賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

「機工魔術士」(河内和泉)14巻を読んだ

久しぶりに「大阪豆ゴハン」(サラ・イイネス)を読んで、「おおきく振りかぶって」(ひぐちアサ)の、三橋のこの顔(→■)が、なぜ既視感を呼び起すのか分かりました。

コイツだったか~。「パタリロじゃなくって、なんだっけ、ホラあれあれ~」な状態でしたが、これでスッキリしましたよ。
ということで、同じく大阪でマンガ描いてる河内和泉さんの「機工魔術士」であります(お、上手く前フリとつながったぜ!( ^ー゚)b)。

この巻あたりから、いや本当は一番最初から問題だったのか、の、「本物と贋物」のお話に入りました」というコメントが折り返しのページに載っておりましたが、うむ、やはり瓜二つの人間(悪魔)が、同時に2組いるというのは、あまりに不自然だよなあ。作者も最初から意識してたのか、当たり前か。

贋物作りの天才カリオストロは、その問題にケリを付けるために生まれたキャラクターなんでしょうなあ。「羊のうた」でいえば、風見看護師みたいなモンでしょうか(違うかも)。
終幕に向けての布石が着々と敷かれてゆく14巻も面白かったんで、今回は各話ごとに軽く感想を述べてみたいと思います。


53話「Life is pleasant」

とりあえず、トビラのカラーページがエロエロだな! (とても紹介できませぬ)。表紙めくってビビッたぜ! 久しぶりに「機工魔術士」を読んでいるな~って気になれました。最近、ちょっと大人しかったから油断してましたよ。複製原画がもらえるなら、このイラストが欲しいなっ(ええ~)。

タイトルは、直訳すると「人生は楽しい」。元ネタを調べてみると、アイザック・アシモフの言葉らしいですね。
全文は、

Life is pleasant. Death is peaceful. It's the transition that's troublesome.
(人生は楽しく、死は安らか。ただ生から死に至るまでが面倒なだけ)

だそうです。フルカネルリを示唆しているのかな。河内和泉、本気だな
ヒロインらしく、悪漢にさらわれた優香姉ですが、ハルヒコのコトを異性として、さっぱり意識してないことがカリオストロとのやり取りで判明。ハルヒコ、可哀想すぎ・・・。

それにしても、優香姉といいユウカナリアといい、どんどんロリ化していってますなあ。
めぞん一刻」の音無響子とか、「イエスタデイをうたって」の森ノ目シナ子とか、なんでこのテの作品のヒロインは、軒並み幼くなってしまうんでしょうね? 不思議だ。

もとより、コロコロ顔の造形が変わるユウカナリアなんですが、こういう大人っぽい顔のが個人的に好きです。設定では400歳なんですから、もっとそれらしい顔をして欲しいものであります!(老婆ですがな)。ちなみに木村マナの、この「ふぬっ」顔も好きです。


54話「とある贋作」

ここにきて新キャラを出しますか(アマツ&モモ)。しかもちびっこキャラですよ。なにを狙ってるんだ、河内和泉
瞳の色からし機工魔術士(=人間)のようですが、実は悪魔で結構トシを喰ってるとか?

ヤマトも久しぶりに登場。メルクーリオの件で、ちょっと険悪な状態になってたから、多少心配してましたが、別段わだかまりはなかったようで、なにより。ヤマトに汗をかかせるとは、ハルヒコも成長したなあ。

呪われた身体はさぞ辛かろうね」とカリオストロが言ってましたが、パラケルススのあのホネ・ヴァージョンは、ギャグじゃなくて呪いだったんですか。また伏線が・・・


55話「Quis fallere possit amantem?」①

メルクーリオの下僕の地位をゲットしたホクト。ある意味羨ましいコイツだったらきっと喜ぶだろうな)。
そして、ホクトのねーちゃんが今年27歳であることが分かりましたよ。え、それなんて「花やか梅ちゃん」(師走冬子)のヒロイン?

そんでもって、ホクトに対カリオスト用の魔具の製作を命じるメルクーリオ。なるほどなー。そうやってメルクーリオとホクトを本筋と絡ませてゆきますか~。彫金士の技能だけでは、カリオストロに一泡吹かせるのは難しいものなー。ここらへんの展開のもってゆき方は、見事の一言です。


56話「Quis fallere possit amantem?」②

Quis fallere possit amantem?」という言葉は、以前にも紹介したサイトで調べてみると、「いくら欺こうとしても、恋人にはピンとくる」という意味だそうです。なかなか意味深長ですな。
「Amor magister est optimus」は、長く使われてましたが、今回のこのタイトルは、どれくらいの間、続きますかね~。

それはさておき、優香姉を奪還すべく、カリオストロの根城にカチ込んだ二人ですが、うわあ、カリオストロの思う壷や~。
進入する前に、フルカネルリの魔石のコトをユウカナリアに話しておけば・・・ッ! もうっ、もう!!

と、見事に作者の思うツボにもハマってしまいましたが、どんどんセリフがひらがなになってゆくユウカナリアが切ないです。どうなっちゃうの~!?

そして、おおっ、カコさんの新しい髪型ナイス!! 当分それで行きましょう!



う~ん、面白いな。釈然としないくらい面白いですよ。
賽ドリル」も面白いんですが、やはりこちらをきっちり、息切れせずフィニッシュして欲しいですね。
くれぐれも、なるしまゆりみたいなことにはならぬよう・・・