賽ノ目手帖Z

今年は花粉の量が少ないといいなあ

Love Is Bigger Than Anything In Its Way(後半)

勿論、前回までの話は前振りだったワケですよ

賽ノ目手帖恒例の前振りだけで力尽きて記事が終わるパターンでヤンスね! そんなパターン捨ててしまえ。
 
ということで、以前も記事にしたこのある曲なのですが、ライヴ音源でこの曲を聴いて非常に好きになりました。上のはベックヴァージョンですけどー。映像が適度にキモくていいですね。
 
で、改めて「LOVEっていうのは一体なんなんだろう?」とまた少しく考え込んでしまったのですよ。

ボノさんにとってのラブというのは恐らく、いや絶対「神の愛」だと思います。正確には「神は愛」ということでしょうか。God is Love!

 

キリスト教というのはワタシにはいまだ遠い存在であるので、ここは同じ日本人の内村鑑三センセイの言葉を拝聴してみませう。

 

戦争が始まっても何でもない、神は愛である。戦争は歇(や)んでも何でもない、神は愛である。国は輿きても何でもない、神は愛である。国は亡んでも何でもない、神は愛である。しかり、よし全宇宙は消え失せても何でもない、神は愛である。純信仰の立場より見て歴史と科学とは何でもない、神は愛である。
内村鑑三所感集「何でもない」

社会人的な立場から見て、おいおいとツッコみたくなる気持ちもありますが、まずは語勢をもってなにを言わんとしているのかと鑑みてみますに、なによりも最初に慮るべき事柄は「神は愛である」ということで、戦争や国家や歴史や科学は二の次三の次ということでありましょう。


すべての前提である「愛」というものを、もう少し卑近な言葉で言い換えるとするならそれは「肯定する力」とでも言いましょうか。この力を前提としない限りはなにをもっても無、「何でもない」ということではないかと。
 
宮沢賢治も惚れ込んだ常不軽菩薩というボサツサマは、決して他人を軽んじないという方で、こちらのサイトからまんま引用させていただきますと、
 
法華経』に登場する菩薩の名。彼は人をみると「私はあなた方を尊敬して決して軽くみることはしない。あなた方はみな修行して仏陀となる人々だから」といい,人々にはずかしめられ打たれると,その場を逃げ,離れた場所から再び同じ言葉を繰返したという。そこでこの名がある。
と、非常に感動的なおこないをなさるボサツ様なんですね。あなた方を軽んじないということは肯定するということ、つまり愛ですね。
キリスト教的な愛だとちょっとボクは分からないんですけど、こういう菩薩的な愛なら分かるような気がしてくるぞい。
 
要するに、ワタシにはどうにも難しいボノさんの説く愛を、いかに自分が受け入れられるかということに四苦八苦している次第なのですが(笑)、近頃読んだ本の影響で(「王道と革命の間」(野口武彦)です)、「陽明学致良知っていうのはボノさんの言う愛に近いんじゃないかなあ」というのは今現在のワタシの妄想です(笑)
 
かなりいい加減が理解なもとに書いてるということを是非頭に入れていただきたいですが、「知行合一」にしても「事上磨錬」にしても陽明学のものの考え方ってボノさん好みじゃないかなあって、少しく覚えるんですよね。違う!って言ってもらっても一向に構いません(笑)

良知を致すとは愛することだ、という風に考えてみるのは無謀の極みですが、そう考えた方が、ワタシには分かりやすいです(笑)。陽明学の影響を受けた人たち、大塩平八郎とか吉田松陰とか西郷隆盛とか、みんな愛の人なんですよ。ホンマかいな。


樊遅仁  樊遅が仁について尋ねた
子曰人  孔子は人を愛することだと答えた
顔淵篇  
 
って孔子サマも仰ってますし!
なんか最近、ボノさんの言説を東洋的と言いますか、あえて言うと日本人的に解釈するのが面白くてしょうがないんですが、多分面白いのは自分だけなのが痛し痒し。
ボノさんからすればただ単にはた迷惑な話なのですが、一ファンの妄言ということでカンベンしていただきたいです。
 
余は仏教信者ではない、しかし仏教を援くることを好む。余はユニテリヤンではない、しかしユニテリアン教を援くることを好む。余は教会信者ではない、しかし教会を援くることを好む。余はクリスチャンである。ゆえにすべての人をすべての場合に援くることを好む。余のこの心をわからない者はキリストの心を分からない者であると思う。余は仏教信者でないゆえに仏教に反対すべき者、無教会信者であるゆえに教会に反対すべき者であると思う者は、いまだキリスト者とはどんな者であるかを知らない者である。
内村鑑三所感集「キリスト者の心」
という内村鑑三の言葉にボノさんは「そうだね」と言ってくれることを妄想してやまない今日この頃です。終わり。
 
 
 
 
おまけ
弾き語りヴァージョンもいいですね。
 
 
 
サビのところをエッジが歌うのがイイ! 日本でもこれでやってくれないかなあ。
そして曲の途中で当然のように客側に赴くボノさん。この人は本当にファンと交わりたいんだなあと。