賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

好色文学

・・・ん? なんかオレ、なにか忘れてなイカ
 
ということで思い出しましたよ。以前やったWEB楽園増刊感想なんですが、そういえば残り3日分やってなかったなーって、今頃気づいたので、この場を借りてちょっとだけフォローさせていただきますね。
 

8月29日「シゴキは下手な先輩」(位置原光Z)

うむ、下品だなっ。それでこそ位置原日光Z。いいぞ、もっとやれ。
 

8月30日「100x200」(犬上すくね

犬上すくねがキタわあ~~。
 
しかもエロい! 最高ですよ、犬上さん。よし、これで志村貴子さんと谷川史子さんが楽園に来てくれれば、アワーズプラス完全復活だなっ。
9月27日には「あかとき星レジデンス」が出るし、山名沢湖さんの「恋に鳴る」は面白いし、よっしゃアワーズライトも復活だ! ・・・すみません、ちょっと舞い上がってしまいました。
しかし正味の話、こういう恋愛ディストーション路線のやつを是非、楽園本誌で描いてください、犬上センセー!
ええまあ、サンデーGXの方で連載再開されてるけどなっ。
 

8月31日「ヴァーチャル・レッド」(シギサワカヤ

そして最後にトリをつとめるはシギサワカヤ。うむ、夏の最後を飾るに相応しい、エロい話だシギサワカヤさんの、こういう系統の話は好きだなー。まあしかし、そればっかですと二宮ひかると、もろカブりになってしまうのか。
 
 
と、こんなカンジで、3つともなんかブログで紹介していいのかなー的なお話でしたが、ここに来る人たちも、最近の賽の目にはさじを投げてるっぽいから大丈夫(大丈夫じゃないだろ)。よし、こっちもフォローだ!
 
 
人間は、人殺しだとか、裏切りだとか、泥棒だとかいう言葉を、平気で人前でしゃべり散らしている癖に、どうして性交という言葉は、歯の間で噛み殺してしまうのであろう。
 
というモンテーニュの言葉から始まる、小林秀雄の「好色文学」は、大変面白いエッセイなのですが、これは全集とかじゃないと読めないのかな? 全作品ですと、18巻に収録されてますね。18巻は「詩について」「信仰について」「表現について」「年齢」「ニイチェ雑感」、そしてこの「好色文学」と、出色の作品が目白押しだなあ。小林秀雄48歳。あからさまな文芸批評家。大学教授にして出版社の取締役にして詩人にして通称「人生の教師」(「ナポレオン」(長谷川哲也)のラザール・カルノーっぽく)。気力体力充実してますね。特に「信仰について」は昔、全文をパソコンで打ったものをプリントアウトして持ち歩いてたりしてたものですよ(笑)
 
それはさておき、この「好色文学」の中で、好色文学の傑作である「源氏物語」について、本居宣長の「物のあはれ」を元に、こう語っている。 
 
宣長は、「源氏物語」の根本の観念は、「物のあはれ」であると苦もなく断じた。(中略)人間に一番興味のある「物」は、人間であろうし、一番激しい興味は、恋愛の情にあるだろう。恋歌は詩の基だ。「あはれ」はほとんどすべての種類の感情感動を指す語だが、悲哀傷心は、人の最も深い感情だろう。悲しみは、行為となって拡散せず、内に向かっておのれを噛むからである。
(中略)ありのままの心とか、自然な感情の動きとかいうものがまた一種の審美的な詩的な観念であり、言葉の「あや」がなければ、まことらしさも自然らしさもないことを彼(宣長)は直覚していた。思い余った人でなければ、歌いはしない。余るところにおのずから綾が生ずるのである。性欲は満ち足りて終るが、いつも余っているのは恋情であろう。そして、悲しみの情は、一番よく「あや」を教えた。悲しみとは、一番よくおのれを知る感情だからだ。
 
シギサワカヤさんや、二宮ひかるさんのマンガに「物のあはれ」を見るというのは、いかにも無学者ならではの番勇かもしれませんが、そうでなければ読む甲斐もないやいと、開き直る自分がいます(笑)
彼女たちは、、源氏物語以来の好色文学の衣鉢を継ぐ人たちなんだと、そう思ってます。単にエロが読みたきゃエロマンガ読んでりゃいいんですよ(笑)
この種の物言いは、とっても言い訳くさくって、みっともないんですけど、以前は女性の方もよくこちらにいらっしゃってましたので、さすがに心苦しくなってきたこともあり、ここはあえて言い訳させて欲しいなと、そういう心積もりで今回記事を書かせていただきました、はい。