賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

走り書き

霊的人間」(鎌田東二)が存外に面白かったので、今度は「呪殺・魔境論」という本を読んでおったのですが、その中で、村上春樹の「海辺のカフカ」という本を紹介してる箇所があって、こんな風に引用してるんですよ。ちなみにワタクシ、村上春樹の本は一冊も読んだことがありませんっ!(読めよ)


「すべては想像力の問題なのだ。僕らの責任は想像力から始まる。イェーツが書いている。In Dreams begin responsibilities――まさにそのとおり。逆に言えば、想像力のないところに責任は生じないのかもしれない。このアイヒマンの例に見られるように」(289ページ)


あれ、この言葉、Acrobatの歌詞じゃないの?


AcrobatU2)一部抜粋

And I must be an acrobat
To talk like this and act like that.
And you can dream, so dream out loud
And you can find your own way out.
And you can build, and I can will
And you can call, I can't wait until
You can stash and you can seize
In dreams begin responsibilities
And I can love, and I can love

うむ、確かにIn dreams begin responsibilitiesって、言っているぞ。
これはイェーツから取ったのかあ。これはちょっと意外だったなあ。

・・・と、ググってみたんですが、どうやら元ネタは、デルモア・シュウォーツという人の小説「夢で責任が始まる」(In Dreams Begin Responsibilities )から来てるっぽいですね。
ボノさん、一時期アメリカ文学にハマってたそうだから、それでかあ。
てか、歌詞カードに「FOR DELMORE SCHWARTZ」って、書いてあるよね・・・_| ̄|○

デルモア・シュウォーツという人、ルー・リードと親交があったそうですが、アメリカ文学で、ルー・リードで、アイルランドの詩人イェーツも絡んでるんだから、これはボノさん、ホットケナイよね。

クロバットは大好きな曲なんですが、こういう背景があったなんで、てんで知らなかったですよ。面白いなあ。と言いますか、2ページ前までは平田篤胤やら鈴木大拙やらを論じてたのに、いきなりU2の歌詞が出てきてビックリですよ! まさにアクロバット

夢の中から責任が始まる」かあ(ここだけの話、responsibilitiesを「応答する」の名詞形だと思って「夢の中から交流が始まる」と今まで大誤読してたのはナイショだ!)・・・ボノさんは今、夢の中から生じた責任を果たすために、世界中を駆け回ってるのかもなあと、乙女な気持ちになってしまったり。キモいです!