賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

エロマンガと少女マンガと

そういえば、マンガ喫茶エロマンガ読んだんですよ。

ノ・ゾ・キ・ア・ナ」(本名ワコウ)という作品で、ええまあ絵柄が好みだったんで手に取ってみたのですが、からしどう見てもエロマンガです、本当にありがとうございました。

エロ自体はそんな大したことはないのですが、問題はヒロインさんのキャラがですね、ノゾキが大好きでノゾクのはもちろん、ノゾカレルのも大好物という、なかなか度し難いヘンタイ野郎というのが素晴らしいなと。この種のヘンタイは嫌いじゃないです。一本筋の入ったヘンタイというものは良きものですが、ヒロインさんを見てると昔、ヤングサンデーでやってた「月光の囁き」(喜国雅彦)を思い出す。いや、さすがにあそこまで気合の入ったヘンタイではないので心配ご無用ゴム用品。そういえばヤングサンデーに「のぞき屋」(山本英夫)とかあったなあ。山本英夫は次作で「殺し屋1」とか始めるし、あの頃のヤンサンはヘンタイばっかりだな! ええ、嫌いじゃないですよ。

wikipediaを見てみますと、小学館の携帯コミックサイトで配信されている作品だそうで、1000万ダウンロード突破とか、なかなか景気がよろしいようですな。携帯でエロマンガを読むという行為の意味が分からないのですが、人気があるみたいでなにより。だがしかし、いくら人気があるからって、週刊少年サンデーにこの人の作品を載せるとか、それはちょっと軽率ですよ。少年誌とか、得意分野で勝負できっこないじゃないですか。追いつめられてるからって、無茶するなあサンデー。

マンガ好きの戯れ言」のなまさんも、あまり好印象は持てなかったみたいですよ。ああもう言わんこっちゃない。こういう時は本当に、全作品の感想を書いてらっしゃるなまさんの記事は、とても参考になりますね。なまさんだって好き嫌いは当然おありだと思いますが、それでも全作品にレビューを書かれるなまさんを尊敬しております。えらいなあ。
そんで「ノ・ゾ・キ・ア・ナ」なんですが、最新刊ではなかなか佳境に入ってきて、ヒロインさんがなにゆえ覗き魔となったのかが判明しそうなのですが、これからどういう顛末を迎えるのか楽しみですね。よし、ちょっくら携帯で続きを読みますか(読みません)。


そういえば最近、少女マンガ読んでたんですよ。

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タアモさんという人の「たいようのいえ」って作品なんですけど、本名ワコウとかタアモとか、なんでみんな、そんな奇をてらった名前を付けたがるのか。
それはともかく、この作品も現段階で累計60万部と、これまた人気作品ですね。ワタシの場合はアオハルに載っていた作品がなかなかブッ飛んでいて面白かったので、好奇心で読んでみたのですが、存外に少女マンガしてて意外でしたよ。やるじゃんタアモさん! まったくそれに比べて本名ワコウは・・・。
などとノ宮さんなセリフはさておき、なんだかほっとしたような、少し残念なような気持ちで1巻を読み終えたのですが、2巻でのラジカルさんの言動にまた少しく不安を覚えてしまったり。

「私も今、はじめて3次元に気になる人ができたんです」
「3次…?」
「あ、2次元じゃないってことです」

な、なんか猛烈にイヤな予感がするのう・・・


いや、ただの歴女さんだったんで安心しましたが、へー伊達政宗って、まーくんって呼ばれてるんだー楽天イーグルスのエースピッチャーだけじゃなかったんですね。っていうか妙齢の女性が人前でお○んちんとか言わんで下さい。興奮するじゃないですか(ヘンタイだー!)。
そんなヘンタイ的言動は無視していただくことにして、このマンガはなんといっても、ヒロインさんが大変魅力的ですね。なんつうかとても良い子なんですよ。

いつもお世話になってます…!
2人には すご~~く良くしてもらってます…!
すごくいい人達です!!
いつかこの恩を返すんだって、ずっと思っています…!

「恩を返す」とか、お若いのにまたえらくクラシカルな言葉遣いをするのが良いのですが、この子はきちんとお礼が言えるのが素晴らしいですね。この作品のテーマは「ありがとう」なんじゃないかって思えるくらい(笑)、「ありがとう」という言葉が頻出しています。最新刊の5巻では、最初の回(17話)だけで5回も言ってますよ。20話でのこの「ありがとう」もいいなあ(→ )。まっとうな少女マンガしててよろしゅうございます。

好き合ってる男女が同居してるワケですから、なにか間違いがあってもおかしくないのですが、二人とも自制し合っている今の状況は、もどかしくもあり、「ストイックだなあ」と好もしくもあります。男の方は「冷静になれ」と、強い責任感で自制して(光源氏とは大違いだな)、ヒロインさんの方は「同情で好きになって欲しくない」と自身の弱い立場を利用してつけいろうとは、絶対に考えないのですね。あえて名を伏せますが「君のいる町」の柚希さんも見習って欲しいストイックさです。

