きだなあ、木々津センセイ。