賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

形容に耐えられないアルバム

いよいよヘビーローテーションでNLOTHを聴くようになってしまってる賽の目です、こんにちわ。

今回のアルバムで、U2は明らかに一皮むけたサウンドを提供しているのですが、それをどう表現すれば良いのでしょうか。
「解放感」?「自由さ」?「軽さ」? どれもあてはまりそうで、どれもしっくりしないカンジ。
「軽さ」というのが、一番近いイメージなのですが、軽いというには相変わらずヘヴィーなところもあるし、「重量感のある軽さ」というのでしょうか。「地に足のついた浮遊感」というのでしょうか。とにかく一筋縄ではいきません。

12年前、U2が、一見彼らにはまるで似つかわしくない「POP」というタイトルのアルバムを作ったのは、こういうサウンドを目指していたのではないかという気が、段々してきました。NLOTHこそ、POPの名を冠するに相応しい。「リアルPOP」・・・コレだな!(笑)

ATYCLB、そしてHTDAABの2枚のアルバムは、POPでの挫折から回復すべく必要なリハビリだった。立ち直る為に、もう一度、自分たちの持っている力を推し測り、メンテナンスし、研ぎ澄ますことが必要だった。そして傷から癒えたU2は、まさに12年目のリヴェンジとして、真のPOPアルバムを世の中に叩きつけてきた・・・妄想はどこまでも膨らみます(笑)

POPのリマスターを出したい」と、一時期彼らはよく口にしてましたが、リマスターするよりかは、新作を出してくれた方が僕たちには全然嬉しい。POPでのボノさんのヴォーカルは少し残念でしたが、NLOTHで見事リヴェンジを果たしましたね(笑)

POPであろうとして、POPは見事にPOPでないアルバムとなってしまった(ボノさん曰く「二日酔いのようなアルバム」)のに対し、今回はなぜこんなにも見事にPOPなアルバムとなったのだろうか。
経験の蓄積、そしてPOPと違い、納得のいくまでじっくりとレコーディングできたこともあるのだろうけれど、実に不思議だ。

この謎は、NLOTHを聴き込んでゆくうちに、ゆっくりと解明されていくのだろう。願わくば、この謎が可能な限り長く長く続いてくれますように。