賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

今週の週刊少年チャンピオンが面白過ぎる件

週刊少年チャンピオン17号が面白くてしょうがないんですが、こういう時どういう顔をすればいいの?

笑えばいいと思うよ(ニコッ)。
とか、古くさいネタかましてないでですね。今週のチャンピオン、面白かったですねえ。主に「さくらDISCORD」(増田英二)のせいなんですが、なんすかあの最後のページは。どう見ても少女マンガじゃねーっすか。
チャンピオンと言えば、「タイマン張ったらダチじゃー!」な少年誌なワケですが(だから古いって)、そんな中、見事に少女マンガかましてますよ。どうなんですかねこれは。個人的に面白くてたまんないんですが、なまさんが、どんな感想を書かれるのかなあとか、そういう意味でも楽しみですね。
そういえば最近、こちらの方がチャンピオンの感想を書いてらしてるのを知りまして、自分と好みが違う方ですので、とても興味深く拝見させていただいております。
 
そういう次第で、チャンピオンの感想はまた改めて書くとしてですね。「バチバチ」(佐藤タカヒロ)について、ちょっと思う事がありましたので、その件について少々。
ケガした選手が、その怪我が完治するのを待たずに試合を続けて、結果再起不能になる、というのは、昔の少年マンガでは、ワリと定番だと思うのですが、そういうのはもう流行らないんでしょうけど、「バチバチ」では、吽形さんが、まさにこの定番を踏襲いたしました。
 
スラムダンク」での主人公の、「オヤジの栄光時代はいつだよ…オレは今なんだよ!」も、それに類するかと思いますが、こういった行為を「独りよがりの自己陶酔に満ちたバカ」と罵る人もいるワケでして、 それはごもっともなんですけど、その行為にいささかの共感も得られないというのも、また寂しい話だなと、昔の熱血スポ根マンガに慣れ親しんだ人間としては思う次第であります。
 
自分が小学生の頃、「はしれ走」(みやたけし)というマンガを愛読していたんですが、この作品でも例によって、そういう「独りよがりの自己陶酔に満ちたバカ」が出てくるんですね。
サッカーの天才少年なんですけど(高句陽一郎)、試合中に、主人公から危険なタックルを喰らってアキレス腱を断裂する大怪我を負ってしまい、にも関わらず怪我が治ってないのに試合に出て、結果再起不能となってしまう。
 
これを読んでいた小学生の時分は、「怪我が完全に治ってから試合をすればいいのに」って思ったものでしたが、無駄に年を喰ってオトナになった今では、高句くんが、なぜ怪我を押してまで試合に出たかったのかが、分かるような気がします。
大怪我を負わせてしまったことに罪悪感を抱いた主人公は「自分もサッカーを辞める」と高句くんに弱音を吐くのですが、それを聞いた高句くんは激怒して殴りつけます。自分を怪我させたくらいでサッカー辞めるとか、サッカーを馬鹿にするなと。自分にとってサッカーとは、そんな軽いものじゃない。「俺はサッカーに命を懸けてるんだ」と言って、主人公を再びサッカーの道へ連れ戻すのですが、その時、高句くんは「主人公と試合をしなければならない」という、「約束」が発生してしまったのですね。
 
主人公が、自分の為に命を懸けて戦っているのだから、高句くんも、再びその世界に戻らなければならない。
命を賭けている以上、アキレス腱の1本や2本、どうなろうとまるで関係ない。「怪我してるから試合できません」? それでは、自分の言ったことが嘘になってしまう。嘘をつくことは、約束を破ることは決して許されない。
 
ワタシは読んだことはないんですけど、イマヌエル・カントと言う人が「定言命法」という言葉で表現しているみたいですね。自分は嘘をつかない。たとえその結果、友人が殺人鬼に惨殺されようとも、自分は嘘はつかない。傍から見れば「独りよがりの自己陶酔に満ちたバカ」としか思えないのですが、それが道徳であると。
 
はじめの一歩」(森川ジョージ)という作品があるのですが、その作品でも、宮田一郎というキャラクターがいまして、彼もまた「約束」を守るために、足を負傷した状態でも、選手生命を賭けて試合を続行します。→■ 
 
いかなきゃ・・・
アイツが待ってるんだ
 
ここで果たされなかった「約束」は、「はじめの一歩」という物語の中で、重い地位を占めることとなります。「はじめの一歩」がこれほどの長大な物語となったのは、ひとえにこの「約束」があったがためではないかと思うのです。→■
 

そして――
どこかで観てるんだろう?
忘れてないぜ、お前との約束!
必ず果たす!!
 
 
すいません、俺、このシーンでマジ泣きしました。宮田くーん!
 
まあ、この十数年後に、宮田くんは土下座してこの約束を撤回するんですけどね。
 
森川ジョージ、ふざけるなあっ。俺が許したとしても、カントが許さないぞこらあ! カント先生、やっちゃってくださいっ!!
と、いまだにトラウマが癒えないワタクシでございますが、石原都知事エロマンガなんかよりも、こういうマンガを取り締まってください。明らかに道徳的に過ちを犯してますよ。
 
そんな冗談はともかく、今週の「バチバチ」で、いよいよ吽形さんが正式に引退して寂しいなあという話ですが、今後も吽形さんは良き兄貴分として、鯉太郎達を指導していって欲しいですね。そう、「セスタス」(枝来静也)のザファル先生のように。
 
 
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ザ、ザファル先生~~ッッ!!
最近は「セスタス」を読んでないんですが、元気でやってますかねえ。
などと、相変わらずとっちらかった記事になってしまいましたが、要するに「カントを読まなくてもマンガを読めば道徳が学べる」ってことですね。ンッン~名言だな、これは。