ヒロインさんはなかなか辛い家庭環境にあるので(嬉しすぎてありがとうって言えなかったとか泣けるわ)、だからこそ、ちゃんとお礼を言わなきゃと考えており、普段日常でなかなかこうはスラっと「ありがとう」と言えない自分には、耳の痛い話であります。お礼はすぐに言わないとダメだって、「ドリフターズ」(平野耕太)の島津豊久も言ってますしね。ありがとうごわぁた! そういや「センゴク天正」(宮下英樹)での、竹中半兵衛の最期の言葉にも泣かされました。

それはさておき、普段はヤンチャな小学生的言動に終始するヒロインさんなのですが(エロサイト♪エロサイト♪)、このギャップがまたよろしいですな。ちなみにこのサイトではエロマンガを取り上げたりもしますが、賽ノ目手帖は、エロサイトじゃないよ・・・(だっ)
などと、単行本にもなってない作品のパロをやってても、なまさんくらいしか分かってもらえないワケですが(待望の「空は灰色だから」(阿部共実)1巻は3月8日発売です)、このAAは当時よく使わせていただいたものですよ。私は、チャンピオン読者じゃないよ・・・(だっ)

そんな空灰ネタはともかくとして、好きな男子とイチャつく夢を見ていたことをその男子の目の前で思い出して、恥ずかし過ぎて顔を真っ赤にして泣き出すところなど、感情が溢れてくる真っ直ぐさが読んでて気持ちが良いです。みつどもえ」のみっちゃんを思い出す真っ直ぐさですよ。この回を読んで、みつどもえファンになったんでしたっけ。また雌豚さんが見たいです、桜井のりおセンセイ・・・。
そう言えばヒロインさんは真魚というのですが、それにちなんでHNを「空海」と名乗ってるあたり、相当キモが太い御仁ですな。空海というと1000年に1人出るか出ないかってクラスの人じゃないですか。いい度胸してるぜ。


と、こんな具合に大変面白く読んだ次第ですが、2chとかではどう評価されてるのか気になって見てみましたところ、あらあらこんなカキコが。


コミックハイの本屋漫画の影響で読み始めた人いる?
新人バイトの主人公がいっしょにお風呂のPOPを描いて云々な話なんだけど


コミックハイと申したか。

やっべえ、全然覚えてねえ。この頃はコミックハイは定期購読してたのに。うむ、こういう時はなまさんのレビューへGOだ! 最近なまさんに頼り過ぎじゃね?

本売る女子(藤井ハル)【読み切り】

経験談かな?本屋の話でした。
絵はちょっとなー 背景もほとんど白いしなー

でも、話は悪く無かったです。
自分が気に入っている本が買われていく様を、間近で見られるのだから、
その点はいいなぁって思います。
自分も興味ありますよ。
コミックハイ!」はどんな人が買っていくんだろうとか。(「コミックハイ!6月号(VOL.26)を読んだ」より)


うむ、まったく思い出せん!

たった4年前の話なのになっ。ていうか自分、「読切の「本売る女子」は、確かに悪くなかったですね。」とかエラそうにコメントしとるやないけ。くそっ、歳を取ると、てきめんに記憶力が減退するぜっ。「アリーナ!」ミキマキ)とか、懐かしいな。なまさん覚えてます?

と、思わぬところで思わぬ雑誌名が出てきて驚いてしまったのですが、この頃すでにタアモさんと接点があったのですなあ。この作風は、あの頃のコミックハイに載っててもおかしくないですね。
Wikipediaを見ると、タアモさんは2001年にデビューということで、立派な10年選手なんですよ。これにも驚きました。てっきり新人のマンガ家さんだと思い込んでました。いやアオハルに載ってた作品が、なんつうか下手だったんで。失礼だな、君は!

下手という言い方はどうにもマズいのですが、素人くさいと言うのでしょうか(この言い方もナシだなっ)、商業マンガ家とは思えない作風なんですね。なんでしょうか、ハナイチコさんの作風を思い出してしまいます。この真っ直ぐな稚拙さは維持して欲しいなと。いや、上手くなるに越したことはないのですが、この人の場合は上手くなる必要がないかもなと。


 ある作品を読んで、うまい――と思いながら、心を打たれない。他の作品を読んで、ちっとも描けてないと思いながら、心を打たれる。これは誰もが経験している事だ。芸術作品として、前者が勝れていると思いながら、心を打たれるのは後者である。(小林秀雄「菊地寛文学全集」解説)


タアモさんが目指している事も、おそらく後者の方でしょう。これからも心を打たれる作品を描いていって欲しいなと思います。




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これからアオハルを読むぜ~。現在無料配信中ですよ。タアモさんのは配信されてないけどなっ!(ダメじゃん)