たまには咲話をしよう
2回戦までしかやらないんじゃないかとか、アニオリ展開挟みまくりだろうとか、「咲日和」も同時放映するのではないかと、様々な憶測が飛び交ってますが、とりあえず末原さんの勇姿が全国のお茶の間に流れてくれれば、僕は満足です。
サイトの方で毎日1人ずつ声優さんの名前を公開するはずが、初日に情報が流出してしまうなど、なんとも験の悪い出だしだったですが、まあお祭りにハプニングはつきものと切り換えていくのが吉。明日はのよーさんで明後日は洋榎さんなのよー。
その2 面白かった咲のSS
1年前に比べるとSSの数もめっきり減った感じですが、それでもすばらなSSはしっかり存在しますね。
最近では(もう最近ではないんですが)、『淡「100歳じゃよっ!」』が気に入って、何度も読み返してました。
淡さんの「私は実力から言えば高校100年生だよ」を踏まえて、実際に100歳になった淡さんを描くという狂気の所業破天荒な設定にまず驚かされますが、お婆ちゃんな淡さんが不思議に魅力的で、読んでるうちに違和感がどんどこずんどこ解消されてゆきます。
原作の淡さんは、なかなかに邪悪だったりするのですが、こっちの淡さんはそういう棘が消えて、いやそういう邪悪さが年齢を重ねることによって非常に良い形で昇華され、より魅力的なキャラクターへと変貌を遂げているように思えます、すばら!
前半はコメディパートと言いましょうか。「大星淡100歳記念祝賀大感謝超生誕祭」をピークとして、咲のSSらしいお祭り騒ぎが楽しく描かれています。「文化祭くらいくれてやるっ!」「ケチャップで文字書くのはこれが初なんで……試させてくれるかな!?」など、淡さんの名言がそこかしこに挿入されていて、いちいち笑ってしまいますよ。照さんノリ良すぎ。
ガイトさんが淡コスプレしてる照さんを冷やかしに行くくだりなど、これまた名作SSである「照「パンダコパンダコパンダ」」を想起させてニヤニヤしてしまうのですが、ここらへんのお祭り騒ぎは読んでいて非常に楽しいです。
後半は前半とうって変わってシリアスモードに突入します。初めて読んだ時はビックリしましたよ。穏乃さんも100歳になってたのかあ(憧さんも)。
その穏乃さんとの100年近い戦いにケリをつけようという熱い展開で、これは淡さんを応援せざるを得ない! いやあ燃えさせていただきました。
大変長いSSなのですが、無駄なところがひとつもない、見事な構成だと思います。このSSの淡さんみたいに上手に年齢を重ねていきたいものです。
その3 「シノハユ」のこと
騒ぐな騒ぐなロリコンども
なんと言っても特筆すべきは(穏乃さんも指摘していますが)、ヒロインの白築慕(しらつき しの)さんの可愛らしさ。特に連載第1回の慕ちゃんの可愛さは異常であったと思います。
入魂、と言うのでしょうか。五十嵐あぐり先生、相当気合を入れて描かれたのではないでしょうか。とにかく全コマが素晴らしい。正直第1回だけでも読んでくれればオケとさえ思ってます(笑)
ネット(と言うか2ch)での評判をつらつら読んでますと、「
」という声が目立ってたように思えました。また家族に不幸があるキャラかよ
確かにその通りなのですが、「シノハユ」というのは実は少女マンガなのではないかと、私は思ってます。
シノハユは、たとえばデザートなどに放り込んでも、無理なく溶け込める作品だと思います。「たいようのいえ」(タアモ)と「となりの怪物くん」(ろびこ)の間にあってもなんら不思議はない。そして「たいようのいえ」にしても「となりの怪物くん」にしても、家族が重要なテーマになっています。少女マンガの定番と言っても良いと思います。三原順のマンガなんていつもこんなだ。ほとんど虐待だよ~。
