四方山バナシ（少し修正）

こんばんわ、ネタもないのに無理やり更新しようぜな賽の目です。

最近辛抱が足りなくて、長い本があんまり読めなくなってしまい、かといってマンガを読むっていう気分でもないし・・・ということで「中原中也詩集」（新潮文庫）なぞ、読んでおるのですが、十代の頃に読んだ時とはまた全然別の読後感がございますな。当たり前か。

その脣は胠ききつて
その心は何か悲しい。
頭が暗い土塊になつて、
ただもうラアラア唱つてゆくのだ。

という詩句に（「都会の夏の夜」）、思わずＵ２の「Running To Stand Still」を連想してしまったりするのですが（ハララ～ラララ・ディ・デイ♪）、「ラアラア唱つてゆく」という言葉は良いなあ。

思うに、POPには、この「ラアラア度」が足りなかったのだな。Ｕ２はもっとラアラアしなければ！
「If God Will Send His Angels」は、なかなかラアラアな曲で、シングルカットもされたんですが、ライヴでは早々にリストから外されるなど、微妙に冷遇されてるのだなあ。
定番であった「Please」などはむしろ、ラアラアし過ぎなくらいであるが、ちとドラマティック過ぎてしまって、あざとくなってしまってるところがある（ワガママだな）。
エレベツアーでは、「Please」をアコギ・ヴァージョンで演奏したことがあったが、あれは良いラアラアであった。大儀である。

と、突然珍奇な概念を持ち出して一人で納得するのがワタシの得意技なんですが、え、これからどう話を膨らませるの？
あの、すいません、本当にただの思いつきでした。

まあ、アレですよ。Polysicsのライヴなど、つらつら観てますと、「Ｕ２がPOPでやりたかったことって、こういうんじゃないのかなあ」とか思ってしまうのですよ。まあ無茶な発想ですが。
ポリの場合は、パンクとテクノの融合というノリですが、オアシスとテクノを融合しようとしていたというPOP期も、まあ似たようなもんじゃないかと。うむ、強引だ。

あんな大袈裟なステージングに走らなくっても（巨大レモン型ミラーボールとか）、素のままで十分、ポップマート・ツアーのコンセプトは表現できるんじゃないかという、あの頃の不満感が、ポリ観てると、ふつふつと湧き上がってくるのですな。

「俺たちは金をもらいすぎている」という自責の念が、あの莫大な"浪費"をやらかした原因かもしれない。カネをたんまりもらってるクセに、質素なセットで貧乏くさい格好してオーディエンスの共感を得ようとしている、あのグランジとかいう連中に、「偽善」を見ていた彼らだから、「そんなせせこましいヤツらなんかブッとばしてやろうぜ！」という意気込みは、今ならすごく分かるし、痛快でもあったりするのですが、う～ん、やっぱりＵ２には、あくまでも我が道をゆく路線でやって欲しかったという未練が、自分にあったりするのかも。

そういう自分が、改めてポップマート・ツアーのＤＶＤを観たら、どういう感想を持つのかなーと、楽しみにしてる毎日ですが（はよ出さんかい）、そんなワケで、こないだから「ボノ語録」を久しぶりに読み返してみたのですが（どんなワケだ）、20代の若ボノ様は、初々しくて良いですな。

無責任であることに価値を見出している。俺が立ち上がって正しい方向を指し示すことを期待している人たちがいるけれど、そんなこと決してやらないよ。俺はロックンロール・バンドのシンガーだ。それ以外のことを期待するのはおかしい。（13ページ）

（コマーシャルに歌を使う）必要がないよ。それだけさ。そんなことをする必要がないんだ。それが俺たちとオーディエンスとの間の取り決めだと思うんだ。俺たちに金をくれるのは彼らだ。その際の要求は、休日にどこに行こうと構わない、どこで暮らそうと構わない。ただ、いい音楽を与えてくれよ。馬鹿なことはしてくれるなよってことなんだ。（134ページ）

『魂の叫び』が嫌いな人は次の作品も嫌いだろうね。音楽的な意味で言ってるんじゃないよ。こういうやり方でこれからもレコードを出していくってこと。俺たち自身のため、それから俺たちのレコードを一生懸命聴いて細部までわかってくれるオーディエンスのためにレコードを作り始めたんだ。俺たちは90年代のグレイトフル・デッドなのさ。（82ページ）

真っ直ぐでいいわあ～。ニュー・アルバムが完成されることを、一日千秋の思いで待ってますよ。馬鹿なことはしないでね？
・・・あ、これは一応Ｕ２の記事になるのか。マンガの話に持ってこうとしてたんだけど、なんか間違えた。

じゃあ最後に、中原中也の「秋の一日」の冒頭部分をひとつ。

こんな朝、遅く目覚める人達は
戸にあたる風と轍との音によつて、
サイレンの棲む海に溺れる。

冬目景センセイ、『サイレンの棲む海』の単行本化をお願いします！！