賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

思い出のBOOTLEG 第2回「The Working Tapes」

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曲目リスト
 01.Where Did It All Go Wrong - Take 1
 02.Heaven And Hell
 03.Jitterbug Baby
 04. I Feel Free - Take 1
 05.Sweet Baby Jane
 06.Blow Your House Down - Take 2
 07.Laughin' In The Face Of Love / So Cruel - Take 1
 08.Take You Down
 09.Laughing In The Face Of Love / So Cruel - Take 2
 10.Wake Up Dead Man - Remix
 11.Going Down South
 12.Sunset In Colours
 13.Chanes Away


とても有名なブートレグ。何種類かヴァージョンがありますが、ワタシが所有しているのは、上のジャケットのもの。
音質が抜群に良いこと(当時にしては)もさることながら、凝りすぎのジャケット(アイランドの商標まであるし)も含め、大変気に入って良く聴いてました。
バンド側としては、このようなデモ段階の音源が市場に出回ることは不本意であるに違いないが、なんといってもこの時期のU2の劇的な変化は、おそらくロック史上においても極めて希少な例だと思うので、彼らが一体どのような試行錯誤の果てに「アクトン・ベイビー」へとたどり着いたのかを考察する上で、貴重な音源であったと思います。確かに不法行為でありますが、この音源が流出したことを神に感謝したいです(笑) それでは簡単に収録曲の紹介など。


1.Where Did It All Go Wrong - Take 1
ほぼ、正規ヴァージョン通り。でもこっちの方がギターの音が大きく、ロックしてる分、こちらの方が好み。

2.Heaven And Hell
ZOO-TVツアーの頃、ボノが、ウイリアム・ブレイクの「天国と地獄の結婚」について、この詩に触発され曲を作ってるとインタビューで答えていたけど、この曲がそうなのかな? The Whoの「Live at Leeds」のオープニングが「Heaven And Hell」なんですが、これは関係ないか。
さしたる起伏もなく、演奏時間も6分と長尺の曲であるけれど、終始物憂げな調子で演奏されているオルガンみたいなギターのサウンド(本当にオルガンかも)がいい感じで、退屈しないで聴けます。

3.Jitterbug Baby
曲名をあえて意訳すると、「かわいいヘベレケちゃん」?
ジャック・ダニエルを片手に怪気炎を上げていた当時のボノにぴったりのテーマソングかも。
この頃からすでにボノがファルセットを、巧みに歌いこなしていますね。「魂の叫び」に収録されている「ハートランド」でも、素晴らしいファルセットを披露してますが、ああいった崇高な、どこまでも高みに上っていくようなものではなく、人を喰ったような、おどけた調子でファルセットを効果的に使っているのがミソ。ボノがFAT LADYに変身するのはもう目前、というカンジです(笑)
サウンドもすでにしっかりとした音作りができており、この曲が正式に発表されなかったのは惜しい。Trying to Throw Your Arms Around the Worldとカップリングでシングル発売して欲しかったなあ・・・無理か。

4. I Feel Free - Take 1
非常に興味深いテイク。ボノの素っ頓狂なヨーデル風のファルセットで始まるこの曲が、特徴的なギターのリフによって、実は「Until The End Of The World」の原型となった曲であることに気付き、そのあまりの雰囲気の違いに愕然としてしまう。イスカリオテのユダをテーマにした「Until~」が(キリストを裏切ったこの人物について、かつてこれほど熱烈に歌った曲が存在しただろうか?)、こんなかる~いノリの曲を基に生まれたとはなあ。

5.Sweet Baby Jane
ヴォーカルとギターだけで、演奏時間も2分少々と、簡素な曲であるが、不思議と耳に残る。最初は伴奏がなくアカペラで歌ってるところが良いですね。

6.Blow Your House Down - Take 2
わお、カッコ良い!ものすごく ロックしてる曲。冒頭のギターなど、凶暴すぎてほとんどインダストリアルの領域にいっちゃってますよ。ないん・いんち・ねいるずしちゃってます(笑) 非常にカッコ良いんだけど、これでは「アクトン・ベイビー」には収録できないわなあ。最新作のHTDAABに放り込んでみたら、案外と違和感なく聴けるかもしれない。

7.Laughin' In The Face Of Love / So Cruel - Take 1
So Cruelの原型になった曲。当時、U2のレコーディングでは、マイブラの「ラヴレス」がヘヴィ・ローテーションでかかってたそうだが、その影響が如実にうかがえる。「So Cruel」も良い曲だが、この狂ったような、それでいて、いやだからこそ甘美なこの曲調も捨てがたい。

8.Take You Down
冒頭はエッジが歌ってる・・・エッジ?エッジだよね?
この曲では、ホーン・セクションに加え、ハーモニカやピアノまで入っており、前作「魂の叫び」に近いサウンドになっている。Love Is Blindnessは、「魂の叫び」のセッションから生まれた曲だそうだが、この曲もそうなのだろうか。少し前までは、BBキングと共演したりボブ・ディランと一緒にレコーディングしていたんだよなあ、当時の彼らは。


ちょっと疲れてしまったので続きは後日また(笑)
それにしても、「Blow Your Horses Down」「Laughin' In The Face Of Love 」「Take You Down」と、まったく曲調の異なる3曲を続けて聴くと、改めてこのバンドの音楽的視野の広さには恐れ入るばかりです。これだからU2を聴くのはやめられないのですな(笑)