要するに「咲」を青年マンガであるとして、ガンガンで連載されていた阿知賀編は少年マンガ、そしてシノハユを少女マンガと見立てますと、きれいにトライアングルが形成されるんですね。個人的にとてもスッキリした構図が生まれます(笑)
シノハユでの、あの異様なまでの作画のクオリティというのは、そういった少女マンガ的な世界観をどう表現すべきか、その試行錯誤の結果生まれたのではないかと、邪推してしまう次第です。具体的には男性キャラを描くのに苦労されたそうですが、慕ちゃんを始め、女性キャラにも、並々ならぬ努力を払っていると思います。
「家族との繋がり」を全面的に押し出したこと、さらには久々に男性キャラ(リチャードソン)をメインキャラに据えたことが少女マンガ性を強めたと思われるのですが(阿知賀編では名前のある男性キャラは1人も登場しません)、シノハユのもう一つの側面として「テーマの純化」が挙げられるのでは、と思います。
咲本編では、主人公の咲さんは「麻雀を通してお姉ちゃんと話をする」ことが目的となっており、「家族」が重要なテーマとなってますが、シノハユではそこからさらに一層深く追求されているのではないでしょうか。
阿知賀編においても、主人公ではないのですが、松実玄さんのエピソードがそれに該当してると思います。やや消化不良だった、玄さんの「別れることはよくあることで、私は慣れてるはずだったんだ」が、慕さんの「おかーさんが好きだと言ってくれた、キラキラな顔で」へと繋がるような気がしてなりません、まあ妄想ですが(笑)
ですが、玄さんと慕さんが良く似ているのは決して偶然ではないと思ってます(血縁関係とかじゃなく)。
また、「咲」における重要なタームとして「笑う」と「楽しい」が挙げられるのではないかと思うのですが、咲さんの「一緒に楽しもうよ」が、ややもするとネタとして扱われてしまってるように、時に麻雀の楽しさを表現し切れてないところがあるように感じます。
慕さんの麻雀描写を見る限り、どうも咲さんのような怪物性は慕ちゃんにはなさそうです。穏乃さんみたく最後の最後に覚醒するかもですが、心から麻雀を楽しんでいる慕さんを見てますと、この頃の咲さんをもっと真っ直ぐに描いてみたいという欲望から慕さんが誕生したのかなあ、なんて考えちゃいます。育成される咲さん可愛い!
慕さんは、咲本編では28歳になってます。本編では描かれないかもですが、きっと今でもキラキラな顔で麻雀をしていることでしょう。
その4 そして単行本
前回の咲祭りはこんな感じだったそうですが、これは迷うわ~。
同じ本は2冊持たない主義ですので、どの店舗で購入するのか、最後の最後まで迷い続けそうです。
そして思えば、咲を読み始めてから1年以上も経っているのですねえ。この1年、本当に色んなことがありました、しみじみ。
そんな中で、「咲」は心の支えになっていたことは否めません。この作品を知るきっかけとなった「てんむす」には、ええかなり悪口を書いてしまいましたが、大変感謝しております。もう全然怒ってないです、ホントホント。
咲本編での、長野大会決勝大将戦をリアルタイムで読めなかったことは残念至極でしたが、「シノハユ」を第1話から読めたことによって、その悔しさが少し解消されましたよ(笑)。
もうマンガ関係は咲一辺倒になっていてすっかり情報に疎くなってしまっているのですが、これは嬉しいニュースでした。「ダイヤのA」はちゃんと知ってたぞ。
「ねじまきカギュー」(中山敦支)もアニメ化されれば安泰なんだけどなあと思いますが、マニア受けしてる作品がどんどんアニメ化されて知名度が上がればいいなと思います。チャンピオンは弱虫ペダルかあ。「パンダのこ」(角光)はイケると思ったんだけどなあ。
なにはともあれ、シノハユの感想を書くまでは背景画像を変えないつもりでいましたので、これで心置きなく背景画像を新しくできます。結構恥ずかしいんですよ?(笑)